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Amazon.co.jp ・本 (292ページ) / ISBN・EAN: 9784087814774
作品紹介・あらすじ
電信柱が突き出た家に住むミドリさんの正体は!?
屋根から電信柱が突き出た不思議な家。そこに住む97歳の元気なおばあちゃん、ミドリさん。27歳の著者は、謎多きこの家とミドリさんにひかれ、電信柱のお屋敷に通うようになる。そして…。
感想・レビュー・書評
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私の2012年度ベスト10入り。終了したNHKブックレビューで紹介された本。図書館本を読み始めたが、じっくり読みたくて購入。最初、増改築を繰り返したアメリカのウィンチェスターハウスやフランスの郵便配達人シュヴァルの建てた家みたいな話しかと思ったら、ずいぶん違っていた。(特殊な家であることは確かだけど。)ミドリさんとご主人の建てた電柱のあるカラクリ屋敷のルーツをたどる長い長い物語だった。 北海道の新潟村という開拓村の存在や生活も本書で初めて知ることができた。開拓者精神が引き継がれたたくましいミドリさん・ご主人一族の一大叙事詩の様でもあるんだけど、ただの苦労ばなしじゃなくて、いつもユーモア精神を忘れていない。表紙の通りの明るくチャーミングなミドリさんに元気を貰いました。惜しいのは図版の少ないこと。第2弾で是非、図面や写真集を希望。
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書評読んでちょっと気になってアマゾンのほしいものリストに追加しておいたら、リスト開けるたびにこの笑顔が目に入って、ついに買ってしまった。やられた。この方が主人公のミドリさん、からくり屋敷の主です。細部まで手の込んだ(というか趣味の域)からくり屋敷を設計してしまうほど建築に詳しいミドリさん。その屋敷にひとめぼれした若い著者がミドリさんのルーツから綴った本です。キャラの濃いパワフルばあさん。おばあさんでもおばあちゃんでも無くばあさんという呼び方がしっくりきます。
いいなー、こういうばあさんになりたい・・・近づくために今自分に出来ることはなんだろうと思いついたのは愛想笑いをやめることでした。。。だめだ、仕事になんないなあ。 -
煙突が突き出た家?いえいえ電柱?どうしてこんなことになったのか?とても興味があり読んでみると・・・奥が深い。ミドリさんの人柄に惹かれてしまった。もっともっとカラクリを楽しんでほしいな・・・でもそんな楽しみって今の時代難しいのかしら?私はカラクリのある家好きなんだけどな・・・
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私も模様替えが子供の頃から大好きでした。みどりさんのように家の改造はできなかったけど(笑)私も模様替えが子供の頃から大好きでした。みどりさんのように家の改造はできなかったけど(笑)2013/09/08
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図書館で借りた。
文庫本を見て
同じ名前で親近感があり
図書館でハードカバーを借りた。
今に至るまでの話が長くて
ちょっと飽きてしまった。
もっと今の事が知りたかったなぁ。 -
ミドリさんやべぇな
かっこよすぎる
40で上京して別の仕事とかバイタリティーありすぎる
そして電信柱!!!買えるのね、、、
木造のいいところがつまっているのだろう
しかしこの本に図面がないのが悲しい
写真もないのが悲しい
もっと見たいのだよー
北海道と新潟と祖父母の血が混じってできた素敵なミドリさんだけの建築様式なのだろうなー -
著者は、高校生の頃、電信柱が屋根から突き出ている不思議な家を見た。どんな人がなぜあのような?家主のミドリさんという老婆の半生をその不思議な建築と共に記録した本。
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電信柱のつきでた家。家の造りやその持ち主と精神。ノンフィクション。
