エンジェルフライト 国際霊柩送還士

著者 :
  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087815139

作品紹介・あらすじ

運ぶのは遺体だけじゃない。国境を越え、"魂"を家族のもとへ送り届けるプロフェッショナルたち。2012年第10回開高健ノンフィクション賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • テレビをつければ韓国の雑踏事故で亡くなられた留学生の遺体が日本に到着したニュースが流れ、またロシアとウクライナの戦争も続く今だからこそ、読んでほしい作品です。佐々涼子さんの「エンド・オブ・ライフ」を読もうと思い、ならこの作品も読んでみようかと軽い気持ちで手に取りました。
    もし、家族が異国の地で命を落としたら…今までそんなこと考えてもみませんでしたが、考えるきっかけをこの作品から得ました。
    エアハース・インターナショナル(株)の国際霊柩送還士への取材に基づくノンフックション…帰国した遺体をエンバーミングで修復し、遺族に悲しみ尽くせるようにすること、大切な人の死を受け入れれるようにすることで、遺族が今後も生きていけるようにそっと手を差し伸べる…。
    読んでいる間、辛くなってしまう場面もあったけれど、今まで知らないでいたことが申し訳ないような気持ちになりました。

  • 『人は生きてきたように死ぬ。そして、残された者の心の中に、これまで生きてきたようにして、これからも生きる』

    海外で亡くなった人が遺体で貨物として日本に帰ってくる。それがどんなことなのか、この本を読むまで全く知りませんでした。
    率直に、あまりにも過酷でショッキングな仕事だと思いました。
    誰にでもできる仕事ではない。
    エアハースの人たちの覚悟や使命感、仕事への姿勢には凄まじいものを感じました。

    今はどれくらいのメンバーがいてどのような勤務体制なのだろうとふと思いました。
    土曜日も日曜日も、朝も夜中も関係なく電話がかかってきて、厳しい状態となった遺体とそして悲嘆にくれる家族と向き合うには本書の取材当時のままではあまりにも無理があるのではと思いました。
    現場の理惠の姿を見て、部下を叱り飛ばしてばかりの様子に「自分にはとても勤まらない」とNPOの職員が言っていたり、理惠の息子の利幸でさえも、「なぜ、ここまで言われなければならないのだろう」と山科に対しての思いを語る記述がありました。
    元々過酷な上に、そこまでずっと怒鳴り散らされて耐えられる人はそういないと思うと、ストレートに言うとブラックな職場のままなのでは、と絶対に必要で、すごい仕事なのにと少し不安になりました。

  • ドラマを見て続編があるかのような終わり方だったので、続きが知りたくて原作を買って読み始めた。

    いい意味で期待を裏切られる作品でドラマでは細かく説明されていない部分やドラマのもととなっているエピソードがあり、あっという間に読んでしまった。

    死を避けて生きているという考え通り普段は考える事もなかった仕事にドラマをきっかけで知り、いい本に出会えた事が良かった。

    • かなさん
      アンシロさん、おはようございます。
      この度はフォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      どう...
      アンシロさん、おはようございます。
      この度はフォローといいねをありがとうございます。
      こちらからもフォローさせていただきますので
      どうぞよろしくお願いします。

      私も佐々涼子さんのこの作品も
      あと、他の作品も読んでます。
      佐々涼子の作品ってどの作品もすごく読み応えがあって、
      私は大好きです(*^^*)

      アンシロさんは東野圭吾さんがお好きとのこと、
      私も読みたい読みたいと思いながら
      まだ読めていない作品ばかりなんです…。
      徐々に読み進めたいと思ってます。
      2023/11/23
    • アンシロさん
      かなさん、おはようございます。フォロー、コメント頂いてとても嬉しいです(^^)ありがとうございます。

      読書をするようになったのとこのブクロ...
      かなさん、おはようございます。フォロー、コメント頂いてとても嬉しいです(^^)ありがとうございます。

      読書をするようになったのとこのブクログを使い出したのが同じ時期で、毎日新たな作品との出会いがあるので気に入っています☆

      佐々涼子さんはドラマの原作という事で知りましたが、まだ他の作品を読めていないので調べてみますね(*^^*)

