リトル ターン

  • 集英社
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087812565

感想・レビュー・書評

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  • 超有名本なので、内容的なものは横に置いておきます。
    内容を横に置くと、何を?というと、鳥屋的にモヤモヤする本ということになる。
    題名”Little Tern"はコアジサシの英名で、
    まあ、
    鳥類学的にはちょっとアウトな装丁と挿絵に内容と訳です。
    (どうみてもカスピアンでしかない)
    Little Ternはこの題名的にはコアジサシ、というよりは
    「小さいアジサシ」と訳しておくか、思っとくほうが、
    イラっとせんでええかと思う。
    だいたい、コアジサシはオールドワールド(旧世界)の鳥です。
    対して、
    カスピアンはアメリカで繁殖してますからねぇ、
    この本の舞台はケープコッド(MAの鳥の名所)
    作者も絵師もこってりアメリカンなので、
    よく目にしてるのは
    カスピアン(オニアジサシ)のほうだと思います。
    ともかく、
    本の題名をややこしくつけてしまったのか、
    もともとの英名がややこしいのかは、まあ、おいとこう。

    ただ、私の個人的な意見としては
    この本の題名やら、主人公の名前は
    ”ちいさなアジサシ”
    体が小さいというよりは、存在がちっぽけな、とか、小さな存在、というような意味
    と、したほうがしっくりくると思います。

    大人の読む絵本て感じですねぇ。
    日本で妙にバカ売れしたらしく、
    よく古書屋で50円以下ぐらいで叩き売られてます。
    装丁のリトルなアジサシがかわいそうで、
    つい回収してしまう
    オタのティピカルビヘイビアです(あはは)

  • 急に飛べなくなってしまったリトルターン。カニなどに出会っていろいろと考える。薬害にあって当たり前だった普通の生活ができなくなった私のことのように思えた。苦しいけれど、今までは見えなかった物が見えてくる。元の自分には戻れないけれどきっと成長してる。そう思わせてくれた本である。

  • 大人向けの絵本。

    今でも時々読み返す。

    絵がきれいで見てると落ち着く。

  • 鎌倉の旅の途中にふらっと入ったカフェで一気読みをした。
    空を飛べなくなった鳥にカニが伝える内容に考えさせられた。

    「きっときみは、自分が知っていることに慣れすぎているんだよ。きみはこれから、自分が知らないことを知る必要がある。それだけのことさ」

    「きみは飛ぶ能力を失ったんじゃない。ただどこかに置き忘れただけだ」

  • 高校生の時、憧れていた図書館司書の先生にプレゼントしていただき、今でも大事にとってある思い出の本。

    アジサシの存在意義は「飛べること」ただそれだけなので、飛べなくなったアジサシは、当人たちにとっては「無価値」。そんな価値世界の中で突然飛べなくなったアジサシが紆余曲折をえて飛べるようになるまでのお話。

    最終的にまた飛べるようになる再生の姿が話題になった本でありますが、ひねくれおよび心が引きこもり気質な高校生だった当時の私は、別の方にばかり気を取られていました…。

    飛べなくなったアジサシが仲間になぜ飛ばないのか尋ねられて「飛べなくなった」とは言えずに嘘の理由を並べたてたり、結局仲間から離れて鬱々と独居ぐらしをしたりする姿に、「私もおんなじことやってしまいそう…」とビクビクしたり…。

    今読み返すと、それまでの価値観から一旦離れて、ゆったりと流れる時間の中で新しい世界を吸収することの意味なども考えられるようになってきました。

    思い出とともに手元に置いて、10年、20年後にも読んで色々なことを考えたいですね。

    プレゼントしてくださった先生に改めて感謝を。

  • みんなに勧めたいけど、いかにもなようで難しい。

  • 中学生の時に読んで、人生救われた。人生初の挫折というか、何もかもうまくできずに、すっかり自信を無くしていた時にこの本に書かれていたたくさんの言葉に救われた。今だって何度も読んでは「がんばろう!」という気持ちになれる。

  • なにがきっかけなのかはわからない
    ある時から、世界がまるで違ってしまった。
    知っているはずのものが、かなたの幻となり、未知の世界が目の前に広がっている。
    こまったな。これからどう生きればいいんだろう?
    そんな小さな鳥のお話。

    人は学んだことしか見ることができない。けれどつねに学び続けることができる。

  • どこも怪我をしてないのに、急に飛べなくなったコアジサシ。私もこのところそんな感じか。
    気合いとか、エネルギーとかいう意味で。
    それは老いか?ちょっと違うか。

    カニに悩みを打ち明けて、そんなことはこの世の中では大したことじゃないんだよと言われた時、コアジサシはどう思ったろう。
    自分の視野の狭さを恥じたのか。
    目の前が開けた感じがしたんだろうか…

    鳥はその羽や翼がどれほど価値があり、素晴らしいかを知らなければ飛ぶことはできない。
    「存在はそれ自体で意味がある」という考え。
    自分は自分で良くて、自分には価値がある、と知ることなのかね。藤井風くんか。
    それに気づくまでが、壊れた内面を取り戻す旅だったということなんですね。

    翻訳者の五木寛之さんのあとがきに同感でした。

    とても短い絵本みたいな本だけど、読み終えて長い旅を終えたような気持ちになった。
    飛べないことで悩んでる人、急に飛べなくなった友達に貸してあげたい。

  • 「あなたのおかげで、あなたがいなくても大丈夫になりました」
    そのくらいかつての私にとって大切な一冊でした。飛べなくなったコアジサシに自己投影し、自分をどうにか肯定し、未来を探していました。時が経ち、つまづきや後悔は着こなすしかないと気がつきました。(ちいさな帆)
    訳されたのが五木寛之なのがスゴイ!大人の絵本ですね。「やっと自分の影を見出した鳥として、ぼくはふたたび空にもどろうとしていた」心の深くにある想い。ゴーストクラブとの友情。しっかりと心して読みました。挿絵も素晴らしく感動しました。(I)

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