政と源

著者 :
  • 集英社
3.65
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本棚登録 : 3541
感想 : 541
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087806854

感想・レビュー・書評

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  • テンポの良さとキャラのかわいらしさ。軽く読めてスッキリ。

  • 政の将来への不安が人ごとに思えない。うちのじいちゃんばあちゃんはどう思ってるんだろう。もし同じように思ってるなら作者はすごい。
    ちょっと三匹のおっさんが頭をよぎった。

  • 僕にも、付き合いの長い幼馴染みがいるけど年とったらこんな2人になりたいね。

    家で、読んでいたので源さんの行動に爆笑しながら読めました。
    ドラマ化したら、源さんは泉谷しげるだろうね

  • 片や堅物、もう片方は職人気質…バリバリの江戸っ子、幼なじみ物語。粋な人情・愛情が下町の水路を駆け回る。しをんさんが背景描きする古典なる芸能・文化は沁み入る良さがあるなぁ♪。

  • ★3.5

  • しをんさん久しぶりに読みました。やっぱいいです♪

    べらんめえな職人と、元銀行員。
    幼馴染であるじいさん二人の、少し切ない、ちょこちょこ笑えるお話。
    絡む若者がまたいい子なのよね~。
    「はいっす」な徹平ちゃんがいい味でした。

  • 登場人物の職業の描き方が相変わらず秀逸。興味をそそられる。

  • 東京下町、墨田区を舞台に、そこに住む70代の老人2人の物語。
    老人といっても夫婦ではない。
    幼なじみの爺さん、凹凸コンビの日常だ。

    つまみ簪職人・堀源二郎と元銀行マンの有田国政。
    職業も全く違えば、性格も正反対。
    自由奔放、好き勝手に恋愛をしていた源二郎が
    本当に好きになったのは、初なおボコ娘花枝だった。
    2人の結婚は、花枝の親の反対にあい、
    駆け落ち同然に一緒になった。
    仲睦ましく暮らしていた2人だが、子供に恵まれず、
    花枝は病気で他界する。
    以来、源二郎はやもめ暮らしをつらぬき、
    現在は弟子の撤平とその彼女マミに
    あてられながら暮らしている。
    一方、政こと国政は、一流大学を出て銀行に就職をし、
    親のすすめるまま、見合い結婚をし、二人の女の子を授かる。
    一見、幸せそうに見える生活だったが、
    仕事の忙しさを理由に家庭をあまり顧みず、
    そのせいで、清子は結婚した娘夫婦の元へ転がり込み、
    現在、別居中で寂しい生活を送っている。
    正反対のような半生だが、2人とも基本高齢者の一人暮らし。
    しかも幼なじみとあって、
    よるとさわると、くっついては、肩寄せ合って毎日を過ごしていた。
    源二郎の弟子である撤平とマミが結婚することになり、
    仲人を頼まれた国政は、
    別居中の妻清子にお願いをするハメになるのだが・・・・。

    エリート人生を歩んできたはずなのに、
    いつのまにか寂しい老後をおくる政に、
    身近に確かにこんな人いるよな、なんて・・・。
    反する源は、最愛の妻が他界し、同じような寂しい老後のはずが、
    孫のように若い弟子とその恋人に慕われ、
    温かい穏やかな暮らしをおくっている。
    外見でも教養でもない、
    本当に人の心を掴む術を知っている人のみが
    楽しい晩年生活を送れるのだろう。

    男性2人のコンビものは
    同じ作者の「まほろ駅前多田便利軒」があるが、
    これは若者2人の青春物語であった。
    それとは別の、「源と政」。
    熟年凸凹コンビに、人生のはかなさや切なさも感じると共に、
    それでも生き抜く図太さを知らされる。
    第二、第三の青春が訪れる予感すら感じ、
    そのポジティブなストーリーに拍手喝さいである。

  • ほのぼの

  • 下町に住む幼馴染みの二人が主人公。二人合わせて146歳。
    つまみ簪職人で破天荒な源二郎。堅実に銀行を勤め上げた国政。正反対な二人のおじいちゃんのやり取りがとてもいい。

    それにしても、国政さんみたいな人は昭和には多いんじゃないか。見合い結婚して家のことは妻に丸投げで永年家庭を顧みず働き続け妻に出て行かれてしまうんだけど、何故そうなのかわからない。
    そこからの一歩。

