プロ野球12球団ファンクラブ全部に10年間入会してみた 涙と笑いの球界興亡クロニクル

  • 集英社 (2014年5月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (260ページ) / ISBN・EAN: 9784087807226

作品紹介・あらすじ

12球団全部のファンクラブに10年間入会し続けた男の、涙あり、笑いあり、怒りありの超絶レポート。特典とサービスをめぐる歓喜と落胆のウラに、今世紀の日本プロ野球の裏歴史が見えてくる!

感想・レビュー・書評

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  • タイトルそのままに、プロ野球12球団×10年分のファンクラブ特典や毎年の評価をまとめた一冊。
    10年間でかかった会費総額、¥629,000。
    会員特典のレプリカユニフォーム、70着以上。
    ファンクラブというものは球団の考え方やファンに対する姿勢を如実に反映していて、他球団のいいものを取り入れることもあれば(パクリではなく・笑)、ひたすら独自路線を突き進むチームもある。
    思わず「へえ~」とうなってしまったのは、2007年に西武ライオンズの松坂大輔選手がポスティングシステムでメジャーに移籍し、それで得た金額の一部を西武がファンに還元するということで一気に特典が豪華になり、それが他球団にも徐々に影響を及ぼしていったということ。
    「さすがに豪華な巨人」「常に新サービスを模索するロッテ」などチームカラーあり、レディース会員獲得やアパレルブランドとのコラボなどの新機軸ありと、あらゆる側面からプロ野球界のここ10年がわかって楽しめた。
    Jリーグをはじめ、あらゆるスポーツのファンサービスに関わる人には必読の本だと思う。

  • 図書館より。さらっと。
    10年も入会するなんてスゴい。
    そんな私も10年近く某バントのファンクラブに入会しているが(笑)
    好きだからこそ入会しているファンに対して誠実であって欲しいな。

  • 8年前の本ですが、各球団のファンクラブ特典の変遷がよくわかって面白かったです。

  • 漠然と、ファンクラブに大きな差異なんてないのでは、と思っていたら大違い。価格も特典も全然違うんだってことを知れました。
    会費自体も数千円台が多く、ほぼほぼ選択制の特典1つでペイできそう。レプリカユニフォームは使いどころが難しいけれど、トートバックなら使いでもあるんじゃなかろうか。

  • 昨日紹介しました「ヘンな本大全 愛すべき
    奇書150」に取り上げられていた本です。

    ちょっと古いですが、期間は2005年から
    10年間です。

    2005年といえば球界再編があり、楽天が
    誕生した年です。

    つまりここから本当の意味で「ファンのた
    めのプロ野球」という意識が芽生えたと言
    っていいと思います。

    やはりファンクラブの中身の充実は、パリ
    ーグが先行しています。しかしセリーグも
    負けずにファンという裾野を広げるために
    努力をしているのが見て取れます。

    その中で特筆すべきは現DeNAベイスター
    ズのファンクラブです。

    何とDeNAには「ファンクラブ」と「友の
    会」という2つのファンの為の組織が存在
    していたというのです。

    「ファンクラブ」はグッズ系。「友の会」
    は試合観戦を特典としていて、運営母体も
    違ったそうな・・・。

    DeNAが母体となって2013年にようやく
    一つのファンクラブに一本化できたとそう
    です。それからのファン層の拡がりはご存
    知の通りですが、このファンクラブ一本化
    とは無縁ではないと思います。

    あなたの好きな球団は、どれだけファンを
    大切にしているかが分かる一冊です。

  • 図鑑的に眺めて楽しむ本。
    ベイスターズの親会社が、TBSからDeNAに変わってファングッズが充実したというのは、何となく分かる気がする(笑)

