政と源

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 2923
レビュー : 508
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087806854

感想・レビュー・書評

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  • しをんさんが描くと、幼馴染みの腐れ縁の男の友情も生々しく、優しく、熱い♪ひがみっぽい政と、豪放磊落な源。それぞれ良いところと困ったところと。補い合ってるような、平行線のような、その距離感がとても心地よかったです。徹平とマミちゃんがいい味だしていて、素敵なキャラでした。何が良くて何が悪いかなんて今は分からない。けれど、何歳であっても生きている限りは色々あるのよね。二人で合計148歳。蕗代の態度には疑問を感じるけど、葉書を書き出してからの最後のスピード感はたまりませんでした♪少し解決が見えかけた最後でした。

  • 東京の下町に生きるおじいちゃんたちのお話。
    つまみ簪一筋の職人源二郎と、堅実な人生を歩んできた銀行マンの国政。
    幼馴染で正反対の二人が、反発しあいながらも互いを思い遣り憎まれ口をたたき支え合っている、とても温かいお話です。
    実は。

    二人のそれぞれの頑なさが愛おしくなります。
    それぞれの夫婦も、いろんな形の幸せのあり様を感じてちょっとしんみりしちゃった。
    若い二人もかわいらしい。

  • 思っていたものとは違っていたけど、とても良かった。タイトルがこうで、じいさん二人の話だというので、有川浩さんの「三匹のおっさん」みたいなのを予想してたのだった。まあ、そういうコミカルな面も十分あるのだが、これは少しビターな味わいのオトナの小説だ。有川さんのはファンタジーね。あ、どちらが上とかそういうことではなく、別物という意味で。

    国政夫婦のすれ違いが切ない。国政は、なーんにもわかってない。でもそれは、ああそうだろうなあ、そうなるのも無理はないなあ、ほんとにもうしょうがないなあと思わせる可愛げがあって、そういうところが、しをんちゃんは実にうまい。全編が国政視点での語りなのに、こんな風に複眼的な人物像をくっきりと描き出すのはたやすくないと思う。

    豪快な源二郎も、マミと徹平のバカップルもいい味わいだ。「つまみ簪」というのをよく知らなくて、ネットで見たら、まあほんとにきれいなこと!禿げ頭に少し残った髪を赤やら青やらとんでもない色に染めちゃう源二郎が、こんな繊細で可憐なものを作り出すというのが、また面白い。

    各章の扉と巻末に掲げられたイラストの作者は円陣闇丸さんといって、BLを読まない私でもきっとそうだろうとわかる、その世界の漫画家さん。これが華麗な絵柄で、国政も徹平もかっこいい!しをんちゃんはすごーく嬉しかっただろうなあ。

  • 70代の幼馴染の国政と源二郎の物語。さすが三浦しをんさん!読んでいて映像が浮かぶ。これも映像化されるのではないだろうか。とても面白くて一気に読んでしまった。

    読む前は、幼馴染のおじいさんの話なんて面白いのかと半信半疑だったけど、源二郎の弟子の二十歳の徹平の若さと対比させて、高齢者の孤独や苦悩や葛藤を明るくからっと描いていて面白可笑しく読んでしまった。読後感もとてもよい。

    文句や不満を言いながらも、仲の良い国政と源二郎の関係が羨ましく、微笑ましかった。友達っていいな。

  • ていうか、まかりまちがえば、BLにしたかった、とかですか(笑)
    しをんちゃんの趣味が丸出しで、愉快。
    軽いなーと思ったら、あ、コバルトに連載してたのか!知らなかったぜ。
    なんていうんですか、三匹のおっさん+まほろ駅+妄想÷3、みたいなそんな話でしたな。
    じいさんコンビがかわいくもあり、恰好よくもあり、よかですたい。
    ロマンスグレー万歳!!!!

  • じじいふたりの物語だけど、敢えてこのカテゴリ。

    どうしても有川浩さんの『三匹のおっさん』と比べてしまうのだが
    あちらとこの『政と源』では年齢がひと回りほど違うのと
    人数が3人とふたりという違いもあってなのか
    こっちのふたりの方が関係性が密接というか、言葉は悪いがちょっと淫靡だなと。
    イマドキの70代は決してじじいではないように見えるので
    来年の桜が見られるか気にしたりするのか、という気がなんとなくしてしまうのだけど
    考えてみればまさにその年代のうちの父がそんなこと言ってたなぁと
    しみじみと思ったりもした。
    その割に作中のふたりは元気だけどな。

    弟子の徹平くんとマミちゃんのバカップルのキャラもいい感じ。
    とはいえ、あとの方の口絵に出てくる徹平くんのビジュアルは
    文章で読んでいたのと若干イメージが違った。
    なんつーか、思ってたよりガタイがいいというかデカいというか(爆)。
    徹平というとどうしてもストーブさん(笑)が思い浮かんでしまうからか
    もっと小柄な子を想像してた。

