- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087814446
感想・レビュー・書評
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韓国のお母さんってこんなにいい人なの?と感動しました。
母をお願いを読んだ後だから、なおさら思うのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ちょっとイメージと違った感があるんだけど、読んでみるとやっぱりーな感じでした。母への追悼もこめて思いを書き上げたんでしょうね
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戦中、戦後すごい時代を生きてきたんだから強い。
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オモニの優しいことばが、まるで子守唄のように温かな世界を紡ぎ出す。
政治学者姜尚中氏初の自伝的小説。
姜氏の、母に対する愛情の深さが言葉の端々に顕れている。
「母。それは、いつの時代も子供たちの心を虜にせずにはおかない。幼少の頃、子供以外の何者でもなかったすべてのものにとって、母は絶対的な存在だったはずだ。たとえそれが、激しい愛憎をともなっていたとしても。」
冒頭のこの言葉がずっと心の中に残る。 -
NHKのプレミアムドラマで見て興味を持ち、
借りてみた。
それまでの私といえば、「カンサンジュン」=「姜尚中」とやっとつながったばかり。
いい声の人、頭いい学者さん、くらいのレベルの認知度しかなかった。
戦時中に在日韓国人の両親から生まれた、テツオ。
その彼から見た、母(オモニ)の姿。
母は優しく強く、愛すべき存在であるが、
在日であることを隠していたかった時期もあったため、
その強烈な個性を疎んじていた部分もある。
その愛憎は、私たちにだってあるのだから、
まして出自で差別を受けていた人にとって、
複雑な心情であろう。
戦後、日本人として誇りを保つためには、隣人をおとしめるしかなかったのだろうか。
豊かになった今現在でも、それを続ける意味はあるのだろうか。
身近な九州弁で綴られる、想像以上の貧困と差別は、
とても今のあのスタイリッシュな姜尚中さんとつながらない。
家族みんな和名で暮らしていたところで、あえて韓国名に変えた心情を、
もう少し知りたい。 -
年代的に通じる部分があり、また熊本には2年間住んでいたので懐かしさもあった。もちろん立場が違うので、知らなかったり見逃してた点にも気づかされる。まぁ、母の記録の小説化となるのだろうが、内容としては中途半端。一世の記録か、小説として母をモデルとした一代記か明確にすべきだっただろう。だから、場面で感傷的になったり、ぼかしたり突き放した推測のみだったりする。現在でも重要なテーマだけに、物足りなさがあった。
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戦時中の女性の強い生き方というのでしょうか。作者は日本で生まれた方だったのですね。
お母さんの愛が伝わってくる内容でした。 -
お母さんを中心とした、姜尚中の自伝みたいだった。異質の文化を持つおかあさんの元で育つと、いろいろなやんで、姜尚中みたいな思慮深い人に育つのだろうか
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韓国に生まれ、熊本を故郷としたオモニの半生を、息子テツオが綴った小説。戦前の日本に出稼ぎに来た父のもとに嫁ぎ、あっという間に戦争に突入、そして敗戦を迎える。祖国は解放されるも、南北対立の混乱にのまれていく。文字の読み書きもできないオモニが、昭和の時代を体ひとつで生き抜いた証が刻まれている。
日本で生まれた息子である作者の葛藤は大きい。両親の祖国を訪れたのちに、テツオからサンジュンへと名前をあらためる。
私が目をそらしていた日本、昭和がここにある。