家ができてくる様子がおもしろい。わたしも大工仕事をよくながめていた。読むとよみがえる。
C0095 -
江別ご出身のおばあさんの話のため興味をひかれて。
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電柱の突き出た変わった湘南の家、を取材するだけでなく、その持ち主、かつ作り手である木村ミドリさんのルーツを訪ねて北海道、そして新潟まで調査に行く著者に脱帽。プライバシーの問題か?願わくば、このカラクリやしきのもっと詳細な写真が付随してたら最高。
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平塚市には電柱柱が突き出したお屋敷がある。木造二階建てで屋根は入母屋造り。曲がり屋と言うL字の形の作りになっていて立派な庭があり、そこここに色々な意匠が盛り込まれている。二階はみどり荘と言うなのアパートになっていてそのオーナーが主人公木村ミドリさん今年100才。最近ぶらり途中下車の旅に作者共々出たそうだ。
作者の鈴木遥さんが高校生の頃たまたま見つけ、大学進学で地元を離れる前についにこの屋敷の話を聞きたいと訪問したのが出会い、電信柱が飛び出した家が奇天烈なら、作ったばあちゃんはもっと強烈だった。「あんた、そんなに建築好きなら建築家になりなさい」と言われた鈴木さんは古い街並の研究を始め、3年後にまたミドリさんの話を聞きに戻る。
ミドリさんは北海道新潟村生まれ、両親はともに新潟県で生まれ子供の頃に新潟村の開拓に北海道に渡ったこの木村家と母方の武田家は成功を収め、ミドリさんの実家も曲がり屋のお屋敷だった。もともとの曲がり屋は厩をつなげ外に出ずに馬の世話ができるようにしたもので子供の頃背が高く電信柱と言うあだ名のついたミドリさんは手綱も着けずに馬に乗って遊ぶお転婆だった。大家族の木村家から養子に出され新聞配達の手伝いをしたら無くしてしまい、新聞が無くなったからもういいやと実家に戻ってしまう、わずか三日。親もおおらかでじゃあそうかとそのままもどったらしい。
ミドリさんの実家は原生林伐採が許可されていたらしく家には職人集団が住んでいた。材木だけただで渡して後は自分で作らせたそうで子供の頃から職人仕事を見たミドリさんは独学で建築を学んでいく。実家の仏間は開店扉になっており、押し入れはほかの部屋につながる。からくり屋敷と言うより忍者屋敷だが抜け道はいざという時のために作っておくもんらしい。近くに林業試験所ができそこを手伝い重宝されたことが木村家、武田家の発展の礎らしい。明治44年東宮殿下(大正天皇)がこの林業試験所に来ることになり父親が橋を造った。林行橋、そのままだ。滞在中の8月31日にミドリさんの兄が誕生し、次郎となるはずが東宮殿下が悠(ひろし)と命名したと次の日の新聞に出た。聞いてません!ということで戸籍上は悠だがみんな次郎と呼ぶ。学校の先生は悠と呼ぶが次郎は返事をしない。なかなかのもんだ。
昭和8年、ミドリさんは近所に住む本間吾市と結婚した。この旦那こそが後に電信柱の突き出た家を作った張本人で、なんとなく木村姓になったというあたりこちらもただもんではない。結婚した二人は札幌市月寒に引っ越ししリンゴ農園をはじめた。近くに陸軍歩兵第二十五連帯があり、戦争が始まると木村家は借り上げ官舎第一号になった。この家にも人が集まり、間借り人の佐藤三男さんは後に佐藤水産という会社を立ち上げいまでもミドリさんには毎年海鮮の詰め合わせが届く。木村家ではよくできたリンゴを詰めて税務署長に持っていく。そのひとりが後の総理池田勇人で農園の経営が思わしくなくなった時に池田のすすめでミドリさん夫婦は関西ペイント東京事業所の独身寮の住み込み管理人に募集した。朝9時集合に64組があつまりなかなか進まない。木村夫妻は勝手に抜け出しちゃんと昼飯を食ってきたがようやく夕方5時に木村夫婦に内定が出た。ちゃんと準備はしている。夫はヘリンボーンの背広、ミドリさんは一番上等な着物にキツネの襟巻き銀黒狐。写真を見ると今でもオシャレなばあちゃんなのだ。「派手すぎるのはダメ、地味でもダメ、野暮ったい服もダメ。髪は長からず短からず、長い髪で料理を作ると衛生上悪い」「怖じ気づいてはダメ、聞かれたら最後まで濁さずに返事する。勝負事では必ず目を見る。目をそらしたら負け・・・」
