受験必要論 人生の基礎は受験で作り得る

  • 集英社 (2013年10月4日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784087815368

作品紹介・あらすじ

「いつやるか? 今でしょ!」の名ゼリフで爆発的人気の東進ハイスクール・林修先生、待望の最新刊。受験で悩む(そして悩んだ)すべての人に読んでほしい、カリスマ講師からの激熱真剣メッセージ!

感想・レビュー・書評

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  • 氏の著作の中でも良書だと思います。
    個人的には、共感できる部分が多かったです。
    ただ、私自身の器が小さいので(^^;;、借金や豪遊するくだりはちょっとイメージわきにくかったです。
    運・縁・恩。いい言葉です。

  • 木村
    「日本人はお金に言及すると、守銭奴的なイメージというのがあるんでしょうけど。でも、本質はそこじゃないんです。僕はいつも生徒にハッピーリッチになろうと言うてますけど。だって僕、この春も高3の連中と東北に行ったんですけど、人を助けるためにはこっちにパワーがないとあかんに決まってるので。まさか東北行くのにちょっと交通費出してもらえませんかって言ったら、そりゃあギャグですよね。誰かを助けようと思ったらエネルギーもいるし、マネーもいるし、知識も技術も何もかもがいるので。つまり、勉強する理由なんて簡単なことです。」(P219)

  • 同意する部分がかなり多かった、やはり教育の現場にいる人間は似たり寄ったりな事を感じるのだろう。それが実現に移せるか、はたまた妄想で終わるのかは人によって異なるのだろうが。

    飛び級・学力上位層への教育・世の中の物差し・本当に教えることがうまい人

  • 受験という制度には賛成だが、さまざまな物差しを持つ大学がもっと必要だという林先生の持論には私も大いに共感できました。勉強だけが人間の価値を決めるというのはおかしいし、みんな一緒という型にはめるやり方には私も疑問を抱いています。飛び級も導入すべきというお話にも私も賛成です。勉強ができる子はどんどん先に進んでそれを極める、勉強がそこそこの子は普通に学校に行く、勉強が苦手な子それに寄り添ってくれるようなサポートが受けられたら全体としても良い方向に進むのでは?というのが今のところの考えです。

    「分からない」という時間がとても大切というお話も、そうだなぁと感じました。何でも分かることが素晴らしいのではなく、分からない→分かるようになりたい→どうやって考えたらいいんだろう?という思考プロセスが勉強をするということなのだなと。だから、子どもが「分からない」と言った時は怒るのではなく、よく言った!という気持ちで一緒に考えていけたらなと思いました。

  • 前半がインタビュー形式、後半が灘の先生との対談形式になっている。全体を通して謙虚な方だなと感じた。
    東大のいいところとして、凄すぎるヤツに引っ張られて自分も追い付こうとする「感覚のインフレ」が起こることを挙げられていて、それが根底にありそう。
    勉強できることは贅沢、受験できることは特権、というのはまさにそうだよなあと納得した。
    インタビュー形式なので、質問に対する回答は明確なのだけど、林さんの考え方や思想のベースみたいなところが自筆でもう少し書かれていたらよかったなと思う。

  • 受験というものがそれほど悪いものではない。なぜなら受験勉強で高められる能力は「創造」と「解決」があるから。理系の場合、いかに新しいものを作り出していけるかという「想像力」が必要。一方、文系では社会で起きてる問題を「解決する力」が求められている場合が多い。勉強はあくまでも想像と解決というゴールに向かう一過程に過ぎない。
    そのためには自分の頭を鍛えるために分からないことを抱え続けていくということが大事。そして方法論気づくことが大事。

