手塚治虫とトキワ荘

著者 :
  • 集英社
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レビュー : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087816686

作品紹介・あらすじ

日本のマンガは、このアパートから生まれた。
手塚治虫、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、石ノ森章太郎、赤塚不二夫
……若き日の巨匠たちが集った聖地・トキワ荘。
日本のマンガ出版史を描き切る決定版評伝。

東京都豊島区椎名町にあった木造二階建てのアパート、トキワ荘。
1950年代、ここに住んだ手塚治虫の後を追うように、
藤子不二雄A、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎、赤塚不二夫らが居住したことで、
このアパートはマンガ史に残る「聖地」となった。
戦後、日本のマンガ雑誌が、月刊誌から週刊誌へと変貌していく過程で、
トキワ荘に集ったマンガ家たちがたどった運命、
そして、今もトキワ荘が伝説となって語り継がれるのはなぜか。
膨大な資料をもとに、手塚治虫とトキワ荘グループの業績を再構築し、
日本マンガ史を解読する「群像評伝」!

彼らはみな東京以外で生まれ育った。
マンガ家になろうと東京に出てきたとき、どうして同じアパートに住んだのか。
まるで神の見えない手に導かれたかのようだ。
しかし、広い東京で偶然ということはありえない。誰かが、彼らを一箇所に集めたのである。
「マンガの神様」と称された手塚治虫なのか。どこかの雑誌の編集部なのか。
『手塚治虫とトキワ荘』は、この「誰か」を突き止めようということから出発した。
〈「青春と読書」2019年6月号より抜粋〉

●目次
はじめに
序 章 一九四五年八月一五日
第一部 「少年倶楽部」――一九二一〜四五年
第二部 赤本マンガと少年雑誌――一九四六〜四九年
第一章 手塚治虫、プロデビュー
第二章 『新宝島』と「漫画少年」
第三章 相次ぐ新雑誌の創刊
第三部 「漫画少年」――一九五〇〜五五年
第一章 『ジャングル大帝』連載開始
第二章 単行本から月刊誌へ
第三章 手塚治虫に続く者たち
第四章 上京する青年たち
第五章 新漫画党
第六章 「漫画少年」廃刊
第四部 トキワ荘――一九五六〜五八年
第一章 マンガの梁山泊
第二章 学年誌戦争
第三章 トキワ荘の悲劇
第五部 週刊誌とテレビ――一九五九〜一九六一年
第一章 「サンデー」「マガジン」創刊
第二章 拡散
第三章 卒業
終 章 トキワ荘という伝説
あとがき

●著者プロフィール
中川右介(なかがわ ゆうすけ)
作家、編集者。1960年東京都生まれ。
早稲田大学第二文学部卒業。出版社勤務の後、アルファベータを設立し、2014年まで代表取締役編集長として雑誌「クラシックジャーナル」ほか、音楽家や文学者の評伝や写真集の編集・出版を手掛ける。一方で作家としても活躍。クラシック音楽はもとより、歌舞伎、映画、歌謡曲、マンガなどにも

感想・レビュー・書評

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  • 手塚治虫を含め、トキワ荘出身の漫画家たちを中心にしたマンガ史。もちろん石ノ森先生の話も。様々な資料を集めて丁寧に取材されていて、読みごたえのある素晴らしい本。著者の名前をどこかでみたな…と思ったら、「江戸川乱歩と横溝正史」の著者だった。納得。

  • 手塚治虫と、彼のような漫画家になる夢を抱いてトキワ荘に集った漫画家たちに関する資料を精査検証して、事実に近いだろうという部分を集め編み上げた労作。出版社に関する部分はデータ的な記述が多いがそれでも飽きずに読める。
    作品を手伝いあって急場の量産を凌いだトキワ荘周辺の漫画家たちが、将来的にアシスタントを使うようになったのは自然な流れ…ということに、この本を読んで気づいた。

  • ふむ

  • 戦争を挟んでのマンガに関わる出版業界の有様、手塚治虫の登場とそれに続くマンガ家達を、トキワ荘を中心に描く。このアパートについては伝説化されたエピソードの数々がすでに流布しているが、本書では史料を突き合わせ検証するスタイルを取り、若きマンガ家群像劇、かつ戦後マンガ史としての価値もある良書になっている。先駆者手塚が神様たり得たのは、圧倒的な作品の質量と新しさを前提として、接する人(手紙含め)に親切丁寧に応じる美点が要素にあったように感じた。トキワ荘グループのリーダー寺田ヒロオの人的魅力にも同じ事が言え、この2人の後輩を思いやり励まし手を差し伸べる行動が、彼らのもとに集まった才能を昇華させるのに不可欠だったと思う。有能な人が集れば相互作用や相乗効果を生むには違いないが、面倒見といった温かさの部分こそが、集団の成長の源泉にあったのだろう。今日のSNSやWebサイトが果たしている役割とつい比較したくなる。手塚のほか、藤子不二雄、石森章太郎、赤塚不二夫が準主役として、それぞれ足跡が辿られ、三者三様の個性と出世への階段は、「まんが道」さながら、それ自体ストーリーマンガとしての面白さがあり、正直一冊では足りないほど。成功譚として語られるトキワ荘だが、彼らが当時、将来はおろか日々の暮らしにさえ不安を感じながら過ごしていた一端の事実は、留意しておきたいところ。

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著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。「カメラジャーナル」「クラシックジャーナル」を創刊し、同誌のほか、ドイツ、アメリカ等の出版社と提携して音楽家や文学者の評伝や写真集などを編集・出版。クラシック音楽、歌舞伎、映画、漫画などの分野で執筆活動を行っている。

「2019年 『阪神タイガース1985-2003』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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