    話がどれもあったかいし、下町の言葉が飛び交うのも心地よいし、しをんさんのちょっとした形容や言いまわしがツボで何回も噴き出しました。ただ、挿し絵はイメージと違いました。

  •  

  • 一瞬有川浩の三匹のおっさんシリーズを思い出したけど、読んでいくとそうでもなかったかなー。
    破天荒親父と真面目親父。
    正反対の二人が源の弟子と弟子彼女を絡めすすむストーリー。
    ストーリーは小分けになってるので読みやすく、キャラクターもいい感じでさくさく読めました。

  • 面白かった!まほろ駅前便利軒シリーズなどからの系譜を感じる一作。
    東京下町で生まれ育ち70年以上、幼なじみとして生きてきた2人…生真面目で堅実な元銀行員の国政と、破天荒なつまみ簪職人の源二郎。妻が娘家族の家に行ってしまい、1人で孤独や虚しさを感じている国政は、戦争で家族を失い、若くして愛妻を亡くしたものの、若い弟子の徹平やその恋人のマミなど周囲の人から慕われてにぎやかに暮らす源二郎を羨み、ひがむことも多い。でも、この性格の全く異なる幼なじみ2人の、深いところで理解しあい信頼しあう強い絆で結ばれている様が泣ける。

  • 東京Y町に住む国政と源二郎は70を越える腐れ縁。
    幼なじみ。小学校から一緒だった仲間は大分少なくなって今じゃどこで何しているのかすらよくわからない。70を越えてお互いに遠慮なしに付き合える関係はすごくうらやましいし、こういったジジイに憧れる。お互いの性格は正反対のようだけれどもそこが逆に歯車がカッチリ噛みあうようにできているんだろうなあ。
    内容どうこうよりもうらやまさしが勝るそんな作品。枯れ専?っていう人たちは大好きじゃないの?年いきすぎてるかな?

  • 子どもの頃は、良く遊んだ友達も
    今は疎遠になってしまった
    環境が変わっても友達でいるって難しい
    むしろネットで知り合った友人の方が
    長くお付き合いさせてもらっていたりする

  • 幼なじみの国政と源二郎、弟子の徹平と恋人のマミ、国政と別居中の清子。

  • 下町の幼馴染み、74才の国政(元銀行員)と源二郎(つまみ簪職人)。
    生き方も全然違うのに友達で、いいなぁ友達って、と思う本。
    職人の弟子の結婚や寄る年波に勝てず国政がぎっくり腰になるとか、色々面白いエピソードはあるけど、定年になった途端、娘の家に行って戻って来なくなって3年の奥さんとの話がいい。
    これが無ければちょっとありきたりな感じかなぁと思うけど、この話で物語に苦味が加わって味わい深くなってる。
    つまみ簪って、知らなかったけどググってみたらすごくキレイで息が止まるほど。実物も見たくなった。

  • 働き続けた先に妻からも娘からも雑に扱われるというのは、
    なんて切ないのだろう。

    国政を見てるととても切ない。
    1人で生きていくのは辛いなぁ。
    そして友達っていうのはいいものだ。

  • なんか、ほのぼのする。
    そして、家族とは何かを考えさせられる。
    それだけと言えばそれだけだけど。

  • つまみカンザシ職人とはまたまたニッチな世界だこと。
    しかも幼馴染みの年寄り二人が主人公とは三浦しをん以外には書けないだろう。

    年寄り二人とは言え、まほろ駅前チックなキャラ設定。掛け合いが抜群で最高!

    結婚を強く望み、それに向けて一心不乱に頑張る弟子。一方で年寄りはと言えば、死別と何十年と生活を共にしてきた末の別居。
    常にそばにいて一緒でいる事の大切さから、相手を慮る価値観にシフトしていく。
    なぜなら死んだら親しい人の心の中に入っていけるから。

    この本、意外に軽くないぞ。

  • 個人的には、挿絵のイラストは不要。元銀行員の堅物な国政と下町に代々伝わるつまみ簪職人の源二郎、2人のジジイを中心にした下町の話。やはり、本音を言い合いながらバカやってる腐れ縁のような友人がいるのはいい。国政はまるで自分の将来を見るようで、自分もゆくゆくは妻も娘も去り一人ぼっちで暮らしてそうな気がしてならない。そんな堅物な国政が、帰ってきてもらうために毎日必死に趣向を変えて手紙を書くのがなんか微笑ましかった。三浦しをん作品は、日ごろクローズアップされない仕事にスポットが当たり、非常に興味をそそられる。

