雪とパイナップル

  • 集英社
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感想 : 46
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  • Amazon.co.jp ・本 (104ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087813074

感想・レビュー・書評

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  • 先に読んだ「仕事で大切なことはすべて尼崎の小さな本屋で学んだ」の中
    エピソード④にあった鎌田實先生
    全く知らなかったので図書館で借りて読んだ

    〈チェルノブイリの放射能汚染で白血病になった少年を、ベラルーシの美しい自然を背景に描いた絵本〉

    中学一年の教科書にも載っていたそうだ

    1948年生まれの医師でもある著者の眼差しが冷静で優しい

    尼崎の小林書店の由美子さんが大好きなのも分かる

    少年が亡くなって再び訪れた遠い町
    パイナップルが胸をうつ

    ≪ 子の涙 人類すべての 悲しみに ≫

  • 1986年のチェルノブイリ原発事故の放射能を浴びたベラルーシ共和国の少年と、彼を治療するために日本から派遣された著者の物語。
    大人の絵本で、20分で読めた。
    言葉は簡単だけど、そのやさしい言葉が発する意味はとても大きい。
    『ヒントは人と人のつながりのなかに存在する。ひとりぼっちで生きるとき、幸せも不幸せも感じるのはむずかしい。

    人とのつながりの中で生きるとき、幸せを感じたり、不幸せを感じたりするのではないか。』

  • チェルノブイリの原発事故によって患った白血病と戦う少年と、それを懸命に支える医療スタッフ、その全てを受け入れる母親の姿から、命の切なさや大切さ、幸せとは何かを考えることができる
    ◾️一番大切なものを失ったときでも、人間は感謝することができる
    ◾️言葉や歴史、文化、宗教が違っても、人間は悲しみや苦しみや喜びをわかちあえる
    ◾️幸せは、幸せを目指しているプロセスの中にあるのかもしれない
    ◾️苦しみや悲しみの中にいる人だからこそ、幸福になれる可能性がある
    ◾️許すこと、感謝すること、微笑みあうことを忘れない

  • 「ひとりの子どもの涙は、人類すべての悲しみより重い」
    チェルノブイリの原発の事故によって汚染されたベラルーシ共和国の町で、一人の少年が白血病を発症し、その治療のために日本からも多くの医療関係者が携わって少年を救おうと奔走した実話に基づいた絵本。

    まだ小さな少年は辛い治療に耐え、希望を絶やさず戦い抜いた。どんなに苦しかったろうと想像することしかできないが、2度と繰り返されてはいけない。

    凍てつく寒さの中で少年のためにパイナップルを探し続けた女性がいた。人間のあたたかさや強さは人から人へ伝わり、希望を持ち続けることでまた人を絶望から救い出すこともできるのだと知った。

    「苦しみや悲しみのなかにいる人たちだからこそ幸福になれる可能性があることがわかりました。」という鎌田實さんの言葉が心に沁みた。

  • チェルノブイリ原発事故により多くの子供たちが白血病を発症したベラルーシ共和国。その子供たちを救ったのは日本の医師たちだった。
    本当の「しあわせ」とは、お金があって恵まれていること?家族が元気に暮らしていること?
    アンドレイくんのお母さんが教えてくれるノンフィクション!

    「苦しみや悲しみのなかにいる人たちだからこそ幸福になれる可能性があることがわかりました。」

    原発事故の事実を隠蔽されていたベラルーシ共和国。アンドレイくんのお母さんは、放射線が飛びまくっていることを知らずに、赤ちゃんのアンドレイくんを乳母車に乗せて散歩をしていました。
    黒い雨が降る日も、散歩は欠かせなかったといいます。「あの時、散歩に行かなければ、、、」

    同じ母として、アンドレイくんのお母さんの気持ちを考えると、、、嗚咽でした。

    何もかも失った後でも、日本の医師への感謝する気持ちを忘れなかったお母さん。
    「人のあたたかさ」がどれほど人を強くさせるか、「しあわせ」とは如何なるものか、深く考えさせられる作品でした。
    現在、赤ん坊の娘が大きくなったら、読んで欲しいなと思いました。