  • 2017/11/21

  • 読み終わってなんか感動。すべての球団のファンクラブに10年間入り続けた酒場の思いつきを実際にやっちゃった記録。バカバカしいやら微笑ましいやら。だけど球界再編問題の後のプロ野球界の動きを見事に映し出しています。テレビ中継に中心があったプロ野球がライブとしての球場にシフトしていること。それがひとつひとつの球団のファンサービスの積み上げによって生まれていること。その流れが炸裂したのが広島と札幌で盛り上がった2016年の日本シリーズだったのでは。ファンクラブの特典という木の葉を丁寧にチェックして行ったら大きな森の変遷が見えて来た感じ。ヤクルトファンだった著者がこの蛮行を通じてプロ野球全体を考えるようになったことを坂本龍馬やチェ・ゲバラだった少年がマザー・テレサやガンジーの境地に達したと自ら比喩しています。苦笑と共に納得も感じました。日本にはどれだけ野球マザー・テレサがいるのか?2月1日キャンプインの前夜読了。

  • 事の起こりは2004年。
    小学生の頃から筋金入りの燕ファンだった筆者はスワローズのファンクラブ特典のショボさに愕然とする。そしてふと思った。「他の球団はどうなんだろう?各球団がファンをどれぐらい大切にしているのか、ファンクラブにこそ現れるはず!」と。そして筆者は翌2005年から12球団全てのファンクラブに入り、球団分析を開始する。
    その結果やいかに?
    本書はそんな10年間の軌跡をまとめた1冊です。

    私は特に贔屓の球団はないし、プロ野球はテレビですらほとんど見ないような人間です。でもこの本はとても面白かった。「自分ではやらないようなことを追体験できる」という読書の楽しみを存分に味わえる本でした。
    中日にはファンクラブのマスコットキャラクターがいるとか、カープのファンサービスはいつも他球団とは一線を画しているとか、ここ数年はそごう・西武の外商部が他球団(阪神、オリックスなど)のファンクラブグッズを作っているとか知らないことがいっぱいで、最初から最後まで楽しく読めました。

    本書の終わりの方に載せられている「ファンクラブ通信簿」の「このチームのファンクラブを一言で言うと?」のコメントがどれもかなり秀逸。ちなみに阪神は「せっかちでテキパキ、有能なサラリーマン」、巨人は「のび太が逆立ちしてもかなわない出木杉くん」だそうです。

    ぜひ次の10年もまとめて本にしてほしい笑

  • 12月26日『プロ野球誕生の日』
    この一冊

  • 球団によって価格にばらつきがある。
    2005年の球界再編から10年。
    どの様にプロ野球が変化していったのか、感じ取れるように思えた。

    会社の広告の為というより、ファンの為、地域の為、強い愛される球団を目指す的な…事が、洗練されていった10年なのでは。

  • ネットで検索してみていたら、友達が貸してくれた。すごい興味のある世界で面白かった。

  • 自分が入っているファンクラブの評価が総じて高かったことから、気持ちの良い読後感。
    ファンとは、かくも勝手な幸せ者なのである。

  • 私も一時期ある球団のファンクラブに入ったことがあるけれど、ここまでの特典は当時なかったなぁ。今は充実していることがよく分かった。

  • ちょうど楽天が新規参入を果たしたあの年から現在に至るまでの、各球団のファンクラブを、実際に加入して批評した一冊。
    表紙にも多少見切れていますが、とにかく異様な特典も中には存在していて、おそらく度胆を抜かれるのではないか、と。
    野球は好きだけどファンクラブに入るまでは至っていない人はもちろんの事、ファンクラブに入るぐらいの人でも、さすがに他球団の事までは知らないと思うので、そういう人にもオススメ。

  • 企画自体は面白い。

    やられた~って感じ。

    グッズの内容をもう少し深く写真付きで紹介してほしかったなあ~というのと。

    まあ、これは著者の主観も入っているのでって…っていうところか。

    各球団のファンクラブ加入者数とその増減も知りたかったなあ~。(タイガースだけ紹介されている)