      東野圭吾さんはどの作品も面白くて味があって、本当に同じ人が書いてるの?と思ってしまいます笑。作品を通じて職業や所作を知ったり疑似体験が出来て、表現力だけでなくて取材力もすごいんだろうなと(^^)機会があったらぜひぜひ読んでみて下さい。
      2023/11/23
  • 読書記録7.
    エンジェルフライト
    佐々涼子 著

    日本国外で亡くなられた人はどうやって遺族のもとに戻ってくるのだろう

    日本で亡くなられた外国の方はどうやって祖国の家族のもとに帰っていくのだろう

    亡くなられた方をよりよい姿で家族のもとに魂を送り届ける『国際霊柩送還士』という仕事を通し、悼み・弔い・葬礼を描くノンフィクション作品

    日本人の死生観、宗教観
    『国際霊柩送還士』その仕事に向き合っている人々の思いと遺族の声を通し『人と人』心の重ね方の大切さを改めて感じた作品

    12年前に出版されたこの作品を読了
    近年の葬儀の形、コロナ禍を経て葬儀へのあり方も様々に変化しているこの時に読む事が出来、考えを深めるきっかけにもなった

    生きることと死を見つめて来た著者の近著『夜明けを待つ』をこれから拝読する

  • いやー、めっちゃ泣きました。
    刊行当時話題になっていたのは知っていましたが、何を読もうかと図書館の棚を巡回していた時に発見して手に取った次第です。
    「国際霊柩送還士」たちの真摯な仕事ぶり、深夜だろうと電話に即応して、時には遺族の方に寄り添い、その後も付き合いが続く存在になる…。そして彼らの「死」に対する向かい合い方も含め、頭が下がる思いになりました。

    リモートワーク全盛のこのご時世、主観ではありますが、葬儀の世界は最後までリモート化されないのでは?と思っています。(結婚式は遠隔のおばあちゃんがリモートで…という図が浮かぶのですが)
    お焼香をしたり、柩にお花を入れたり、参加者が能動的な振る舞いをすることで、ちゃんとお別れをする。
    その場にはご遺体がなくてはならないもので、それゆえに、海外で亡くなった日本人が帰ってきた際、必要な処置をして家族の元に送り届ける仕事が存在するのです。
    …とは言え、本著を読んで初めて知りました(^^;

    本著、随所に「泣きドコロ」があって、一度涙腺を洗浄したい方にはオススメなのですが(とは言え泣けなかったらごめんなさい)、とは言え「感動しすぎちゃうノンフィクション」ってどうなんだろう?とも思ってしまいました。
    「命」や「病」を描写するのは、人を感動させるためにある意味では最も手っ取り早い手段だと思っていて、おそらくその最前線にはたくさんの人のたくさんのエピソードが詰まっている。
    著者の本著における組み立ては見事だし、登場人物の掘り下げも素晴らしかったのですが、センセーショナルさが際立ちすぎて、「国際霊柩送還士というお仕事がある」以上のものが残りづらいようにも感じました。
    (そこにスポットライトを当てただけでも、大きな功績なのかもしれませんが)

    あと、取材対象の企業さん、「粉骨砕身」な感じで、顧客目線では素晴らしいんだろうなと思うのですが、トップからして自分を追い込みすぎな感じが本著だと前面に出ていて、心配になりました。
    「そんなコト言ってられない」と言われればそれまでだし、そんな修羅場を数多く経験されているんだろうなと思いつつ、ホワイトな環境ではないように見えました。
    これもう、民間の独立採算でやるべき事業なのかなぁ。。

    何はともあれ、知らない世界(そして、今後通っていくかもしれない世界)を垣間見ることができる作品。機会があれば読んでおきたい良作だったと思います。


  • 内容紹介 (Amazonより)
    ママが遺体にキスできるように。それが彼らの仕事。
    国境を越えて遺体を家族のもとへ送り届けるのが国際霊柩送還士の仕事。日本初の専門会社で働く人々と遺族の取材を通して、筆者は人が人を弔うことの意味、日本人としての「死」の捉え方を知る。