    • もちっちさん
      難しい題材の本、読んでるね。
      国や時代が違っても、母が子を思う気持ちは変わらないね!
      難しい題材の本、読んでるね。
      国や時代が違っても、母が子を思う気持ちは変わらないね!
      2021/02/25
    • あんころ餅さん
      実はこれ絵本で、読みやすかったよー(๑˃̵ᴗ˂̵)
      アンドレイくんは助からなかったけど、「パイナップルが食べたい」という一言に動き回った日本...
      実はこれ絵本で、読みやすかったよー(๑˃̵ᴗ˂̵)
      アンドレイくんは助からなかったけど、「パイナップルが食べたい」という一言に動き回った日本の看護師さんのエピソードには涙が出た
      2021/02/26
  • チェルノブイリ原発事故により、放射能に汚染された灰を含む黒い雨が降ったベラルーシ共和国における白血病患者(アンドレイ)一家と日本からの救済活動で現地の医療にかかわった人との心温まる実話。

    柔らかい挿絵も加えた大人の絵本という形も非常に読みやすく、完成度の高い作品。

    アンドレイ少年の命を救うことは出来なかったが、家族の言葉にある通り、ムダではなかったことがよくわかる。

    大人が手にとり、子供達にも伝えていきたいと思うステキな一冊でした。

    説明
    内容紹介
    心があたたかくなるノンフィクション絵本。
    チェルノブイリの放射能汚染で白血病になった少年アンドレイと、日本からきた若い看護師ヤヨイとの心の交流を、ベラルーシの美しい自然を背景に描いた絵本。読む人の涙と感動をさそう作品です。
    メディア掲載レビューほか
    雪とパイナップル
     チェルノブイリ原発事故の救済活動で知り合った少年とその家族をつづった絵本。少年のために極寒の中、パイナップルを探し歩いた看護師に対する家族の「感謝」の気持ちに触れ、著者は心を動かされる。絵は唐仁原教久氏。


    (日経メディカル 2004/09/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
    -- 日経BP企画

    内容(「BOOK」データベースより)
    心あたたまる感動のノンフィクション絵本。
    内容(「MARC」データベースより)
    チェルノブイリの放射能汚染で白血病になった少年と日本からきた若い看護婦との心の交流を、ベラルーシの美しい自然の挿絵とともに描く。心あたたまる感動のノンフィクション。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    鎌田/実
    1948年東京都生まれ。東京医科歯科大学医学部卒業。1974年、長野県の諏訪中央病院に赴任、その後院長をへて現在管理者一貫して「住民と共に作る医療」を実践。チェルノブイリの救済活動にも参加し、ベラルーシ共和国フランチェスカ・スコーリヌイ勲章受章

    唐仁原/教久
    1950年鹿児島県生まれ。1984年デザイン事務所Happy Birthday Company設立。1985年HB GALLERY開廊。現在イラストレーター、またアート・ディレクターとして、広告・装丁・雑誌などを中心に多くの作品を手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • なないろ日和で紹介!
    チェルノブイリ原発事故の救済活動で知り合った少年とその家族を綴った絵本。

  • 私の尊敬する方の本棚に入っていたので図書館から取り寄せ読みました。
    「不幸の中から小さな幸福を感じ得られる事の幸せ哉」
    不幸といわれる中から気付ける事があってこそ
    幸福を見つけられるというパラドクスではないが人間が持たなければならない感覚。
    しかし病気になることは不幸ではない。
    人より多く苦しむ代わりに人より多くのものを得る。
    たった一つの命はでかいし大切で、亡くしてもまた多くのことを存命者に残してくれる。
    それに感ずかなければなりません。

  • 「子どもの涙は、人類すべての悲しみより重い」
    短い時間で読了できるものの、多くのことを教えてくれた本でした。すらすら読めますが、あえてじっくりゆっくり読んでほしい1冊。

  • チェルノブイリ原発事故の被害地での医療の話をもとにした大人のための絵本

    希望や人間の繋がりや温かさについて考えさせられた。
    読みながら涙を流してしまった。

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著者プロフィール

諏訪中央病院(長野県)名誉院長。「住民とともにつくる医療」を一貫して提案、実践。チェルノブイリの救護活動、イラクの小児病院への医療支援なども行う。

「2006年 『どうして勉強するの?お母さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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