名画の言い分 数百年の時を超えて、今、解き明かされる「秘められたメッセージ」

  • 集英社 (2007年7月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (248ページ) / ISBN・EAN: 9784087813746

作品紹介・あらすじ

美術館や展覧会が、100倍楽しくなる!
西洋美術史界の異端児、木村泰司の初の著書! 独特の視点とエンターテイメント性あふれる話術で名画を解説。名画を巡るドラマや謎は「モナリザ」だけに限ったことではない。

感想・レビュー・書評

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  • 美術史2400年を一冊で解説した作品。ただし、ギリシャ、ローマ、ルネサンス、キリスト教、肖像画、天使、オランダ絵画、風景画、印象派とポイントが絞られていてわかりやすい。
    感性で絵画を見るなどというのは絵画に対する冒瀆であって、絵画の意味を勉強しなければならないという著者のメッセージは厳しいのだけど、それが難しいのはわかってるんだけどね、という優しいメッセージもところどころに感じられて、親近感を覚えました。

  • ここ数年、美術館巡りをしている理由の一つとして
    「感性を磨きたい」ということがありました。

    でも最近、高階秀爾さん中野京子さん西川和子さん江村洋さん等読んで、この木村泰司さんの本がダメ押しとなりました。

    美術を楽しむのは、「感性を磨く」より
    「理性的に読む」ことをメインにすることにしました。

    「知らない」ことは恥ずかしいことではないと思います。
    でも「知っている」ことは「知らない」ことより
    何十倍あるいはそれ以上も楽しいことだと思いました。

    この本を読んで、古代ギリシャ~中世や、キリスト教とのかかわり
    天使のこと、肖像画、風俗画、風景画など
    いろいろな知識を得て、さらに今まで知らなかったことにも興味を持ち始めました。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-284.html

  • 古代ギリシア~印象派までの美術品をカテゴリ別にまとめ、各作品に秘められたメッセージが解き明かされていく。宗教や歴史と絡めており、また、巻頭に美術品の写真が掲載されていることで、体系的に整理しやすい。美術を学んだ人にはごく当たり前の内容で新鮮味はないかもしれないが、世界史やギリシャ神話が好きな方には興味深く読み進められると思う。多用で美術館に行けないときのために、傍に置いておきたい一冊。

  • 西洋美術史を感性で見ないようにする為に絵画の背景や歴史をざっくりと語ったもの。
    時々、こう言ってはならぬとかこう言えとか、知識の自慢のために美術館に行く訳では無いのでそこは興醒め。
    敢えて言うなら仏教徒なので、宗教的背景はいつも頭を悩ませる。しかし、西洋絵画はこれ抜きには語れないので勉強にはなったがいつも読んだ時は解るのだが、絵画を観る時はちっとも頭の中に入っていない。感性だけで絵を観ています。何が悪い。

  • ふむ

  • 西洋絵画の見方は面白いと思ったし知りたいけどこの本だけではあまり網羅的ではないのでそれほど知識が身につくわけではない。
    たまに筆者の個性が現れる部分はあまり好みではない。

  • 2010/3/16  借りて読み始める。 4/26 読み終わる。
    たぶん、「木村 泰司」の文章がいいということを、何かの本で知ったので、
    「木村 泰司」の本を探して、この本を借りました。
    表紙を見たとき、え〜っと引いたのですが・・・。
    こんな語り口が柔らかで、読みやすく 内容も頭に入る本はないですね。
    すっかり気に入りました。
    前に「怖い本」をシリーズで3冊読んだけれど、あまりいいとは思わなかった。
    この本は、西洋の美術に対する姿勢、素養について、
    古代ギリシャからローマ、初期キリスト教を経て、中世・近代まで 豊富な絵とともに解説されていて、面白かった。
    西洋美術について、少し知っていることも再確認できたし、知らないこともずいぶんあって、
    これから西洋美術にふれる機会に役立ちそう。

    さらに 「木村 泰司」の本を読むつもり!

    内容と著者は

    内容 :
    西洋美術史界のエンターテイナーが独特の視点と軽妙洒脱な語り口で、
    ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ブリューゲル、ドガ、モネなどの名画を解説。
    「へぇ、そうだったのか」の連続で美術館巡りが100倍楽しくなる!

