雪男は向こうからやって来た

著者 :
  • 集英社
3.50
  • (6)
  • (42)
  • (45)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 254
レビュー : 57
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087814767

作品紹介・あらすじ

いったいソイツは何なのだ?なんでそんなに探すのだ?二〇〇八年十月二二日、われとわが目を疑った人は、日本中に大勢いたに違いない。「ヒマラヤに雪男?捜索隊が足跡撮影、隊長は"確信"」の見出しとともに、雪男のものとされる足跡の写真が新聞を飾った。まさに、それを撮った捜索隊に加わり、かつて雪男を目撃したという人々を丹念に取材した著者が、厳しい現場に再び独りで臨んでえぐり取った、雪男探しをめぐる一点の鋭い真実とは?-。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 「空白の五マイル」ツァンポー渓谷の壮絶な冒険行より前に行われていた、雪男探索の記録。先にツァンポー行の方が書かれたというのはよくわかる気がする。「雪男」だものね。はっきり言って眉唾もの。「ムー」をおもしろがるような感覚で、ま、あんまり真面目に考えるようなものじゃないと多くの人が思うのでは。

    著者は「空白の~」を読んだらすぐわかるが、いたって硬派の冒険家だ(同じワセダの探検部出身でも高野秀行さんとはずいぶん趣が違う)。「雪男」については偶然にその探索に関わるようになるのだが、ネタとしておもしろがる、というようなスタンスでは全くなくて、いたって真剣にその真実を追い求めていこうとする。当初はその存在についてほぼ懐疑的だったのが、雪男の発見に人生や命まで捧げる人たちとの出会いによってどんどんのめり込んでいく過程が、説得力を持ってぐいぐいと描かれていく。

    その顛末は読んでのお楽しみ、臨場感たっぷりの語り口で一気に読まされた。文章もタイトルも実にうまい。

    しかし、「山」ってそんなにすごいものなのか。大学時代の山岳部の友人をはじめ山男を少しは知っているが、何故そこまで…とつい思ってしまう。ヒロイズムとかマッチョとか斬って捨てるのはたやすいけれど、そうはできない何かを感じてたじろぐ。寝ころんで本を読むのを無上の喜びとするわが日常とは百万光年遠い。でも惹きつけられてやまない魅力がある。

  • 雪男は向こうからやってきた!
    雪男がいるかどうかは、極論すれば重要ではない、と筆者はいう。
    ふとしたきっかけで、人生がガラリと変わる、そんな事態を、雪男を追う人々をつうじて描き出そうとする本書。
    自分の人生をかえるようなきっかけは、これから訪れるのだろうか?

  • 2014.11/14 角幡さん、タイトル狡いよ(;^_^) 「空白の5マイル」が非常に面白かったんで、こちらも...と思ったらこちらの方が出版先だったんですね〜。元記者らしく、ひたすらウラを取っていく、実際に会う、実際に見ることへのエネルギーがもの凄い。そこから紡がれる言葉はストレートに響く。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    いったいソイツは何なのだ?なんでそんなに探すのだ?二〇〇八年十月二二日、われとわが目を疑った人は、日本中に大勢いたに違いない。「ヒマラヤに雪男?捜索隊が足跡撮影、隊長は“確信”」の見出しとともに、雪男のものとされる足跡の写真が新聞を飾った。まさに、それを撮った捜索隊に加わり、かつて雪男を目撃したという人々を丹念に取材した著者が、厳しい現場に再び独りで臨んでえぐり取った、雪男探しをめぐる一点の鋭い真実とは?―。