  • 読み進めていると、終わりに近づくのが寂しく感じました。
    政と源がまるで漫才でもしているような痛快トーク。こんな幼馴染みがいるだけで、人生薔薇色だと思います。
    自分はこのままだと政のようになっていく気がするなー。

  • 「まほろ駅前多田便利軒」の
    多田と行天の「オジジ版」みたいなお話。

    こんな、幼馴染の関係
    …って、すんごく…羨ましいぃ~!

    詳細は、⇒ http://noinu.blog.fc2.com/blog-entry-65.html

  • 老人になっても、幼馴染みとの縁が続いてるのはいいね。

    自分はどうなのかと少し考えてみた。

  • 有川浩さんの3匹のおっさんっぽい。
    おもしろかった!

  • 僻みっぽい政と歯に衣着せない源。
    73歳のおじいちゃんの友情物語、という感じ。

    現代の高齢者が元気だ、と言われるけれど
    竹馬の友が70代になっても
    腰が痛くても二人とも、自分で動けて、憎まれ口も言えて
    泣けて、笑える。
    それは、案外ないことのような気がする。
    二人を羨ましいと思う方も多いのかも・・と。

    源さんが舟で恋人を迎えに行くのが
    超素敵。
    王子様みたいじゃーん。

    職人好きで所作好きの私は
    つまみ簪を作っているところ
    ずーっと見ていたい。

    楽しく読みました。

  • 三浦しをんさんの作品は、どうしてこう、ジワーッと温かい気持ちになれるんでしょう?
    この本も、男性二人の友情のお話、なのですが、友情、家族愛、夫婦愛、色々と盛り込まれていました。
    それでいて、嘘っぽくないのがこの人のいいところ。
    仕事人間が定年もすぎ、再就職した仕事もリアイアして毎日家にいるようになった途端、妻が家を出て行ってしまう...なんていう70代男性近所にもいるんじゃないか?と思ってしまう。
    妻の信頼を取り戻すには、もう少し時間がかかりそうです。

  • 【要旨】東京都墨田区Y町。つまみ簪職人・源二郎の弟子である徹平(元ヤン)の様子がおかしい。どうやら、昔の不良仲間に強請られたためらしい。それを知った源二郎は、幼なじみの国政とともにひと肌脱ぐことにするが―。
    弟子の徹平と賑やかに暮らす源。妻子と別居しひとり寂しく暮らす国政。ソリが合わないはずなのに、なぜか良いコンビ。そんなふたりが巻き起こす、ハチャメチャで痛快だけど、どこか心温まる人情譚!

    幼馴染で互いに長い年月かけて嫌なところも良いところも見てきて嫌な時も良い時も共に過ごしてきた、そんな枯れ切った爺さん二人の友情譚。
    しぶい。しぶいなぁ。
    この二人の活躍は、これからも見ていたい!
    まほろシリーズに続くシリーズ化希望!!

  • 心情的にいろいろしっくりきて(政さんのとこ)入り込んで読めた。
    ちょっと「3匹のおっさん」に似ているかなー。
    つまみ簪は大好き♥
    現実でもこんな後継者がいてほしい。

  • 好対照な境遇ながら幼馴染でくされ縁の元銀行員の国政とつまみ簪職人の源二郎の心温まる友情物語です。その2人をもり立てる源二郎の弟子の徹平とマミのカップルとの絡みも面白かったです!こういう幼馴染の長きにわたる友情というのもいいもんだと思うのでした。

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著者プロフィール

1976年東京生まれ。2000年『格闘する者に○』で、デビュー。06年『まほろ駅前多田便利軒』で「直木賞」、12年『舟を編む』で「本屋大賞」、15年『あの家に暮らす四人の女』で「織田作之助賞」、18年『ののはな通信』で「島清恋愛文学賞」19年に「河合隼雄物語賞」、同年『愛なき世界』で「日本植物学会賞特別賞」を受賞する。その他小説に、『風が強く吹いている』『光』『神去なあなあ日常』『きみはポラリス』、エッセイ集に『乙女なげやり』『のっけから失礼します』『好きになってしまいました。』等がある。

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