ミドリさんは調理師免許も一発で合格、自由が丘の魚菜学園に13年毎日通い、ある時ローストチキンの作り方を教わった。同じグループの5人は鶏をさばくのを気持ち悪がり、材料費を払って逃げ出した。ミドリさんは一人で6人分作りその分腕を上げた。お土産を持って帰って夫も大喜び、さらに逃げた仲間はお礼にお菓子を持ってきてくれた。大儲けだ。研究の成果もありミドリさんはよく食べた。体重も増えついてあだ名は若秩父。OB会のカンペの会では今でもミドリさんは人気者でおじいになった元寮生がミドリさーん問いって抱きついてくるそうだ。
ミドリさんが平塚に家を買ったのもカンぺつながりで寮に魚をおろす人が土地を買わないかと持ちかけてきた。下調べは入念でござを引いて1日すわり先ず日当りを確認する。建築付きの夫婦は毎日作戦会議を練る。アイデアを思いつきすぐに忘れる夫とそれをメモるミドリさん。図面ができるのに1ヶ月、しかしそれから建築が始まるのに5年かけて材木と大工を選んでいる。半年がかりの工事の間夫婦は必ず毎日見に来ている。しかしその家に住むのは退職する7年後だった。しかしこの時はまだ電信柱はない。
電信柱が家の中に入ったのは隣の家が土地を手放し増築した時、「電柱は家の中に入れたい」「外だとみっともない、家の中に入れれば収まりがいい」こういう夫にミドリさんも信者と化す。「電柱を中心として家を建てると、風が吹いても台風や地震が来ても倒れない丈夫な家ができる。これが一番丈夫なつくり。」そんな家は他にはない。実際には電信柱の間は壁にかこまれてるのでそこはどうなんだと聞いてみたいとこではある。L字の短い方に電信柱を挟んで増築し今度はこちらが長いL字になった。最初から人に貸すことを考えているのに作りは贅沢で各部屋の風呂にはタイル絵がふんだんに書かれていたりする。そしてこの家にもからくりは存在する。いざという時のために逃げ道は作っておくもんなんだそうだ。
高校生に意見したとき「よーよー、関係ないじゃんかよー。」と言い返されすっかりこのフレーズが気にいってしまった様だ。あいさつまわりでよそもん扱いした人のモノマネをやる。「よーよー、おめえどっからきたんだよー」「YO YO 海苔なんかいらねーYO]ラップを歌う90過ぎのばーちゃん。もうこのまま朝の連ドラにでもしていいんじゃないかと言う話だった。史上最年長100才のヒロイン、誰がやるのだろうか。鈴木遥さんがミドリさんのことを楽しそうに書いてるのも印象的。 -
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なんでこの本を知ることになったのかはわからないけれど当たりだった本。
電信柱が家の中に立っている不思議な家に住むミドリさんの人生。
ノンフィクションなんだよなぁ、って良い意味で呆れて尊敬する。
そしてこの家に行ってみたい。
私の田舎の家もからくりではないけれどなんか変な通り方をしたりとかしてたし、昔の家ってそういうところあるよね。 -
ノンフィクション
社会 -
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http://d.hatena.ne.jp/cmat/20110603/1307098002第6回本のキュレーター勉強会課題図書。
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author loves heroin and architecture. japanese cypress as no.1 for architecture. ganki(雁木) means aisle around there house. vault ceiling like a fishmeat on board.(蒲鉾天井)
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著者は高校1年生の時、電信柱が屋根から突き出している家を発見!
