激走!日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース富山‐静岡415km

  • 集英社 (2013年4月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (324ページ) / ISBN・EAN: 9784087815276

作品紹介・あらすじ

2012年8月に開催された日本一過酷な山岳レース。富山湾から3千m級の日本アルプスを縦断し駿河湾までを8日以内に走る。賞金など一切ないこのレースに挑む超人28名に密着した驚愕ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • NHKで放映された、トランスジャパンアルプスレース(TJAR)のドキュメンタリーでは扱えなかった部分も書かれている。

    TJARは、富山湾をスタートし、北アルプス、中央アルプス、南アルプスを縦断し、駿河湾に至る415km、累積標高差27,000mを8日間以内に自分の脚だけで踏破するレース。
    賞金や賞品もなければ、知名度が高いわけでもない。

    例えば参加者の1人である湯川さん(45歳、広告代理店部長職)は、勤務先のビルの非常階段を使ってトレーニングしている。
    45階から地下5階までを約9kgの荷物を背負って時には3往復すると。

    部長職という多忙な人までも惹きつけるこのレース。
    人はなぜ走るのだろうか?
    レース中のインタビューなどから各参加者の答えの一端が垣間見えた。

  • すごく面白くて一気に読み!エキサイティングなレース展開はもちろん、選手一人一人のキャラが漫画のように個性豊かで、このレースをめぐるそれぞれの人生ドラマがこの闘いをより興味深いものにしている。

    読む前はフィジカルエリートたちが颯爽と山を走り抜けるレースを想像していたが、実際は全然違っていた。参加者は、もともと驚くほど『普通の人』である。メタボ対策に40過ぎてから走り始めたサラリーマンだったりとか、学生時代は帰宅部でリレーのお荷物だった青年だったりとか。とても意外であった。(もちろんスポーツエリートもいる)。

    そして、走り抜くために必要なのは、(走力は基本条件として、)不屈の精神力なんじゃないかと思った。疲労や眠気や怪我、幻聴・幻覚、高山病、豪雨や突風や雷、野生動物…困難のフルコースの中を満身創痍でゆく姿は、読んでいるだけでも辛く、全く楽しそうじゃない。

    それでも、なぜ走り続けるのか?その理由は選手それぞれ違う。勝利やタイムにこだわるものもいれば、マイペースに冒険を楽しむ者もいる。仲間との出会いや連帯を求める者もいれば、自己の内面との対話を求める者もいる。共通しているのは、山が好き、走るのが好き、そして胸にとても熱いものをもっているということだ。放映後、『選手全員が特定の宗教団体に属しているのではないか?』という視聴者からの声もあったというのは、とても面白いエピソード。

  • 報告書では書ききれないエピソードが多く面白い、知ってる人にしか興味は持たれないマニアック本だと思うけど

  • 最近トレランを始めた。最も過酷なレースとはどのようなものか興味があり読む。参加権を得るのも相当な技術、経験が必要、リタイア人でも1人1人にドラマがある。とてもそこまで行けないと思うが、レースではなくいつの日か同じルートをたどりたいと思う。バゲットリストを追加しておく。

    日本一過酷な山岳レース「トランス(横断) ジャパン アルプ スレース」、富山湾から日本アルプスを縦断し静岡の駿河湾まで415kmを8日以内で走るレース。2012年8月に行われたレースを書くノンフィクション。

  • 超人的なレースの記録(2012年)。選手たちの奮闘だけでなくテレビ番組の撮影側の大変さも垣間見えて興味深かった。
    日本海から太平洋へ日本アルプスを走るという壮大なコースにはロマンがあり、順位やタイムにこだわるランナーばかりではないのもいい。大会の手作り感も感じられるドキュメンタリー。

  • 2018年版がすこぶる面白かったので、急ぎ前作を読了。次作に比べると軸が強く、群像劇の側面よりドキュメント感が出ている。
    結果だけを見れば、レースとしてはまさしく『順当』。TV番組としてはともかく、一冊の本としてテンションを切らさず通すのは至難の業だったのではないだろうか。こうなったら番組も見てみたいなぁ。

  • TVも見たけど面白かった。DVDも買うかなぁ

  • 日本アルプス縦断するトランスジャパンアルプスレースのドキュメンタリー。
    走る人達も錚々たるドラマがあるが、撮影クルーも去年の優勝者とかそんな錚々たるメンバー。
    あるのは栄誉と自己との対話だけ。千日回峰の世界。

  • 2016年、レースのドキュメンタリーを観た。
    本書は2012年のもの。(レースは2年毎)

    幻覚・幻聴。
    タイムオーバーでレース終了後もひとり完走した走者。
    撮影スタッフも含め、負傷者が出なくて本当に良かった。

    自分には何がどうひっくり返っても、この人達と同じことはできるはずもないが、一度きりの人生を、かくも濃厚に生きる人々の姿がひたすら眩しい。

  • 日本海側を出発して太平洋岸へ向かう日本アルプス縦断レースに挑む人々のドキュメント。普通のサラリーマンなんてとんでもない!超人(超変人)!人間の限界に挑む人々。幻聴幻覚怪我嘔吐に襲われながらも前へ進む。自らを追い込む姿は窺い知れない世界。

  • テレビでほんの一瞬ずつしかみれなかった選手たちのドラマや、舞台裏のスタッフの姿がたくさん知れてよかった!
    すごいものが詰まった一冊です。
    このレース、とにかくすごい、知れてよかった。

  • 一年積んだままにしていた本を、やっと読み終えた。2年に1回開催のレースで、今年のレースが終わったので、これは、いい加減読まねば、と思ったためです。
    熱い想いが伝わってきて、415kmは無理でも、また100kmに出てみたいなぁ、と思ってしまいました。

  • これほど過酷なレースをした後は、
    何かかわるのだろうか?

