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Amazon.co.jp ・本 (376ページ) / ISBN・EAN: 9784087817324
作品紹介・あらすじ
“オレ流”でトップ・レフトを追った6年。
ユーロ市場の激闘を元バンカーの著者が白日の下に晒す、
自伝ノンフィクション
ロンドンに赴任したのは、冬から春に変わる季節だった。
風は爽やかで冷たく、故郷の北海道の北空知によく似ていて、しっくりきた。
街路樹はプラタナスが多く、煉瓦や石造りの建物が歴史を感じさせた。
わたしは国際金融業務の経験のない30歳の若者だった。
あるのは、夢と希望と野心とエネルギーだけだった。(本文より)
大学時代はランナーとして箱根駅伝に2度出場、卒業後はバンカーを経て作家に。
国際金融市場での経験をいかした圧巻のリアリティで惹きつける、経済小説の名手が、『冬の喝采』以降の人生を綴る。
初めて明かされる、作家・黒木亮の“前史”では、
仕事や旅行で訪れた世界各国の風景や食のシーンも、読みどころのひとつ。
〈目次より〉
第一章 マイワード・イズ・マイボンド
第二章 航空機ファイナンスにしびれる
第三章 アフリカの夜明け
第四章 メイク・アンバンカブルズ・バンカブル
第五章 中東のサソリ
第六章 二重マンデート
第七章 爆破テロ事件
第八章 エマージング・マーケッツ
第九章 米銀との激突
〈著者プロフィール〉
黒木亮(くろきりょう)
本名・金山雅之。
1957年北海道生まれ。
早稲田大学法学部卒、カイロ・アメリカン大学大学院修士(中東研究科)。
都市銀行、証券会社、総合商社勤務をへて、2000年、国際協調融資をめぐる攻防を描いた『トップ・レフト』で作家デビュー。主な作品に『巨大投資銀行』『カラ売り屋』『排出権商人』『鉄のあけぼの』『法服の王国』『アパレル興亡』など。
大学時代は箱根駅伝に2度出場し、20kmで道路北海道記録を塗り替えた。
ランナーとしての半生は『冬の喝采』に綴られている。1988年からロンドン在住。
感想・レビュー・書評
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国際金融マン時代を振り返った自伝。詩情がありなかなか良い。
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黒木さんのロンドン時代の日記帳だね
流石に古すぎて、ピンとこない部分もあるけど、三和銀行という都銀下位行で中東向けの投資銀行業務を開拓していくのは、なかなか大変だったと思う。 -
読み進めるのにとっても苦労した一冊。
無論、面白くないわけでは決してない。この本の発売前、黒木氏のファンの集まりに参加させていただけることになり、それに備えるため、主に初期の作品群(青い蜃気楼、赤い三日月、シルクロードの滑走路、トップレフト、トリプルA、獅子のごとく、ザ・コストカッター)を寝る間も惜しんで再読を進めた結果、これらの作品の元となった(と思われる)出来事やキャラクターが随所に登場してきて、まるで私が詠んだ作品群を一挙に同時に読んだような錯覚を覚えたのだ。
途中息継ぎしながら、金山氏が黒木氏になった背景を、じっくりと堪能させていただいた。
黒木氏のように、仕事にだけ没頭するということは、私にはできないけれども、「これ」と決めたものを覚悟をもってやり通すということは、しっかりと貫きたいと思う。 -
経済小説家、黒木亮の自叙伝。
1980〜90年代のロンドン当時30代前半で邦銀駐在員とに赴任した筆者が、数々の国際協調融資を取りまとめたシーンを描く。
借り手に懐に入り込み融資の内容とリスクを査定、自身のネットワークを駆使して貸し手を募り、融資団を形成し、クロージングまでまとめあげる。その中で生じる中東、アフリカ社会特有の数多のトラブル。
トップレフトとは融資や証券引受における主幹事。その地位を得るには率先して行動をすることが何よりも求められる。
グローバル市場、特に金融を舞台に働く人はぜひ手に取っておきたい一冊。 -
著者のロンドン駐在中の日誌。小説のネタ元と言ってもいいかもしれない。作家の観察力、言語化能力というものを強く感じられた。
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ロンドン駐在の邦銀バンカーだった黒木亮が描くシテイーでの日々。ロレンス金山(または金山商店)と呼ばれながら、中東(特にトルコ)、アフリカ(ジンバブエ他)、東欧、ロシアとロンドンを行ったり来たり。90年頃のフセインのクエート侵攻、旧ソ連崩壊等、激動の時代に翻弄されつつ新しい案件を探し(時に新興国を食い物にする米銀等と鎬を削りつつ)、本当によく働いておられます。当時発生した、IRAのシテイ爆破事件、若手行員が死亡したパンナム墜落事件(これもテロ)等、色々思い出します。最後のところの、外野から声だけの上司、その取り巻きが踊るチャンチキおけさ、との指摘には、耳が痛い。若き日の黒木さんの頑張りに、★四つです。
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金融関連の詳しい小説を何冊も出版されている黒木亮氏の国際金融マン(主たるカバー範囲は中近東・アフリカの金融機関向けシンジケート・ローンのアレンジメント業務)としての骨格を作られたロンドン駐在時の回顧録。
筆者がどの様にして経験を積み重ねて来て、作家転向後の作品に細かさ、事実を背景にした臨場感を感じさせる魅力的な内容の素地を積み重ねて来たのか、その一端が分かった。
読んで楽しい作品で、これを踏まえて過去の作品を読み直すとまた踏み込んだ楽しみ方を期待出来そう。 -
小説を探していて この本に当たった 著者の 作品は初めてである 小説と違う 事実を 積み重ねていく 文体。
こんな人生に憧れる。 -
新作早速読みました。かなりの読みがいがあるボリューム。エキサイティングな国際金融の世界をノンフィクションで、となかなか他では出会えない作品。
著者プロフィール
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