    このお仕事の事を初めて知りました。
    ここで働いている方々の仕事に対しての思いを強く感じ、信念貫いて働いてらっしゃると思いました。
    何度も涙が出てしかたなかったです。
    16年位前にお父さんが亡くなって以降、死について考えるようになりました。
    家族は嫌がります。でももっと死について会話があってもいいんじゃないかと私は思っています。
    このコロナ禍でさらに身近に感じています。
    自分は大丈夫、とはとても思えません。

  • 外国で亡くなった時、その国によって日本とは異なる「遺体」に対する考え方や対応で、また日本に帰るまでの日数によって、戻ってきた遺体の状況は…日本で言う「遺体」の状況ではない場合が多い。それを日本で「遺体」と呼べるような状態、遺族がお別れを言える状態にするエアハースと言う会社。
    実在する会社、スタッフ、実話なので、重かった。エアハースの方々の姿勢や遺体や遺族に向かう姿勢に頭が下がる。
    身近に起きないと目を背けがちな「死」だけど、考える機会を得られたのは良かった。

  • 国際霊柩送還という知らなかった世界を知らしめてくれたノンフィクションです。いわゆる葬儀社ならば誰でも一端を知る世界ですけど、当然に国を跨ぐ遺体の搬出入も頻繁に起きるのでしょうが、その実態を初めて伝えた本ですね。そして取材対象となった送還業社の皆さんの人物像を通して浮かぶ死生感や思想や生き方考え方などが単なる生業ではない真摯な姿勢を見せてくれました。私事ながら親戚筋が東上した折りに突然の不幸となり空の便で還ってきましたが、国内とはいえ裏では様々な苦慮や手配があったのでしょうね。
    色々な意味で興味深いノンフィクションでした。

  • だいぶ前の本だけれど、死と向き合う人々の一本筋の通った気概を感じさせる。正解はないかもしれないが、関係者やその時々の状況によって成解を紡ぎ出すプロセスは感動を呼ぶ。取り敢えず自分が死んだときに、周りに迷惑をかけないように準備だけはしておこう。

  • ママが遺体にキスできるように。それが彼らの仕事。
    国境を越えて遺体を家族のもとへ送り届けるのが国際霊柩送還士の仕事。日本初の専門会社で働く人々と遺族の取材を通して、筆者は人が人を弔うことの意味、日本人としての「死」の捉え方を知る。
    Amazon より

    何度も海外には行っているし長期滞在したこともあるが、海外で死を迎えたらどうやって日本に帰ってくるのか、今まで考えたことがなかった.こんなに本人や遺族のことを考えて、迎える人々がいるということを知らなかった.頭のどこかで自分は死なない、と思っていたのだ.
    生きていてさえ、海外から日本に帰国するには時間がかかる.まして、命がなかったら、、、その間に腐敗が進むのは自然の理.国によってはエンバーミング(防腐処理)されていない場合もあるという.そんな状態で日本に到着した遺体は、目も当てられないだろう.
    日本人に特有なのかは分からないが、我々は体や骨が帰ってくることを望むことが多い.この本を読んで納得することは、遺体と対面してきちんとお別れをして、「死」を受け入れることができる、ということ.笑って送り出した人が、そのままの姿で帰ってきて、でも魂がそこにはないことを確認して初めてその人の「死」を受け入れることができる、ということ.
    あらためて、異国で死ぬということについて考えた.自分が海外で死んだら、エアハース・インターナショナルのように、人の死と真摯に向き合っているところにお願いしたいと思った.

    引用のところにも書いた、人骨がタッパーに入って帰ってきた話.この部分に、海外で死ぬということをもっともリアルに感じた.

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。著書に『エンジェルフライト』『紙つなげ!』など。

佐々涼子の作品

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