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Amazon.co.jp ・本 (320ページ) / ISBN・EAN: 9784087816471
作品紹介・あらすじ
日本クラシック音楽界の大輪の花・中村紘子。敗戦国日本が立ち上がるなか、彼女はピアノと度胸、政治力で単身世界に打って出た! 専属マネージャー、調律師、音楽家たちが語るオン&オフ・ステージ秘話。
感想・レビュー・書評
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中村紘子さんの人生は戦後復興の軌跡と重なります。ピアニストとして常に主役のマドンナであり、クラシック界を政財界や世界とつなぎ、牽引されてきたカリスマです。ただ、今のクラシック界は、彼女の志と違い、日本はアジアの兄貴分ではなくなり、中国や韓国の後塵を拝しているのは残念なことです。
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ピアニストといえば中村紘子という図式が長い間定着していた。
亡くなられて5年が経ち、もう少しお元気でいらしたらという気持ちになる。
先のショパンコンクールの感想、これからの音楽界の話などを聴きたかった。
戦後からの復興、高度経済成長期という時代だったからこそ、
日本の女流ピアニストというアイコンを背負う運命になった。
親分肌で社交的でリーダー的存在だったというのは、やわらかな笑顔や丁寧な口調からは想像できず、テレビで見るのはほんの一面だったのだと思った。
10代半ばまでに才能を見出し、若い芽を成長させることに尽力し、
バブル期に作られ地方の会館にある、使われる機会が少ないコンサートピアノも
精力的に弾く演奏家としての日々。
あくまでクラシックのみを演奏されていたが、「冬のソナタ」をアンコールで演奏したことがあるそうだ。
辛辣でチャーミングで、音楽のことを一番に考えていたひとだったのですね。
2021年に開催されたショパン国際ピアノコンクールは、日本でとても注目されていた。著者の現地からのレポートをWebで読み、この本も読んでみようと思った。 -
思いのほか時間を取られた本。本文に出てくるが、著者と中村紘子との関係が深くはなかったということで、中村本人のインタビュー記事や著書、あえて周辺にいる関係者からの取材で構成されている。確かにニュートラルな立ち位置で、日本で最も有名なピアニストの実像を浮き彫りにしているが、読み進めるには骨の折れる本になってしまった気がする。
しかしながら、著者の意図通り、中村紘子という音楽家のシルエットが、余計なバイアスがかかる事無く見えたような気がする。また、こんな凄い女性を生み出したのは、時代と場所と才能のバランスによるものだとも感じられた。
自分にとって中村紘子は、CMに出演していた有名人の一人であり、旦那が芥川賞作家で、コンサートの出演料が半端ない金額という知識しかなく、人となりなど想像もしていなかった。実際にコンサートも行ったが、クラシック初心者にとって評価云々出来るほどの見識も無く、正直なところ、ステレオタイプの大御所というのが彼女に対するイメージだった。
今更だが、この本で大きく彼女への興味が湧き、やっと大御所の大御所たる由縁がわかった。
この本を読む直前に彼女のCDを手に入れて聴いていたのだが、残念ながら自分の耳にはフィットしなかった。しかし、無理な話だが、今一度彼女の演奏をコンサートホールで聴いてみたいと思った。
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