    登場人物が思ってたより少ないかな。
    徹平くんとマミちゃんが結婚したところでこの1冊は終わるのだが
    この続き(彼らの子供の話とか)も読んでみたい気もする。
    『まほろ駅前』シリーズはまだ積んだまま未読なのだが
    何となく似た雰囲気なのだろうか。

  • 東京の下町に暮らす、幼なじみの政と源は73歳。
    元銀行員と簪職人という、生き方も性格も全く違うふたりのお話。

    政と源の、ずっと続いている友情についてのストーリーは、小説としていい感じに安心して読めました。長い付き合いって良いものだなぁとしみじみ思う。
    そして、おじいさん二人が主人公という新鮮(?)な小説。
    若くないからこその、枯れた面白みがぎゅっと詰まっていて楽しめます。

    ただ、国政が一人暮らしをしている事情となると、急に現実の世界に引き戻されるようで、気持ちがざわついてしまいました。国政と一緒に住まない奥さんのこと、一緒に住みたくないと思われるような日々を送ってきた国政のこと、などなど現実めいているので苦い心持ちになりました。

    扉絵のイラストがありえないほど美しい。
    格好良すぎ!
    これは現実を忘れてこの小説の世界であそんで下さいということなのかな?
    きれいにまとめられた趣のラスト。歳を取ること、生きていくことをさりげなく肯定しているようでいいなと思った文章を引用。


    >ゴールや正解がないから、終わりもない。幸せを求める気持ち。自分がしてきたこと。それらに思いを馳せては死ぬまでひたすら生きる。その時間を永遠というのかもしれない。そう思った。

    >Y町の誰もが、それぞれの永遠を生きる。

    >長い年月が過ぎ、Y町の風景は移ろったが、底に生きる人々の営みは変わらない。少年の日と同じように、いまも国政の隣には源二郎がいる。
    幼なじみではなかったら、こいつとはきっと友だちになどならなかっただろう。

  • 古希を過ぎたオトコの友情物語(笑)表表紙とは全く異なる挿入絵にまず驚き、いかにもBL好きな、しをんさんらしいと苦笑。初出を見て納得。コバルトでした・・・
    銀行定年して奥さんに愛想つかされ別居中の石頭 国政と 若くして(すみません私が四十代なものですから)愛妻に先立たれた「つまみ簪職人」源二郎。元グレな弟子と二人暮らし(彼女あり)
    この二人と弟子の話ですが とにかくはちゃめちゃ。波平ほどしかない髪の毛を弟子の彼女に 赤やら青やら緑に染めて告別式や結婚式に出席する源二郎、その弟子の仲人を依頼され 別居中の奥さんに必死でお願いする国政 彼の何故出て行ったのか全く判らない、という発言が 同年代の男性の意見だろう。働いて給料を入れていれば居なくてもいい、そんな時代を生きていた男達。今の男達は残念ながら そこまでも行けない・・
    結婚はわずらわしいと思っているのか はたまた 最近はとんとみかけけなくなった「お見合いババ」の存在が皆無になったためか・・・独身貴族(貴族か?)が増え過ぎだ。
    有川浩さんの 三匹のおっさんと被る人も多いかもしれないけれど
    若い女性からみた年配の元気なおっさんを描くとこんなもんかもしれない

    • HNGSKさん
      kikiさん。初めまして。あやこと申します。
      kikiさんのレビューを読んで、私もそのとおりだなあとしみじみ感じました。
      素敵なレビューをあ...
      kikiさん。初めまして。あやこと申します。
      kikiさんのレビューを読んで、私もそのとおりだなあとしみじみ感じました。
      素敵なレビューをありがとうございました。フォローさせてください。
      2013/10/17
  • 下町の簪職人源二郎と、元銀行マンの国政は現在73歳の幼なじみ。
    妻を早くに亡くした源二郎と、妻に出ていかれた国政の日常。…

    挿絵の雰囲気がちょっと違うかな、とは思いつつも、自分の中でイメージを膨らませながら、源さんと政さんとの時間を楽しみました。

    下町の頑固オヤジ達。
    人情に熱く、素直でないのも魅力です。

    お弟子さんの徹平くんもいい味を出しています。
    彼らの結婚式の仲人のために、政さんが奥さんに書送り続けた葉書がいい。
    離れていても家族。
    政さんも奥さんも、願っているのは家族の幸せ。

    なんとも暖かな優しい作品でした。

  • 幼なじみのじいさんコンビ政と源を中心に下町で繰り広げられる破茶滅茶な人情溢れる物語。
    つまみ簪職人がいる事をはじめて知った。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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