政と源

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 508
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087806854

感想・レビュー・書評

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  • 元銀行員の政こと国政と、いまだ現役の簪職人の源こと源次郎は、墨田区の荒川と隅田川に挟まれた町に住む幼馴染の“爺い”たち。全く性格の違う二人ながら遠慮のないやり取りの中から見えてくる優しさが楽しいです。.



    堅い仕事を定年まで勤め終え、悠々自適のはずの政なのに、今でも職人として仕事を持ち、弟子と丁々発止のやり取りをしている源が羨ましくてたまらない…。
    仕事人間で家族との時間も持たずにきたらしく、妻はある日、娘夫婦のところに出て行き、今は一人暮らしというのも、さびしいだろうな、と思ったり、妻から見ればそれだけの夫だったのでは、と言いたくもなったり。

    源は少しだけ残った髪を赤にしてみたり、緑にしてみたりとなんとも破天荒で、町を歩いているとあちこちで声をかけられる人気者。

    源の弟子の撤平がね、実にいいんですよ。
    師匠を尊敬し、せっせと修行に励みつつ、年上の恋人・マミさんを大事にし、また、簪だけではなく、今風のアクセサリーにも応用を効かせる、なんて“爺い”から見たら理想の若者なんだろうな。
    彼の作った鯛の指輪が婚約指輪となったのだけど、マミさんがとても喜んでいるのが可愛いし、その気持ちがまたよくわかる。いいよね、私だってこんな指輪をもらったらどんなに嬉しいだろう、って思うもの。

    水路を舟で行き来する日常生活や職人としての源の働きぶりなども、とても面白かった。
    男二人がずっと友だちでいる、というお話そのものが嬉しかったし。


    ただ・・・
    政の奥さんの話は、奥行が足りなかったんじゃないかなぁ。
    それはそうなんだろうけど・・・と思いつつ、あんまりにも奥さんが意地悪に見えてしまうのが切なかったし、そのあとの展開もちょいと苦しいような。
    大事なモチーフだと思うからもうちょい丁寧に描かれてほしいだけど…と、すみません、エラそうですが。

  • まさかの高齢男子の友情ものでした。でも楽しく読めました。挿絵もいい!続いてほしい作品です。

  • バリバリ働いていた国政は、70歳になって妻子に捨てられ(?)寂しい一人暮らし…。
    一方、早くに妻を亡くした源二郎も、天涯孤独のはずなのですが若い弟子やらご近所さんに声かけられ、慕われています。

    そんな二人ですが、お互い僻んだり怒ったりしながらも腐れ縁でいい関係です。

    ダンディな政さん(綺麗な白髪!)と粋な源さん(ハゲていても、耳の上の髪はカラフル!?)。
    かっこいいじいちゃん達です

    挿絵の二人、若い頃もめちゃめちゃかっこいい!
    まほろ駅前~の二人を思い出します。

  • 2人合わせて146歳、幼馴染のお爺さんコンビ。
    両人のキャラがもうこれ以上ないでしょ、ってくらいピッタリ!
    下町というだけでなく小舟で行き来する様がまた風情があって良いなぁ。
    なんだか不器用で破天荒で、あったかくて力強くて、リアルで・・・
    最後のほうはもう、笑いながら泣きながら読んだ。
    1つだけ気になる点があるとすれば・・・晩年になって奥さんが両方いないからこんなにも仲が良いのか?だとすれば、少々複雑でもある・・・でも、楽しいからいっか!

  • 〈内容〉簪職人の源二郎と元銀行員の国政は、ふたり合わせて146歳の幼なじみ。弟子の徹平と賑やかな生活をおくる源二郎と、男やもめの国政を中心にまき起こる、人情味豊かで心温まる事件の数々。
    下町を舞台に繰り広げられる人情物語。三浦しをん、新境地!

  • こんな幼馴染がいたらどんなに毎日が楽しいだろうか。
    破天荒で髪の色がカラフルな源と、真面目一筋で堅物過ぎて家族に見放された政。
    真逆の性格の2人が、お互いを補いながら、信頼しあったり、じゃれあったりしてる。
    そこに、若者が絡む事で、いろんな事件が起こりますます2人の絆が深まっていく。
    とても楽しい物語だった。
    久しぶりに幼馴染にあいたくなる、

  • 会話の良いテンポが読んでいて心地よかった。

  • 個人的にはイラストが苦手でしたが、もしやこれは若者向けの内容?
    政の心の中のツッコミと、スネっぽい発言が、いるいるこういうめんどくさい人、と妙にツボでした。

  • テレビドラマにありそうなお話ですが、源を軸に人に勢いがあって楽しめました。

  • ・この本は国政と源二郎という74歳の2人がY町で過ごす日々を描いた本です。1つ1つの言葉の表現がとても面白くて「次はどんな言葉が出てくるかなー?」とわくわくしながら読めるのでぜひたくさんの人に読んでほしいです。

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著者プロフィール

三浦 しをん(みうら しをん)。
1976年、東京生まれの小説家。出版社の就職活動中、早川書房入社試験の作文を読んだ担当面接者の編集者・村上達朗が執筆の才を見出し、それが執筆活動のきっかけになった。小説家の専業になるまで、外資系出版社の事務、町田駅前の古書店高原書店でアルバイトを経験。
2006年『まほろ駅前多田便利軒』で直木賞受賞。2012年『舟を編む』が本屋大賞に選ばれ、翌年映画化された。2015年『あの家に暮らす四人の女』が織田作之助賞受賞。また、『風が強く吹いている』が第一回ブクログ大賞の文庫部門大賞を、2018年『ののはな通信』が第8回新井賞を受賞している。
Cobalt短編小説賞、太宰治賞、手塚治虫文化賞、R-18文学賞の選考委員を務める。最新刊に、『愛なき世界』。

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