人生はマナーでできている

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 153
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087816099

作品紹介・あらすじ

人生いたるところにマナーあり。マナー大国ともいえる日本のさまざまなシーンを取材しつつ、著者が放つ、おもしろおかしいニッポンのマナー論。知っているようで知らない、マナーの真髄に迫る?!

感想・レビュー・書評

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  • ノウハウ本と思っていたが、良い意味で期待外れであった。
    一般的にマナーと言われていることはルールや前例であることが多く、英語のマナーは「やり方」を意味している。
    そこで著者は「おじぎ」「満員電車」「挨拶」「食べ方」「匂い」「会議」「結婚」レディーファースト」「社交ダンス」「吉凶」をテーマに取材をされ、それぞれがマナーそのものであると結論付けている。
    著者は非常に知識も豊富であるにもかかわらず、それを敢えて前面に出すことなく、エッセイ風に仕立てあげられており、読後感の良い本であった。

  • ===qte===
    人生はマナーでできている 高橋秀実著 ユーモアあふれる取材と考察
    2016/5/15付日本経済新聞 朝刊

     マナーとルールは違う。ルールは「従うべき掟(おきて)」で、例えば「電車の中で大声を出してはいけない」がそうだ。では、マナーとは何か。電車で泣き叫ぶ幼い男の子に優しく「笑いなさい」と語りかけた女性を見て、著者は「どう振る舞うか」こそマナーだと考える。そもそも英語の「manner」は「やり方」の意味で、行為そのものを指す。







     礼儀作法を解説した本ではない。ノンフィクション作家が「マナー」を入り口にさまざまな分野の専門家に取材し、日常の行為を見つめ直すエッセーだ。加齢臭対策商品の開発担当者、結婚相談所の代表、国会議員らに疑問をぶつけ、彼らの言葉を次々と紹介する筆の運びは小気味良く、ユーモアにあふれる。


     下水処理場のにおいを嗅ぐと、頑張っていた若い頃を思い出すと語る臭気判定士の話から、悪臭が良い記憶を呼び覚ますこともあると著者は気づく。あるいは、パートナーのパッションを引き出すために相手とケンカせよというアルゼンチン・タンゴの先生の教えから、女性に真正面から立ち向かう大切さを知る。マナーの世界ではネガティブに捉えられがちなことも、視点を変えれば評価は変わる。


     古典や法律にも触れながら進む文章は、一つ一つの行為にとことん向き合うことで、人生が豊かになると教えてくれる。(集英社・1500円)
    ===unqte===

  • マナーについて、あれこれ感想を述べている。
    著者についてはまったく気にせず読み始めた。読む前は著者は男性なんだと勝手に思っていたのだが、「第1章おじぎで鍛える」を読み始めると、この文章という感性といい、なんとなく女性なのか、と思い改めて著者名を確認すると「高橋秀実」とある。「あー、『ひでみ』ということは女性なのか」と思い読んでいくと、そのうつ『妻が』なんていう文章にぶち当たり。「著者は男性か!?」と気づいた次第。

    結構どうでもいいような、マナーのうんちくとそれに対する著者の考えで記されており、内容は、ほとんど覚えていません。

  • 人生

  • マナーは「守る」ものではなく、何か行動する時の「やり方」のことだと筆者は言う。お辞儀・挨拶・食べ方と、日常の動作からマナーを語る内容ではあるんだけど、それのどこがマナーなのか?と言いたくなるのはワタシだけだろうか?特に後半は頷き半分ツッコミ半でした。あはは。

  • マナーと聞いて、思い浮かばない日常のシーンがたくさん出てきました。食事、身支度、通勤電車、挨拶、会議…マナーは「やり方」。「日々のやり方が生き方になるわけで、良く見れば人生はマナーで出来ているのである。」(3頁)中でも「ラーメン二郎」に通う方とのやりとりはおもしろいです。

  • タイトルから堅苦しい本かと思いきや、マナーのマニュアル本ではなく、エッセイ的にマナーが問われる状況を掘り下げていくもので、気合いを入れなくともすーっと読み進めます。もとは「小説すばる」上での連載がもととのこと。

    礼法の教室やダンス教室、笑いヨガまで、著者が飛び込んでいって実地取材を重ねていく中で、色々なマナーの背景を探っていきます。しかし食べ方のマナーでまさかジロリアンが出てくるとは!

    そのまま読んでも、割と楽しかったなぁと思える本だと思うのですが、あとがきにもある「マナーって結局何なんだろう」というくだりは少々考えさせられました。個々のエピソードだけでなく、終章みたいなものでそれに触れたらより深みが出たのでは。
    個人的には、マナーは(結局人真似だと言うつもりではなく)ポジティブな意味で先人が踏みしめてきたけものみちのようなもので、そこを歩いていけば何らかの願望(あるいは欲望)に辿り着けるものなのかなぁと。自分の願望を認識できていないと、辿り着いてもあぁ違った、となってしまう。でも結局、人の欲望ベースのものなのだから、あまり恐れすぎるものでもないんじゃないか。
    まぁ、これからも気にしそうだけど…

  • 偏屈に思えてしまう。

  • おもしろい!

    新聞の書評?宣伝で知って図書館に予約。かなり待って入手。

  • 開成高校野球部の話が面白かったので。
    結構難しい引用などもあり、何かが頭に残ったという感じではなかった。が、マナーとはルールではなくやり方であり、それを人生の色々な場面のやり方を通して考える、という難しい話をどことなく口元がニヤけるようなユーモアを漂わせつつ書かれている。もちろん関連書籍にもあたられて、真面目に書かれているのに、なんか面白いっていうのはすごい事だ。お人柄でしょうか。なんとなく哀愁がある。インタビューは真面目に聞いてるようで結構疑問を抱いたりするのでなんか面白い。難しい事を小難しく書かれたら寝てしまう。面白くても眠りそうだったのに。もうちょっとしっかり読みたかったが今の自分にはこの程度の理解度しかえられなくて残念だが状況的に仕方ない。また時間をおいて読んでみたい。
    何事にもプロ?はいて、ポリシーがあるものだ。
    満員電車の回は…沁みた。

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著者プロフィール

医師、医学博士、日本医科大学名誉教授。内科学、特に免疫学を専門とし、東西両医学に精通する。元京都大学ウイルス研究所客員教授(感染制御領域)。文部科学省、厚生労働省などのエイズ研究班、癌治療研究班などのメンバーを歴任。

「2022年 『どっちが強い!? からだレスキュー(3) バチバチ五感&神経編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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