    100キロ完走したときは、ただしんどいだけだったけどなあ。

  • 富山~アルプス~静岡を抜けるトランスジャパンアルプスレース。

    選手も取材者もギリギリのところで勝負し続ける8日間。こんな魅力的な経験が、当事者には遥か及ばないまでも「読める」のだから歓喜と言う他ない。

    なぜ走るのか、という質問にほとんどの出場者が即答しない。それこそ、本当の答えだと思う。

    最も納得した答えは「面倒なこと考える前に、とりあえず走ってみろよ」。

  • 非常食の基準 カロリーメイト1グラム当り5kcal

    スタートは、8月12日0時
    早月川河口~馬場島~北アルプス(剱岳~槍ヶ岳)~上高地(cp)(8月14日8時)~
    境峠~木曽駒高原スキー場~中央アルプス(木曽駒~空木岳)~駒ヶ根~市野瀬(cp)(8月16日17時)~
    南アルプス(仙丈ヶ岳~三伏峠~茶臼岳)~畑薙第一ダム(cp)(8月19日0時)~
    井川~大日峠~静岡~太平洋/駿河湾・大浜海岸(8月19日24時)
    丸8日間

    レイドゴロワーズ

    北アルプスのルート 
    早月尾根~剱岳山頂~別山乗越~立山~一の越山荘~五色ヶ原~越中沢岳~スゴ乗越~薬師岳~太郎平小屋~黒部五郎小舎~三俣蓮華岳~双六小屋~槍ヶ岳山荘~槍沢ロッヂ~横尾山荘~上高地

    雁坂峠越え秩父往還142キロ
    さくら道国際ネイチャーラン

    軽量化を図るため防寒装備は最小限。高度が低いところでビバーク、地面のマットを用意。睡眠は2時間、20時間行動。主食はチョコチップの餡が入ったクッキー。足にはワセリン、マメ防止。靴下は2足を使い回し、ザックに安全ピンでさして干す。初参加者は、トレランシューズが多いがロードが多いので足を痛めやすい。2~3回の参加者はロードシューズが多い。市野瀬では、サイズが大きいシューズも用意する。筋肉疲労時は重心位置を前後にずらし、使う筋肉を変える。

    南アルプス
    市野瀬~地蔵尾根~仙丈ヶ岳~三峰岳~塩見岳~三伏峠~板屋岳~荒川前岳~

    荒川小屋の名物カレー

    60時間の不眠トレーニング、24時間断食トレーニング、炎天下の30キロラン

    裏磐梯山岳耐久レース

  • 映像で見たあのレースがよみがえりました。
    人間の能力って凄い!

  • 小学生の頃にみたアニメで『チキチキマシン猛レース』
    と言うのがあったが読んだあと思い出した。
    持てる体力と叡知を尽くして日本海から太平洋まで走りきる。山と走るのが日課になりつつある自
    分とそう変わらない年齢の選手達がTVとは違った側面で描いてる所が印象に残った。フルマラソンの10倍、富士登山7往復と言う単純なたとえだけではなく『人はなぜ走るのか』と言う本質的な問いを投げ掛けている。

  • 面白い、面白い。凄い、凄い。この本は、日本海から太平洋まで北アルプス、中央アルプス、南アルプスを走って(!)縦断するレースのドキュメンタリー番組を書籍化したものだ。放送されたNHKスペシャルには2つのバージョンがあって、最初に放送されたものを観た時、もの凄い衝撃を受けた。その後、別のバージョンを観てその凄さに改めて感動したのだが、この本を読むと放送されたシーンの詳細な状況やレースの過酷さがよりリアルに理解できて、それが想像を超えたレベルのものであることに番組を初めて見た時以上の衝撃を受けた。
    「このレースの思い出だけで生きていける。」という選手のコメントにひたすら感動。

  • 富山から静岡迄、日本アルプスを突っ切って415kmを一週間で走り切るトレイルレースを追い掛けたNHKドキュメントの書籍化。
    スゲエです。
    ただし、すげえのは文章でも構成でもなく、そんなレースに挑む人がいると言う事実。
    文章は平坦でさくっと読める割には、読み辛い。登場人物が多くて視点がくるくる切り替わる、そのテクニックが稚拙。
    何度も前を見返さないと、判らない。
    放映された番組の方を見てないのだが、そっちに興味湧き。

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著者プロフィール

長年「ひきこもり」をテーマに取材を続けてきたメンバーを中心とする、全国で広がる「ひきこもり死」の実態を調査・取材するプロジェクトチーム。2020年11月に放送されたNHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」の制作およびドラマ「こもりびと」の取材を担当。中高年ひきこもりの実像を伝え、大きな反響を呼んだ。

「2021年 『NHKスペシャル ルポ 中高年ひきこもり 親亡き後の現実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

NHKスペシャル取材班の作品

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