- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087807998
作品紹介・あらすじ
カープ、ライオンズ、ホークスの黄金時代を築き、球界の寝業師と呼ばれた根本陸夫。その驚くべき手腕と実像を、王貞治氏をはじめとする膨大な証言から明らかにする骨太スポーツ・ノンフィクション。
感想・レビュー・書評
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球界の寝技師なのかどうかはまだ分からない。しかし、野球に対する情熱や野球人への愛情、そして野球界かくあるべしという信念と見識を持つところには共通点がある。「根本陸夫になりませんか」。その人はそんな言葉を投げかけられて監督になったという。指揮官・根本が成し遂げられなかったリーグ優勝を2度。対比しながら読まないわけにはいかない。
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2017/7/17
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『球界の寝業師』と呼ばれた根本陸夫氏の姿を、関係者のインタビューから多面的に浮かび上がらせた、変わった様式の評伝。証言者は、工藤公康氏、デーブ大久保などのプロ野球選手から、高校野球やアマ野球の監督、球団スタッフ、そして王貞治氏、と、多彩。
子供の頃に見た『がんばれ!タブチくん!』では目付きの悪い監督というイメージだったが、こんなに先見性と情と人間臭さに溢れた、球界にとって得難い人だったとは。 -
Webの連載で読んでいたが、まとめて読むとまた面白い。
いなくなってしまって、初めて今の時代がつまらないことに気づく -
根本陸夫。「球界の寝業師」と呼ばれ、主にプロ野球の裏舞台で活躍。彼が関わった球団であるカープ、ライオンズ、ホークスは彼が去った後に長い黄金期を迎えた。今ではなく、将来のための種をまくことに力を注いだ異色の球界人だ。
1999年に彼は多くを語ることなく亡くなる。彼の凄さ、具体的な仕事を探るため著者は、根本に教えを受け今でも現役の球界人たちへインタビューを行う。
根本氏の一番の能力は人の目利きだろう。球界で将来モノになると考える人物を見つけ出し、目指すべきポジションを導く。そんな預言者のような行動が、多くの証言にのぼる。当時は認められたドラフトを通さない選手獲得や自分が監督をしている最中に、次の監督をスカウトするなど、型破りなスカウト術が明らかになる。
ところで、過去にそんな型破りな人間がいた一方で、今の球界にポスト根本はいるのか。残念ながら、コンプライアンスが叫ばれ、情報はネットで一瞬に広まってしまうこの時代、裏舞台で根本氏のような活躍をするのは難しい。根本氏は一世一代限りの存在だった。今後の球界は、根本イズムを部分的に引き継いだ多くの球界人による分業制で発展していくのだろう。それはそれで堅実だが、つまらない時代だ。 -
評伝ではなく、多面的な描き方をしているのが正解。
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王貞治さんをホークスの監督にした人。先見の目があって凄い。人脈も多岐にわたりすごい!
いろいろな選手達のインタビューからの話で楽しめた。 -
面白かった。サッカーの新リーグに対抗するため、長嶋巨人に対し王をダイエー監督に招聘する先見性に驚いた。
こんなすごい人が法大OBというのが誇らしく思う。 -
もっと早い時期に書かれてもよかったのでは?