最強登山家 プルジャ -不可能を可能にした男-

  • 集英社 (2024年12月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784087817577

作品紹介・あらすじ

「俺、このまま滑落死するのか?」

こんなはずじゃなかった。強風吹きすさぶなか、断崖にしがみつくように下りながらも、数秒前までは自信たっぷりの足取りだった。
ところが足が滑った瞬間、手でつかめるものが何もなく、アイゼン(金属製のスパイク)の爪もうまく刺さらず、落ち始めた。(本書より)

エベレスト8,000メートル峰14座踏破の世界記録更新、シェルパたちの地位向上、祖国と自然への尊敬。
野望を抱き英国舟艇部隊から登山家に転身し、できることはなんでもやる。超人にして快男児、プルジャが前人未踏の世界記録を打ち立てるまでのリアルな記録。
幼少期を過ごしたネパールの村、グルカ兵としてのミッション、絶景の山など貴重なカラー写真も掲載。

〈目次〉
1 死か、栄光か
2 希望がすべて
3 臆病者になるくらいなら死んだほうがまし
4 飽くなき追求
5 デス・ゾーンへ
6 泳いで月を目指す
7 すばらしいミッション
8 いちかばちか
9 尊敬は勝ち取るもの
10 極限状況でも正常に機能する
11 大救出
12 暗闇へ
13 混乱のとき
14 サミット・フィーバー
15 山における政治
16 あきらめることを知らない
17 嵐のさなかで
18 荒々しい山
19 山の意向
20 みんなのプロジェクト
21 偉業達成
エピローグ ついに頂点へ

ニルマル・プルジャ
2019年、8,000メートル級14座を7か月で踏破すると宣言、みごと成し遂げた登山家。
1983年ネパールの貧しい家庭に生まれる。長兄、次兄を追いかけて切磋琢磨し、グルカ兵となる。
英国へ移り、英国舟艇部隊に所属。2018年、大英帝国勲章をエリザベス2世から授与される。
「願えばかなう」をスローガンに、祖国ネパールのシェルパたちの地位向上を掲げ、また環境問題への関心も高く、多方面で影響力ある発信を行う。その型破りなスタイルは世界中にインパクトを示し続けている。

感想・レビュー・書評

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  • 聞き慣れないカタカナが多く、山の位置関係も頭に入ってなかったので今どの山の話だ?と戻りながら読み進めました。とにかく制覇した山が多いです。最後のページの登った山と最初の地図一覧も助かった。

    元々の体力や生命力の素晴らしさと気合いで目標達成しているのかなと思いきや、一つ一つ論理的な考えで冷静な判断を下していた。

    お酒を飲んで二日酔いでの登山や踊りの様子、タバコの様子などは10代のヤンチャな男の子を想像したがそこから軍隊での生活で冷静な判断、論理的な思考を学び、ずいぶん人間力の高い人物に進化した気がする。

    特殊舟艇部隊の外傷医の経験もあり、医学の知識もある。アフガニスタンでの戦闘も経験。人間が極限の状態の時本性がでて、パニックになったり味方に攻撃的になったり、人間の見たくない裏の顔を見尽くしているようだった。だからこそ、どんな時も冷静に山と対峙できている様子だった。

    また、仲間を見捨てない精神も素晴らしいなと
    目標も金や名誉ではなく情熱を起点に誰でも不可能を可能にできることを知ってほしい、少しでも、小さな目標でも前向きになってほしいという気持ちも素晴らしいな。

    特殊舟艇部隊では公平ではなかったのかもしれない。どんなに仲間を助けてもいい待遇ではなかったのかもしれない。山の前では公平でいられるとの言葉からそんな過去も勝手に想像した。

    誰もが利益を得れるように、ネパールを偉大に、シェルパも尊敬されるように。
    これは差別や理不尽な経験をしていないと思えないこと。

    彼はよくわかっている。ネパール人にはスポットライトが当たらないこと。ニュースは西洋の方々が投資家なこと。とてもビッグなことも言うが彼は現実もよくわかっていてバランス力のある人間だと思う。

    登山に行く人はこの本を読んでから行くべきだと思う。

  • ヒマラヤ8000m超え 14座を 2019年10月29日 世界最速の6か月6日で登頂
    どんな場合も希望を捨てるな
    巨大な山では、ささいなことほど おろそかにするな
    ネパールの村から グルカ兵に応募し 英国特殊舟艇部隊へ 国籍は英国
     3座完登 エベレスト、ローツェ、マカルー

    「プロジェクト ポッシブル」
     退役し 資金確保
     同行登頂者募集 クラウドファウンディング インスタグラム 自宅を担保に借金
    4月 ①アンナプルナ ドローンでルート確認 批判を避けるために無酸素で登頂
    5月 ②ダウラギリ
      ③カンチェンジュンガ 登頂成功者はエベレストの1/10 休むことなく
      ④エベレスト 入山料1万ドルでも渋滞 環境汚染
      ⑤ローツェ
      ⑥マカル―
    7月 ⑦ナンガバルパット パキスタン タリバンの襲撃リスク ブレモンがスポンサー
       不平不満より 戦いの原則  決意 素早く動く
      ⑧ガッシャ―ブルムⅠ
      ⑨ガッシャ―ブルムⅡ
      ⑩K2 雪とルート、ロープ張り カメラのズームでルート確認 
      ⑪ブロードピーク 残り50mで酸素不足とGPS故障 無線で自位置を確認
       オスプレーとISILXOとの契約、英国での祭り ネパール・メラUKに出席
       背中に14座のタトゥー
       世界最高峰5座最短70日間 パキスタン5座最短23日 ライバルの妬み
    9月 ⑫チョオユー 
      ⑬マナスル 
    10月⑭ シシャパンマ(中国) 
       元ネパール首相に懇願 ミングマ シェルパの協力 中国から登山許可が下りる
       山頂で母に電話する
    2020年 両親が一緒に住む家を購入するが 入居直前で母が息を引き取る

  • 1. 信念と挑戦
    - 登山家は自己の能力を信じ、高い目標に挑む姿勢が強調されている。
    - 「プロジェクト・ポッシプル」という目標に対して、多くの疑念や批判が存在したが、挑戦を続ける意志が重要。

    2. 高所登山の危険
    - 高所での健康リスク(例:高山病、肺水腫)や、突発的な事故の危険性が述べられている。
    - 適切な順応と体調管理が成功には不可欠であると強調されている。

    3. リーダーシップとチームワーク
    - 登山は個人の挑戦ではなく、チーム全体の協力が必要である。
    - リーダーとしての責任感を持ちながら、チームの士気を高めることが求められる。

    4. 夢の実現に向けた努力
    - 登山を通じて、自己の限界を試し、成長することが強調されている。
    - 目標達成には計画的な準備と持続的な努力が必要である。

    5. 逆境を乗り越える力
    - 苦しい状況でも冷静さを保ち、前向きな思考を持つことが重要である。
    - 登山中のトラブル(例:酸素ボンベの盗難)に対しても、ポジティブに捉え、解決策を見出す姿勢が求められる。

    6. 社会的影響とメッセージ
    - 登山の成果が他者に勇気や希望を与えることが期待されている。
    - 自己の挑戦が他者の前向きな変化のきっかけになるというメッセージが込められている。

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