インパラの朝 ユーラシア・アフリカ大陸 684日

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 917
レビュー : 172
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814347

作品紹介・あらすじ

「今夜、どこに住みますか?」26歳、47カ国、2年の旅、ここに始まる。新たな才能による次世代ドキュメンタリー誕生!第七回開高健ノンフィクション賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 集英社 営業さんが、「面白いんだよね」と仰っていたため、ずっと気になっていた本。ようやく読みました。
    ……こんなハードな旅、出来るだろうか?まだ20代の女性が、ですよ?
    知ろうとしなければ 知ることが叶わず、知らないまま 安穏と暮らせる人ではなかった、ということか。

  • 半年くらい前?にラジオで著者のトークを聞いていたのを本屋で発見。トークが「ふつうに常識的な人」だったから購入。

    紀行文は、著者の個性を楽しむもの(開高健とか)と、自分に近い人の視点で世界を見る楽しみに分けられるんじゃないだろうか。
    国際結婚もの(ダーリンは外国人、モーレツ!イタリア家族、トルコで私も考えた、インド夫婦茶碗)が(自分のなかで)人気なのは後者の理由による。視点に違和感があると楽しめないので、国際結婚ならなんでもいいわけではない(アジ玉とか?)。 だから、この本が面白いかどうかは共感できるかどうかにつきると思う。
    自分としては近年まれにみる5つ星だった。「インパラの朝」に相当する場面を、自分も大切な記憶としてもっているからだ。それがかけがえのない光景である理由も、近いのではないかと想像する。

    欲を言えば、ストーリーとしてエピソードがつながっていれば素晴らしかった。けど、そうする難しさは想像できる。自分が書けと言われたらやっぱりこのスタイルにするだろうな…。

    帯の解説には申し上げたい。「男性の作家は『ふつうにに整った顔立ちの女性が、そのリスクを自覚、把握した上で行動する』ことを理解する恰好の書と考えればいいのに」

  • ぼくは時々思うのだが、この世界に「悪いイラン人」とか、「よいアメリカ人」なんているのだろうか? それは「悪い千葉県人」とか、「よい福井県人」と同じくらいナンセンスなんじゃないだろうか? 単に、どこの国にも悪いやつといいやつがいるということなんじゃないだろうか?

    奇妙なことだが、自分の目で世界を見るのは難しい。ぼくらはいつも、誰かの目を通して世界を見ている。隣の町や、隣の県で起きたことですらそうなんだから、違う国のことなんか、なおさらだ。

    みんながみんな仕事を辞めて、2年間、下痢しながら世界を旅できるわけではない。でも自分の目で見ることにどれだけこだわるか、そこは忘れないようにしないと。

  • 読了。胸が震えた。
    世界観、考え方が違う中で、なにが正しいのか正しくないのかが分からなくなる。
    歪と思うものがそうでなかったり、当たり前だと思っていたことが、歪だったり。
    むしろ正しいものがある、と思い込んでる自分に気付いた。

    とりあえず英語喋れる方がいいな。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「と思い込んでる自分に気付いた。」
      そう言う内容だとは知らずに居ました。先日「愛と憎しみの豚」を購入して、気になり始めました(未だ読み始めて...
      「と思い込んでる自分に気付いた。」
      そう言う内容だとは知らずに居ました。先日「愛と憎しみの豚」を購入して、気になり始めました(未だ読み始めてませんが)。。。
      2013/03/18
  • 日経オンラインの「政治家にはうだつの上がらなさそうな人が多い」という記事を見て、中村安希さんという人に興味を持った。
    私が常々抱いていた素朴な感想を颯爽と言い放っていたからだ。
    そんな彼女の旅行記には、貧困とは、援助とは、本当の豊かさとはを問う、現地で実際に見聞きしたエピソードを、常に一定の距離感をもつ、丹精な文体で表現している。
    この視点と文体が心地よく(もちろんエピソードも面白い)、今後も読み続けたい作家。

  •  アメリカ留学をきっかけに、2つの大陸(アフリカ大陸とユーラシア大陸)を強く意識するようになった「私」
     26歳の春、家電・家具を売り払い、アパートを引き取った「私」は、世界地図を頭に描き、バックパックに必要最低限の荷物を詰め込み、西へと旅立つ。それは、684日間に及ぶ、中国からアジア、そしてアフリカ、ヨーロッパ、ポルトガルまでの長い旅の始まりだった。

     第56回青少年読書感想文全国コンクール高等学校の部課題図書

      現金約180万で、約2か月半の女性の一人旅。飾らない文章、裏表紙の写真にある著者の美しいポートレートを見ていたら、ついつまらぬ反感を抱いてしまったのですが、行き当たりばったりのようで、実は十分に熟慮されたあとの「旅」であることがわかり、さらさらと書かれた文章の中に常に存在する葛藤に気づくと、いつしか彼女の旅を見守っているかのような錯覚に陥ってしまいました。
     世界は広く、様々な人がいて、文化も価値観も違うということは、頭でわかっていても、全くわかってないことが、安希さんの旅で改めて感じました。

  • 世界旅行の全記録ではなく、著者の視点で次々とエピソードを切り取っていく構成がとてもよかった。

    無意識に見てみないふりをしてしまう、複雑な世界の姿をリアルに伝えてくれる。

    背筋が伸びるようです。

    が、その後著者のブログをみてみたら、旅のエピソードが飾り気の無い普段の言葉で綴られていました。(「すげぇ~」とか)
    うーん、ますます気になる人物です。

  • 旅行、というカテゴリにすべきなのでしょうか。
    旅行というと娯楽のイメージがありますが、これは決して娯楽ではない。
    旅に出た女性のお話です。それは世界を知りたくて、自分は何かをできる人間だと信じて、それで出たというのに、世界はどうしようもなく大きくて、そして自分も周りの人間も、どうしようもなくちっぽけだった、そんなことに気づかされたような本でした。

    人間って小さいけど、世界中を埋め尽くすようにたくさんいるんですよね。その人たちが世界を変えることもあれば変えないこともある。

  • 「楽しく生きるということを、絶対に、誰一人として、妥協してはいけない」

  • "僕は結婚式の当日に初めて妻と出会うんだ。その日から僕らは10年かけて、お互いを知ろうと努力する。それから次の10年で、僕と妻は恋をする"

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著者プロフィール

1979年京都府に生まれ、三重県で育つ。カリフォルニア大学アーバイン校芸術学部演劇科卒。香港大学大学院ジャーナリズム専攻修士課程修了。ノンフィクション作家。2009年、47カ国を巡る旅をもとに書いた『インパラの朝』で開高健ノンフィクション賞を受賞。
他に『Beフラット』、『食べる。』、『愛と憎しみの豚』、『リオとタケル』、『N女の研究』、『ラダックの星』などがある。


「2020年 『もてなしとごちそう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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