がまんしなくていい

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 130
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087815221

作品紹介・あらすじ

同じような境遇でも、前向きで幸せを感じる人と、グチっぽく不幸のオーラを出している人の違いは何なのか。性格だけではない。実は体内のホルモンの量で、気持ちも体調も変わってくることが分かった。

感想・レビュー・書評

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  • 本の最後の数行読むだけで中身が終わるのでは?と感じるほど最終ページの数行に結果がまとめられた本。

    物ごとを秤にかけるように気にかけることなく。つまるところ、我慢したりしすぎず。
    人と触れ合うことでオキシトシンを出し、身近なものに目を配る余裕を持つことで感動(セロトニンの放出)を得る。誰かのためを思って行動し、よく笑うこと。

    これだけで十分良い筈なのに、随所随所に筆者が間接的に人を貶す文(西田敏行さんについての所とか。しかも西田さんは福島県出身なので、本文中の筆者の行動からしても残念)があったり、本人が経験した訳でもない、ご友人のことを書くことに紙幅を割いていたりと言った部分が目立った。

    腹八分目がいいから丼のご飯を半分残す、と記述してあることには目を疑った。「見えてるものの8割ではなく、自身のお腹と相談しての八分目である筈なので、ただの注文ミスじゃん、ミニサイズ頼めよ。」と思った。

    筆者は素晴らしい事をしていると思う。3.11後の世界への働きや日々の医療従事など頭が上がらない。僻みなのかもしれない。でも、この本はなんとなく”おじいちゃんの自慢話"に思える内容で、自分の欲していた情報とは方向性が異なっていたのだろうなと思った。

  • 医師の鎌田實による、がまんせずに自然体で生きることを説いた一冊。

    色んな有名人を例にとってわかりやすい反面、性格も環境も違う人を真似するのは中々難しいと感じた。

  • 楽しんだが勝ち→セロトニン。愛しい気持ち→オキシトシン。どちらも大事!

  • セロトニンとオキシトシン

  • 子供の頃から、親や学校の先生に「頑張りなさい!」と言われ続けてきたので、「頑張る」ことは当然で、頑張らないことには罪悪感を感じていました。50歳を目前に控えている今は、体調を崩して「頑張れない」時間を発生させてしまうデメリットを理解しているので、「丁度良い頑張りどころ」を日々探しています。

    頑張ることと並行して行なわれることに、「我慢すること」があります、この本は、我慢をしない代わりに、どうすれば良い成果を得られるかについて、人間の免疫システム等を研究されてきたこの本の著者の鎌田氏が解説してくれています。最後に、アンチエイジング8ヶ条が纏められていて(p260)私も実行するつもりです。特に、夜10-2時に寝ていることは大事のようですね。

    この本に書いてあることを参考にして、今後は人間が本来持っているシステムを効果的に動かすことができる、食事や「モノの考え方=精神的な食事」をしていきたいと思いました。また、この本を読んで、最近私の体が野菜や果物を欲している理由(老化を進める原因となる活性酸素を抑制できる、p67)がなんとなく理解できた気がしました。

    セロトニンは、「食べて感動して、美味しいと思う時に分泌される(p74)」とは、最近の私の行動を正当化するよい知見でした!

    以下は気になったポイントです。

    ・私たちの命を3つの見えないシステムが守ってくれている、1)2つの自律神経、交感神経(がんばる神経)と副交感神経(リラックス神経)からなる、2)免疫システム、60兆の細胞のうちの2兆個が免疫細胞で毎日100億個入れ替わる、3)2つの幸せホルモン(脳内神経物質)、セロトニンとオキシトシン(p3)

    ・副交感神経を刺激する言葉は、「無理しない」「がまんしない」「がんばらない」「自然体」である(p23)

    ・「がんばらない」とは、がんばることは大切だが、がんばり過ぎず、ムリしないということ。闘いの一瞬前は力を抜くこと、脱力感だけでは闘いに勝てないが、最後は交感神経を刺激して、アドレナリンを出すが、その前に副交感神経を使ってリラックスする(p35)

    ・交感神経と副交感神経のバランスが重要、TPOに応じてリラックス神経である副交感神経にうまく切り替えれる人が、体も心も元気でいられる(p35)

