- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087814125
作品紹介・あらすじ
"指令600"とはなにか-チェ・ゲバラとはどんな男だったか。彼とともに生き、闘い、最期を見届けた者たちの証言より浮かび上がる伝説の革命家の実像。戦場で重傷を負って死んだと発表されたゲバラだが、本当は捕らえられた村で暗殺されたのだった。最後の食事を運んだ少女、銃声を聞いた農夫、遺体に触れたジャーナリストなどの貴重な証言が、ボリビアの山村を訪れた作家戸井十月の前に、伝説以前のリアリティとして衝撃的に立ち上がる。著者渾身の現地インタビューによる書き下ろしドキュメンタリー。
感想・レビュー・書評
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昨日まで国家の要職にあった人間が、気がついたら山奥でゲリラのリーダーになっている。本当に同じ人の生き方か?と、読めば読むほど心が痛くなる。ラテンアメリカの解放という崇高な理想は、蓋を開けてみれば一枚岩になれない諸刃の剣。結局ゲバラは裏切り者に殺されたといっても過言ではない。にもかかわらず死後、英雄として偶像化されていく様は何とも皮肉。ゲバラがカストロにあてた「別れの手紙」には何度も泣かされた。
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ゲバラの「最後のとき」に、どんな人々が関わり、どんな会話がなされたのか。
ゲバラの生い立ちから青年時代、キューバ革命の日々まで、その一生をひととおり網羅してはいるが、中でも「最後の瞬間」に多くのページを割いている。
最後を迎えることとなったボリビアでのゲリラ活動は、今となってみるとなにかちぐはぐなもののように見える。
コンゴからボリビアへの道筋は「革命の輸出」という使命のもとでの行動であった。しかし、それよりもむしろ、彼自身が革命家、ゲリラ兵士として生きていく場所を探して漂っているような気がした。 -
ゲバラが英雄かそうでなかったのか知りたかった。でも、この本を読んでも答えはでないと思います。一人の死がこれだけ観新をあつめたのは、時代を考察する上でのヒントになると思います。
九州大学:ハリー -
自分の核を持っている人が好き。
信念を持ち続けられる人が好き。
ゲバラに魅力を感じる理由の一つも
そこにあるのだと思う。
「どこに向かって歩き続けるか」を見失わないでいたい。 -
インターネット、書籍で調べた中で一番この本が読みやすかった。
というのも日本人である著者が、NHK・BSのドキュメンタリー番組の撮影で実際に自身でインタビューしてきた為、他の書籍で見られる「翻訳した変な日本語」ではない、生きた言葉で表現されているからだと思う。 -
インタビューを軸にゲバラの人となりを構成していて、写真も多くわかりやすかった。革命家というより、一人の人間としての魅力が立ちのぼってくるようだ。
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チェ・ゲバラの人物像を、ゲバラと関係があった人達のインタビューをもとに描いている。
章のタイトルも、インタビュー中で出た言葉からとっているんだけれど、その選び方がすごいなーと思った。
第1章 「彼は、信じられないくらい強靱な精神の持ち主だったと思います」
ゲバラが拘留された小学校で働く教師フリア・コルテスの言葉。
第2章 「彼は、口で何か言う前に椅子から立ち上がっていたんだ」
ゲバラと一緒にバイクで旅をしたアルベルト・グラナドスの言葉。
第3章 「二人はすでにその先のことを話し、約束し合っていたのです」
ゲバラの部下だったハリー・ビジェーガス・タマヨの言葉。二人というのは、カストロをゲバラ。
第4章 「チェだって、はじめから優れたゲリラ兵士だったわけじゃない」
ゲバラと共に働いたオルランド・ボレーゴの言葉。
第5章 「男同士の秘密は墓まで持って行きますよ」
親善使節団としてゲバラと一緒に各国を回ったオマール・フェルナンデスの言葉。
第6章 「よく覚えているのは、チェが少しも絶望的にならずに歩いていることでした」
負傷したゲバラをイゲラ村に連行した兵士のひとり、ベニート・ヒメネスの言葉。
第7章 「誰がやっても目を閉じさせることはできなかったのです」
ゲバラの遺体を見、ボリビア軍の謀殺を見破ったレヒナルド・ウスタリス・アルセの言葉。
本書で締めに引用されているゲバラの言葉も良いチョイスだと思った。
ゲバラの芯の強さが伝わってくる。
〔もし我々が空想家のようだと言われるならば
救いがたい理想主義者だと言われるならば
できもしないことを考えていると言われるならば
何千回でも答えよう
そのとおりだ、と〕 -
チェ・ゲバラの人物像を、ゲバラと関係があった人達のインタビューをもとに描いている。
章のタイトルも、インタビュー中で出た言葉からとっているんだけれど、その選び方がすごいなーと思った。
第1章 「彼は、信じられないくらい強靱な精神の持ち主だったと思います」
ゲバラが拘留された小学校で働く教師フリア・コルテスの言葉。
第2章 「彼は、口で何か言う前に椅子から立ち上がっていたんだ」
ゲバラと一緒にバイクで旅をしたアルベルト・グラナドスの言葉。
第3章 「二人はすでにその先のことを話し、約束し合っていたのです」
ゲバラの部下だったハリー・ビジェーガス・タマヨの言葉。二人というのは、カストロをゲバラ。
第4章 「チェだって、はじめから優れたゲリラ兵士だったわけじゃない」
ゲバラと共に働いたオルランド・ボレーゴの言葉。
第5章 「男同士の秘密は墓まで持って行きますよ」
親善使節団としてゲバラと一緒に各国を回ったオマール・フェルナンデスの言葉。
第6章 「よく覚えているのは、チェが少しも絶望的にならずに歩いていることでした」
負傷したゲバラをイゲラ村に連行した兵士のひとり、ベニート・ヒメネスの言葉。
第7章 「誰がやっても目を閉じさせることはできなかったのです」
ゲバラの遺体を見、ボリビア軍の謀殺を見破ったレヒナルド・ウスタリス・アルセの言葉。
本書で締めに引用されているゲバラの言葉も良いチョイスだと思った。
ゲバラの芯の強さが伝わってくる。
〔もし我々が空想家のようだと言われるならば
救いがたい理想主義者だと言われるならば
できもしないことを考えていると言われるならば
何千回でも答えよう
そのとおりだ、と〕 -
ゲバラがボリビアで殺された時、バージェ・グランデ市内の病院で遺体が公開された。市民たちが、極悪非道な侵略者の顔を見たいと列を作って見に来たそうだ。しかし、ゲバラの顔を見た途端に言葉を失い、胸に十字を切ったりしたそうだ。敬虔なカトリックが多いボリビア人は、イエスにも似たゲバラの姿を見て、何が本当で何が嘘であるかを感じたという。確かに、本に掲載されているゲバラの遺体は、今にも起き上がってきそうな雰囲気を漂わせている。誰にも閉じられなかった目は、意志を感じる。
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ゲバラ自身には興味があり、読みたいと思うのであるが、どうもこの手の文章は苦手だ。
文章とは、書き手の思いが深ければ深いほど、慎重にならないと、読み手に余計な意識を植え付ける。
そんなことを感じてしまい、やはりまともに読めなかった。
写真だけをパラパラ見る超飛ばし読み。