気になって気になって何度もこの家を見に通い、ついに門をくぐり住人に会いに行く。
そこで出会った元気なおばあさん=ミドリさんが、この屋敷を設計したと言う。
こだわりの詰まったふしぎな家。そのこだわりは、ミドリさんの育った家にあった。カラクリ屋敷とミドリさんに引き込まれる1冊。 -
神奈川県平塚市にある、意匠を凝らした和風建築と大きな庭のある見事な日本家屋。しかし屋根の真ん中からは電信柱が突き出し、さまざまなカラクリまでほどこされている・・・
この謎の家に高校生のときに出会って衝撃を受けた著者は、建築学を学び、屋敷の主である強烈なキャラクターの老婆ミドリさんの元に通うように。「いちばん好きな中華料理はローストチキン」だとか、「屋根に上れば落ちるけど建築家は落ちないからいい」とか、ミドリさん語録がとにかくおもしろい。著者が「北海道に来てるんです」といえば「無駄なカネは使わないように」と即座に切り返す。著者のほうも負けてはいない。「いざというとき」のためのしかけや逃げ道について「敵の目を欺く時間差が大事だ」と独自の哲学を披露するミドリさんに、「厳密に練られている割に多くの無理が生じている」と突っ込む。まるで2人のあいだの親密なかけあいを読んでいるような楽しい本だ。
ミドリさんは建築を学んだこともないのに、幼い頃から建築の様子を見るのが好きで、自分で設計もするようになったという。あまり実用的といえないからくりや、「電信柱を中心にすれば丈夫な家ができる」などといった独自の建築美学は、「もの好き」としか表現しようのない一族に由来していた。新潟から北海道に移住して財をなしたというミドリさん一族の昔の話もとても面白い。木村家の巨大な家に村人300人が集まって15日間もぶっ通してカルタとり大会をしていたとか、「産婆に仏壇を運ばせた」話とか。特におもしろいのは、巡幸中の天皇に勝手に兄の名前を命名されてしまったが、無視して父親がつけた名前を使っていたという話。そんなエピソードもミドリさんにかかれば「昔の人はそんなもん」の一言で終わってしまう。
ミドリさんの家もルーツもユニークではあるが、それだけではオタクな読み物になってしまいそうなところ、著者のワクワク感と親密さ、ユーモアと温かみのある文章は生き生きと躍動していて、しまいにはミドリさんの家に住んでみたくてたまらなくなる。建築上の細かい説明をより理解するために、白黒でももっと多くの図版が挿入されていたら、さらに楽しめただろう。 -
ミドリさんのお屋敷と彼女の生涯を、書き残したい。その思いは、よく伝わってくる。スケールの大きなミドリさん。それをうまく描くのは、なかなか大変だ。
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先日はヘンな本を紹介するタマキング・宮田珠己の本を紹介したが、その
彼が本の雑誌2012年9月号で紹介しているのが「ミドリさんとカラクリ屋
敷」「沢田マンション」の二冊。奇しくもこの二冊は発売売当時から買おうかどうか迷って表紙を何度も見ていた記憶があるので、紹介記事の写真で表紙を見た瞬間に判った。で、紹介の内容だがタマキングが迷路建築ファンということでその視点から紹介しているのだが確かにそれは当たっており何れもヘンな建築物に関連するという点ではなかなかのものだ。
「ミドリさんとカラクリ屋敷」は北海道の現・野幌に生まれ育ったミドリ
さんが主人公。先々代が新潟県から入植し同地で成功した家系らしいが、
何故か家には隠し扉がいくつもあるというのもの。その血が受け継がれた
のか、彼女が結婚し平塚に建てた家もやはり隠し扉があるという。だが其
れ以上にびっくりするのが、家の真ん中に煙突の如く電信柱が堂々と立っ
ていることだという。
本書はその平塚の電信柱に魅かれミドリさんと親しくなった著者がミドリ
さんの「ヘンな家」を建てる血筋を探るのがもう一つのテーマになってお
り「コンニャク屋漂流記」のような仕上がりにもなっているのだが、考え
てみれば「ミドリさん」のほうが2011年5月出版だから「コンニャク屋」
より二ヶ月早い出版だから似ているというのはおかしいか。
如何せんミドリさんの生まれた家も既に残ってはおらず、またミドリさんも決して平塚の家の構造を積極的に公開する意図がないことからヘンな家の間取りや全貌についてはやや食い足りなさもあるのだが、秘密を守る前提で造った隠し扉等の構造を明かすのもおかしな話なので仕方がないのかもしれないがちょっと残念だ。
見えないところに努力を傾けているのがミドリさんのカラクリ屋敷とすると堂々とそのヘンさを見せているのが沢田マンションだろう。全て自力で建築した地上5階建てのマンションだが、5階まで車で上るがことでき、5階には稲が茂り、4階にはプールが水を湛え、各階のベランダは住民の行き来できる共有スペースになっており、部屋番号は入居者順につけられており、部屋の間取りは全ての部屋で異なり、と書いているだけで変なマンションというのが分かるだろう。
一時はテレビなどでも取り上げられたこのヘンなマンションなので、つい読む気が起こらずに今に至ってしまったが食わず嫌いだったようだ。マンションのヘンな構造もそうだが、オーナー沢田氏の生き様もまた相当に型破りで、どこにこうしたバイタリティの源泉があるのか良く判らない。
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