  • 3)社会において全員が勉強をできるようになる必要はない。しかし誰もが豊かな考える力を持つべき。社会に出てからも時には答えのないような問題まで解いて物事を解決し創造していかねばならない。受験勉強には必ずわからない問題にぶち当たる。そこでわからないなあ、どうやったらわかるのかなあと必死に考える時間こそが尊い。
    65)センター試験は現代文の基礎力養成にも適した教材。選択肢を見ないで答えを記述していく方法をとる事で基礎作りができる。
    69)日本の受験は階級差別や写真審査がない。答案に書いたものだけで判断する。こんなに公平なものはない。東大に上位で受かる力を持つ生徒が早稲田を受けると100%通るというのは公正だから。特に国公立大は科目数が多く1本の物差しで測るわけではない。
    70)都会の進学校にいるだけで受かりやすい。受験生は周囲の仲間から学ぶことが大きい。大都市の進学校でたくさんの優秀仲間を見て俺もまだまだと思いながら育つのと地方で自分はすごい勉強をしてるとお山の大将状態で育つのでは基準が大きく違ってくる。
    80)入試の出題範囲は情報量が相当ある。漫然とやっていたら頭に入れる事はとても困難で自分なりに工夫してやりたい事も犠牲にしつつ地道に勉強するしかない。難関大学に受かった生徒はそういう事をしっかりやってきたという事を証明している。学歴はある決められたことをある水準で仕上げることができた忍耐力の証明書として企業が学生を選ぶ基準として採用されている。実際社会に出てからも必要な力である事は間違いない。
    83)人は過去を今の色に染めるもの。今が悪いと過去の事までぐちゃぐちゃ言い出す。今うまくいっている人は過去を笑い話にできる。
    86)ちゃんと戦ってしっかり負ける。戦わなければ負けもしないが自分と向き合う事には繋がらない。今のように厳しい世の中では自分はどういうところで勝負したら勝てるのか逆に負けるのかという事を知らなければならない。進学校にいるメリットの1つがそういう事が早い時期にわかる。100番位でも東大に受かる進学校で受かったとしてもトップと自分は全然違うと負けを感じることもある。これは受験という物差しで測った時の負けに過ぎない。だから社会に出た時に別の物差しで勝てばいい。そういう感覚を持つ事は真剣に生きることにつながる。
    88)気分が乗ってくるのを待つ事はない。何より大切な事はまず着手すべき事を知るべし/パールバック
    156)仕事は趣味ではない。だからお金を払ってくれた人に対して責任を果たせたかどうかそうやって責任を果たした自分にプライドを持てるかどうかそれだけでいい。喜びや楽しみは趣味の世界にとっておく。
    158)現代文とは筆者という1人の人間が伝えようとしている事を出題者というもう1人の人間と同じわかり方ができるという証拠を出題者=採点者に提出する科目。伝え方とわかり方の科目。出題者と同じわかり方ができると得点という評価につながる。
    182)受験勉強で得た入試で点数を取れる能力は今後の人生で1回も使うことはないかもしれない。けれども16~18歳の時期に1つの目標に向けて欲望を抑制しつつ結果を出すことができたとすればそれは一生の自信になり得る。俺はやればできると自分をごまかす生き方はみじめ。一方でどんな事であれ実際にやって結果を出した事から得られる自信は確かなもの。
    196)学校の先生は生活指導と学習指導をしなくちゃいけない。一方予備校講師は学習指導だけしていればいい。予備校講師は教育者ではなくて1科目を担当するにすぎない受験で点数を取れるようにするというミッションを担っているだけの単なるサービス業。生徒の人格的な事に触れる事もなく生活指導も一切しない。
    212)教育とは自転車の補助輪のようなもの。なるべく早く外して自分で走っていけるようになれ。

  • 多様な人が評価されるように、評価尺度が多様化すべき。国立映画大学、国立演劇大学が会っても良い。

    目標に向かって努力し、成し遂げるいう成功体験を得られるという点で、受験は役割を果たしている。

    自分のより優秀な人に出会うと、その人に追いつこうというモチベーションになる。優秀な人に出会えるという点で、東大は優れている。

    大人になるまでに身に付けるべきなのは、創造と解決をする力である。


    我が家の子達の夢は、
    ・長女 女優
    ・長男 小説家
    ・二男 ? ちょっと前までは警察官
    ・三男 仮面ライダー
    のとおりだが、優秀な大学を出たからといっても、必ずなれるとは
    限らない夢です。
    こんな子供たちに親として何がしてやれるのか、いつも考えています。

  • かなり面白かった

  • 最初は受験とは的な事が書かれていたが、後半は著者の話や予備校の業界の話などでタイトルから離れた内容で面白くなかった。
    受験が必要な理由を最後まで記述して欲しかった。
    著者のインタビューの様だった。