    雪男、イエティー、ヒバゴン、ビッグフット・・・。これらは所謂UMAと言われる未確認生物の一種で、二足歩行の類人猿と思われるものです。誰でも聞いた事が有る名前ばかりです。
    この中でヒバゴンだけは日本なんで、まあまず無いよなあと思いますが、世界に目を向けるとまだまだ広い・・・・・・。と思いますが、こういう未確認生物が密かに見つからずに居られるほど地球はもう広くないって気もします。アマゾンの密林の中とかであれば可能性感じますが。
    この本は陽気に探検して捜索している話では無くて、たまたま現地でその痕跡に触れてしまって、雪男の魔力に取りつかれ人生の方向が変わってしまった人々の悲哀溢れるドキュメントとなっております。なんでそんなに存在を確信してのめり込んでしまうのかと思いますが、そののめり込みこそが、雪男が存在する可能性の一番大きな根拠なのかもしれません。
    何しろ見ている本人が身を持ち崩すくらいなのですから。
    この本を読んで思ったのは、もし居たとしても見つからずに密かに平和に居て欲しいなと思いました。もし存在が確実になったら大捜索隊が結成されて生け捕りにしてセンセーショナルなお祭り騒ぎになって、生体実験とかされて展示されてになるのでしょうから、そんな悲しいことも無いよなあと思います。

  • 雪男を探しにヒマラヤで亡くなった鈴木紀夫さんが本書のキモになっている。
    小野田寛郎さんを発見したらどんな心の動きになるのかなんて、鈴木さん以外誰一人として理解できないものであり、きっと人生がひっくり返るほどの強烈な体験としてその後の生き方を変えてしまったのだろう。

    角幡氏は鈴木さんをはじめ、雪男を見てしまった人達に焦点をあて、行動するジャーナリストとして丹念な調査と取材を重ね、読み飽きさせない冒険記に仕上げている。

    ツアンポー渓谷の本と同様に、巻末に記された参考文献の数にも圧倒される。

  • 2016年2月22日読了

  • 未知なるものを追い求める姿が印象的。
    臨場感があって引き込まれた。

  • 面白かった!!空白の5マイルは前人未到ですごいんだけど結局じめじめだったんだなうん。という感じで終わったのと比べるとこちらはロマンが残る終わり方で好きなり!!

  • 未知なるもの には どうしても
    心惹かれるものがある
    北欧のトロル
    沖縄のギジムナー
    北海道のコロポックル

    もちろん 質的には
    ずいぶん違うのだろうけれど
    イエティ も
    ものすごく 心惹かれる
    未知なるものである

    いるか いないか
    という レベルではなく
    その「存在」を考える中で
    実際に 行動している人の
    本気は
    とても まぶしく感じる

    何のために「ヒト」は生きるていくのだろう
    そんな原初的な答えの一つが
    この 未知なる「雪男」の捜索
    であるような気がする

    いる とか いない とか
    を 越えてしまった
    (なんだろう)
    未知なるモノへの憧れは
    人間が持っている
    本能の一つ
    というような気がしている

  • まあ、結論が出るはずもない「物語」なのだけれど、1本のストーリーとしてよく書けている。
    最後は雪男そのものというより、雪男に憑かれた者たちの物語としてまとめているが、著者が明確にそのスタンスに立ったのが最終盤で、それまでは「憑かれた者」当事者と半信半疑の傍観者、どっちつかずでふらふらしているので、やや腰の定まらない印象があった。だからこその臨場感だ…というのにも一理ある気はするのだが、もとより「結論は出なかった(未来については誰にもわからない)」と読者全員が知っている物語なのだから、いっそ思いきり冷淡に突き放したスタンスで書いてもよかったのかもしれない。
    奇妙な生き物よりは奇妙な生と死に興味のある自分としては、予想以上に面白く読めた。

    2015/2/23読了

全57件中 1 - 10件を表示

プロフィール

1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、朝日新聞社に入社。同社退社後、ネパール雪男捜索隊隊員。『空白の五マイル』(集英社)で開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞受賞。『雪男は向こうからやって来た』(集英社)で新田次郎文学賞受賞。『アグルーカの行方』(集英社)で講談社ノンフィクション賞受賞。

雪男は向こうからやって来たのその他の作品

角幡唯介の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
冲方 丁
池井戸 潤
又吉 直樹
葉室 麟
ウォルター・アイ...
三浦 しをん
横山 秀夫
伊藤 計劃
フェルディナント...
高野 和明
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印

雪男は向こうからやって来たを本棚に登録しているひと

ツイートする