    著者 : 木村 泰司
    1966年愛知県生まれ。カリフォルニア大学バークレー校で美術史学士号修得、ロンドンのサザビーズ美術教養講座にてWorks of Art修了。
    西洋美術史家。

  • これは面白い。
    「アート見て感じることは全部正解」といつも言っている立場ながら、表現のお約束事項、ちゃんと教えてもらえるのって知的好奇心をくすぐる!
    西洋美術史の流れが、結構ざっくりかもしんないけど解った。教科書だよこれ。

  • 徳島にある大塚製薬の美術館にいきたくなってきたー。

  • 西洋人には当たり前の前提知識が、多くの日本人に欠けている事が分かった。
    それなしでは、西洋絵画は、眺めて美しいかどうか自分の感性で見る事になるが、そもそも西洋絵画は見るものではなく読み解くもの。何らかの意図が込められたものを読み解く事ができなければ本当の見方ができないと知った。
    教養として、知っておくべき内容だと感じた。

  • 「美術は見るものではなく、読むもの」の言葉のように、理性的に西洋美術を見て理解するための描かれた時代のエッセンスのつかみ方、読み解き方案内。2400年近い美術史を1冊で網羅するため、駆け足のように進むけれど、分かりやすい言葉で時代背景を含め案内してくれるため、大変面白く、寝不足を選択しても読み進めたくなるほどでした。
    ただし中野京子さんの怖い絵と読み比べたところ、後者のほうが内容が濃い印象が。
    あと読者を見下した文章が、ちょいちょい散見されるのが苦手かな。

  • 木村泰司氏の西洋美術指南書と言うべきお勉強本「名画の言い分」を読んでみた。「絵画はみるものではなく読むもの」との一文が前半に出てくるが読み進む中で確かに知っていた方が絵画に対する理解は進むだろうなあと思う部分もあった。ただこの本は長い西洋絵画を一冊に無理矢理まとめて解説してしまおうといういわゆる初心者の西洋絵画とくに印象派以前の絵画に興味を持ってもらおうと書かれたように読めたがあまりに大雑把にまとめてありすぎて西洋美術史のさわりのさわりに触れたかなあという程度の印象しか残念長良のこっていないので人にはお勧めできないなあ。例えばルネサンス以前の宗教画に関する下りなどはあんるほどなんでこんなにもみんな同じなんだと思っていた疑問に対して少しは答えを与えてくれたのだが、やはり本書はもう少し時代を区切ってかつ感銘に解説をしてくれる本にすべきだったのではと思った。まあ売れないだろうけど、絶版にすぐなる本にはならないはずだ(いやなるか?)。中身があるようで残念ながらあまりにすかすかな西洋美術鑑賞指南書を読むBGMに選んだのはEuropean Jazz Trioの"Sonata". なにやっても毒にならずそつないが、そつなさ過ぎるのもなあと思わせる演奏だ。

  • 絵画の歴史を大雑把に把握できる
    初心者でもわかりやすくて勉強になった

  • 【何故読みたいか?】
    美術の教養を身につけるため

  • とにかく知識なき輩は猛省せよと叱る本。
    典型的な「感性」で絵を見る当方は、ルーブルよりオルセーだから、完全に叱られているゴロツキでしょう。
    ここで書かれていることが(特に中近世の)絵画の鑑賞方法の全てとは思わないが、そういった見方ができればより楽しいだろうと謙虚に反省いたします。
    なお表紙で著者が映っているのが邪魔との指摘をする人がいらっしゃるようで、世の中色んな見方があるなと本作の内容とは違う意味で感心いたしました。

  • 絵画は読み説くもの。西洋絵画の一本芯の通った理解。

  • 感性で近代以前の西洋絵画を見ることは不可能である。
    何故ならば、西洋美術は当然西洋文明の中で生まれてきたもので、この西洋文明そのものが、「人間の感性などあてにならない。理性的でなければ」というところから始まっているからです。
    というような調子で、西洋美術の誕生から、印象派以前までの読み解き方を教えてくれます。
    これを進めていくと、ギリシャ・ローマ文明、旧約聖書、新約聖書と言った分野まで範囲が広がり、足抜けが出来なくなり、ドンドンと西洋文明の深みに嵌っていくのです。この感覚が煩わしいと思うか、快感と思うかによってこの本の評価は分かれます。

  • 2007年7月31日、初、並、帯付
    2013年3月26日、松阪BF

  • 「はじめに」の冒頭、著者の言葉「美術は見るものではなく、読むものです」。古代ギリシャ以来、「理性」がベースの西洋文明にあって、「感性」で絵を見るなんてできない、と。

    現代アートなら、好みだけで見ることもできましょう。けれども18世紀以前の絵は、メッセージを伝えるもの。秘められたものを知らずして、好きも嫌いもないわなぁということです。

    個別の絵を掘り下げるのではなく、「その時代のエッセンスをつかむ」ような構成になっていて、面白く読めました。もう一回、世界史も勉強したくなるくらい。

    最初40ページほどはカラーで、106点もの絵や彫刻が写真で見られるのが良いです(小さいサイズではありますが)。読んで、見て、好きになった絵もありました。

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著者プロフィール

1966年生まれ。カリフォルニア大学バークレー校卒業。専攻は西洋美術史。ロンドン・サザビーズ美術教養講座にてWorks of Art修了。講演、セミナーなど開催多数。著書に、『名画の言い分』(ちくま文庫)、『世界のビジネスエリートが身につける教養「西洋美術史」』(ダイヤモンド社)、『名画は?をつく』シリーズ(ビジュアルだいわ文庫)などがある。

「2019年 『カラー新書 ゴッホとゴーギャン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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