  • 受験勉強で得た、入試で点数を取れる能力は、今後の人生で1回も使うことはないかもしれません。けれども、16歳から18歳にかけての時期に、1つの目標に向けて、欲望を抑制しつつ、結果を出すことができたとすれば、それは一生の自信になりえます。
    ・・・
    まだまだ狭い世界に生きている高校生にとって、受験がその役をはたしてもいい、そう考えています。そういうわけで、受験は人生にとってそう悪いものでもないかな・・・・・これが結論ですね

  • そりゃ受験がなくなったら、この人失業しちゃうしね。ぜったい肯定するよね。と斜に構えて読んでもまぁまぁ楽しめる。自伝的な内容の部分がいらない気がする。

  • 受験必要論というより、“東大”受験必要論というタイトルの方が相応しいでしょう。林先生の人生観や仕事観も受験論を通して描かれています。現代の教育システムに一石を投じるような作品で、様々な思い上がり、勘違いをしている学校の教師や予備校講師にぜひ読んでもらいたい一冊です。

  • 巻末の対談、も良かった。

  • 受験をしてできるだけ偏差値の高い大学に行くことが全てだとは思いませんが、一般的に見て、偏差値の高い大学の学生の方が勉強を含め様々なことに対して努力できる人間だということは事実だと思います。そして、そういう努力できる人間が周りにたくさんいるということは、その後の人生を決める要素の1つになりうると思います。

    「高いレベルの大学に行くと、すごく勉強していてもそれが当たり前だという人たちがたくさんいて、自分もそれに引っ張られます。逆に下の方に行くと、ちょっとしかやっていないのに俺はすごいことをやっていると錯覚している人が多く、自分もそれに染まっていまいます。」(P17引用)

    私自身教師の世界に身を置く者として常々思っているのは、教師の世界は本当に狭く、立場の弱い生徒に対して、学年や内容などは多少違えど毎年同じようなことを教え続ける職業であるということです。一般企業のように業績を上げることは求められず、極端に言えば、やる気がない教師でも毎年同じことを繰り返していくだけでもやっていけてしまう職業だと思います。自分はそういう教師の立場や自分自身に危機感を感じていて、意識して外の世界を見たり、人から習う立場に少しでも身を置こうしていますが、周りの同僚教員が自分たちの立場についてどう感じているのか疑問に思うことがあります。著者が自分と同じ思いを持っていることに何だか少し安心しました。

    「予備校業界というのは、あまりにも狭い世界なんです。しかも、生徒という自分よりも力のない人間を相手にずっと同じことを続けていく仕事でもある。ここにいたら成長できないな、どんどん衰えるばかりだな、という思いをずっと抱えて生きてきました。人間は自分よりも上の人間と切磋琢磨することで成長するものです。逆に自分よりも下の人間を見ていると、俺って偉いだろうと錯覚しかねないんです。教える立場にいる人間は、少なくとも学力面では自分よりも圧倒的に下の生徒を相手にしているのですから、いつもそういう危険について自覚的でなければならない。」(P168引用)

  • 面白かった。学歴はある決められたことをある水準で仕上げることができた『忍耐力』の証明書ってくだりにものすごく共感した。18歳まで社会のルールに沿ってどれだけ努力できたかを端的に表せる指標として学歴があると思う。学歴社会を批判する人には、少なからず、社会のルールに沿った努力をしてこなかった自分を棚に上げてる人がいる。根底には自分の過去に対する後悔や反省があるんだろう。

  • 受験はとにかく必要。ここのタイミングでガツンと勉強しておかないと、別の機会に改めてなんてやってる暇がなくなる。

  • 面白いな。特に、クモン式の話。答えだけでよいのかも。教えてくれない→考える力が必要という部分に。

  • 常に先を見通して今やるべきことを考える姿勢、現状に甘んじず成長しようとする高い意識。受験論にとどまらず人生論として吸収できることは多い。

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著者プロフィール

1965年愛知県生まれ。東進ハイスクール、東進衛星予備校現代文講師。東京大学法学部卒業後、日本長期信用銀行に入行。その後5カ月で退社し、予備校講師となる。現在、東大特進コースなど難関大学向けの講義を中心に担当。テレビ番組のMCや講演など、予備校講師の枠を超えた活躍を続けている。

「2016年 『林修の仕事原論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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