    ・新しいことに挑戦することが好きな人はボケない、出不精な人、感動することの少ない人はボケやすい、小さな感動は記憶力も高めてくれる(p58、59)

    ・セロトニンは、睡眠・体温調節・ホルモン分泌に関与する、不安やイライラを抑えて精神を安定させたり、沈んだ気持ちを明るくさせたり幸せ感を作る作用がある。これを分泌するのに大切なのは、何かを食べるより、心構えである。小さな感動をキャッチするアンテナが大事(p64)

    ・野菜や果物が綺麗な色をしているのは、太陽の紫外線から自分自身を守るため、渋味・苦味、香りなどの色素以外の成分は、害虫から守るために光合成をおこなうときに発生する有害な活性酸素から身を守る武器(p67)

    ・人間も食物の力を借りることで、老化を早めて病気を引き起こす最大の原因である活性酸素から身を守ることができる(p67)

    ・脳内神経伝達物質と呼ばれているが、実はセロトニンの多くは小腸でつくられ、90%くらいは腸に存在している、食べて感動して、おいしいと思うときにセロトニンは分泌される(p74)

    ・植物性脂肪からつくられるマーガリンは、動物性脂肪のバターより健康に良いと言われていたが、マーガリンには、心筋梗塞のリスクを高めるトランス脂肪酸が含まれているので、結果的にはバターが良い(p77)

    ・激しい運動は、ナチュラルキラー細胞の数や機能を低下させて免疫力を下げるが、軽い運動を継続的にやっていると免疫力が上がる。ナチュラルキラー細胞が活性化するため(p84)

    ・幸せホルモンの2つ目(1つ目は自分を幸せにするセロトニン)は、相手を幸せにする「オキシトシン」で、思いやりホルモンとか愛情ホルモンと呼ばれる。脳の視床下部でつくられ、脳内で消費されたり、腸に運ばれる。肌と肌が触れ合うときや、ペットをなでたりするとオキシトシンがでる(p129)

    ・ストレスがかかると、活性酸素が増加するが、オキシトシンはそのスカベンジャー(補足剤)として働く、利他的な行為によってオキシトシンは分泌され、自分自身の体を病気から守り、アンチエイジングにもなる(p180)

    ・QOL(Quality of Life)を上げるには、生活・人生・魂の各々の質を上げることが、命の質を上げることにもなる(p232)

    ・理想の体型はBMI値が 22 (標準は 18.5-25)とされているが、実は 23-27位が一番長生きするというデータもある、健康で長生きがしたければ少しぐらい太っても良い(p244)

    ・我慢しないアンチエイジング8箇条、1)一日のなかで副交感神経優位の時間をつくる、2)自分を幸せにするセロトニンを分泌するため、面白いこと楽しいことを積極的に見つける、3)他人を幸せにするオキシトシンを分泌するため、人のために何かをする、4)抗酸化力の強い食べ物、質の良い脂を摂取する、カボチャ・にんじん・鳥レバー・ウナギ・緑野菜・果物・アーモンド・アボガド・胡麻・青魚等、5)軽い運動を定期的に、6)夜の10-2時は寝るようにして睡眠の質を良くする、7)ちょい太目(BMI:23-27)、8)免疫力アップ(p260)

    2013年7月14日作成

  • 合言葉は「セロトニンとオキシトシン」ですね。

    神経伝達物質のこの二つは、「幸せホルモン」「喜びホルモン」「癒しのホルモン」だということ。

    ずっと自分のことを「おかしいのかなぁ」と思い続けてきたけど、なんとなくスッキリした。
    私はこの二つの神経伝達物質が、けっこう分泌されてるのだと思うようにした。
    何よりも小さな感動、相手への気遣い、スキンシップがセロトニンとオキシトシンを多く分泌するらしい。

    セロトニンは自分を幸せにする。
    オキシトシンは相手を幸せにする、という。
    どちらも副交感神経に働く。
    交感神経と副交感神経を上手に使えることの大切さを再確認した。

    そして、その性格を伝授してくれた母親に感謝します。
    母もセロトニンとオキシトシンの人です。

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著者プロフィール

諏訪中央病院(長野県)名誉院長。「住民とともにつくる医療」を一貫して提案、実践。チェルノブイリの救護活動、イラクの小児病院への医療支援なども行う。

「2006年 『どうして勉強するの?お母さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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