    讀賣ジャイアンツのファンクラブって豪華だと聞いていたが、やっぱりそうなんだな。友人のバラやんが言っていた通り。

  • 「そこに目をつけるか!そして入っちゃうか!そしてそして10年も続けちゃうか!!」
    というのが最初にタイトルを目にしたときの感想。そして巻頭カラーの会員証&レプリカユニの数にビックリ。
    この10年のプロ野球の歴史もざっくりとながら振り返ることができて「そういえば『インボイス西武ドーム』とか呼ばれてたよねぇ…あれから10年かぁ…」などと読みながら勝手にしみじみしたりもしました。
    巨人はイメージどおりお金持ちらしいファンクラブ特典の数々。
    阪神はあの熱いファンの多さと紐付けられるかのようにファンクラブの募集も締切もむっちゃ早い、そしてリピート率が脅威の90%。
    広島は地味めな球団イメージに相反して(?)なかなかにぶっ飛んだレプリカユニを毎年提供。
    …等々、各球団のカラーや意外なセンスなんかも垣間見られて読みごたえ十分!!でした。

    個人的には、横浜のファンクラブのここ数年にわたる貧相・無愛想さをドカンと突きつけられて、それでも何かしら褒めポイントを挙げてくださっていとても切なくなりました(村瀬秀信さんのホエールズの本とあわせて読むとドンヨリ度が倍増すると思う)。
    そこからの起死回生の改革…ベイスターズファンクラブ現担当者の方へのインタビュー、とても興味深かったです。楽天のカラスコクラブを手掛けてた方が転職されてこちらにいらしたとは!!
    今後のベイスターズファンクラブへの期待が何だか(勝手に)高まりました。

    最後の最後、あとがきを読んで「すごい!」と思ったのが、「第3グループ(巨人阪神と市場を食いあって負け組になっていると分析される球団)」のファンクラブが他よりも涙ぐましい努力をしていることが、この10年間の長谷川さんの実感とシンクロしていたこと。
    その第3グループには当然ベイスターズも入っていて、先のインタビュー記事の内容をも受けて、だからこそ(ホエールズカ友の会以来)ファンクラブにまた入ろうかなと思えました。
    また来年以降の様子も『野球太郎』を買えばわかるのかな…早くも2015年が楽しみです。

  • 野球ファンの私には堪らない一冊だった。終始にやにやしっぱなし。
    巨人の特典がすごいのは想像通りだったけど、西武もそうなんかぁって思った。確かにレオも凛々しいし、正統派って感じがする。CQ(カープ・クオリティ)には笑った。広島に住んでた頃に読んでたら、確実に入会してた!スラィリーもCQだと思う…ファンには可愛く見えるけど。中日のガブリのぬいぐるみ欲しい!!

  • 最近すっかり自分の周りでは、野球ファンが減ってしまったような気がする。そんな状況の中で、プロ野球12球団のファンクラブ全てに、10年間連続で入会してしまうなんて、いまどき珍しい人もいるもんだ。

    さすがに12球団もあると、ファンクラブにもいろいろと特性があるようだ。たとえば巨人は豊富な資金で特典が充実していたり、広島のグッズは素材はチープだが、デザインやアイデアが斬新だったり。ちなみに我が地元球団の評価は「無個性」と手厳しい…

    しかし仕事柄とはいえ、毎年12球団分の入会手続きをして、年間数万円の出費を自己負担するなんて、大変なご苦労だったと思う。まさに継続はチカラなり、ぜひ今後も続けていただきたい。

  • 我が愛しのチームのファンクラブがいかに素晴らしいものだったのかを改めて教えてくれた1冊。チーム愛がますます深まった。

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著者プロフィール

1970年5月13日東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、出版社勤務を経てノンフィクションライターに。05年より中野ブロードウェイに在住。『最弱球団 高橋ユニオンズ青春記』(白夜書房)、『私がアイドルだった頃』(草思社)、『ギャルと僕らの20年史 女子高生雑誌「Cawaii!」の誕生と終焉』(亜紀書房)、『いつも気づけば神宮に 東京ヤクルトスワローズ「9つの系譜」』(集英社)、『詰むや、詰まざるや 森・西武VS野村・ヤクルトの2年間』(インプレス)、『生と性が交錯する街 新宿二丁目』(角川新書)他、著書多数。

「2022年 『中野ブロードウェイ物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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