数寄です! 1 (愛蔵版コミックス)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 428
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (184ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087823745

感想・レビュー・書評

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  • 独身女性漫画家が家を建てる話って、例外なく面白い。あんまり世間知にたけてないのに、「家を建てる」という、個人にとっては一世一代の大事業を、中心になって進めていかにゃならんサスペンス感とか、フツーの人とはやっぱりちょっと違ったこだわりどころがあることとか、楽しめる要素が多々あるからだろうか。あと、女一匹、自分の細腕一本で稼いで、一国一城の主になるっていうのが、頑張れ~と言いたくなる気持ちを誘うということもあるかも。

    柳沢教授の生みの親は、やはりちょっと変わった人だった。よく思うのだが、漫画家に限らず女性のクリエイターって、非常に繊細なんだけど、その繊細さを世間の方に合わせようとはしない強さがある人が多い。凡人は合わせちゃうものね。

    小樽での子供時代の話が面白かった。この後、無事数寄屋造りの家は建ったんでしょうか。続きを読まなくちゃ。

    • yuu1960さん
      普請道楽というのか、家を建てるのって最高の道楽ですよね。3回建てないと気に入った家は出来ないと聞いた覚えもあります。
      宝くじで1億円当たっ...
      普請道楽というのか、家を建てるのって最高の道楽ですよね。3回建てないと気に入った家は出来ないと聞いた覚えもあります。
      宝くじで1億円当たったら藤森先生に土間のある家を建ててもらいたいと夢想します。
      2014/07/03
    • たまもひさん
      あはは、藤森先生設計の家ですか!それは素晴らしいでしょうねえ。若干(かなり)どんなものが建つかドキドキしますが。
      建築家に「思う存分好きな...
      あはは、藤森先生設計の家ですか!それは素晴らしいでしょうねえ。若干(かなり)どんなものが建つかドキドキしますが。
      建築家に「思う存分好きなようにやってくれぃ!」と言える度量とおカネが欲しいです。
      2014/07/03
  • 山下さんって小樽出身なんですね!そして、意外とワイルドな育ち。そして、お金がない!とか、数寄屋と関係ないところにひかれてしまいました。

  • 山下和美は作家買いする漫画家の一人でずっとずっとファンなのだけど、今回のエッセイマンガで私がなんで山下さんの漫画が好きなのか、その秘密がわかった気がする。というか「やっぱりこういう人だったんだ」「だから好きなんだなぁ」と再確認した。


    ご近所問題や土地購入に関する取引などなど、現実問題に対する対応力のなさとかもう他人事とは思えない。へっぴり腰で手際が悪すぎてそういう自分に落ち込んで。
    値引き交渉なんて絶対できない。


    山下さんの漫画ももちろん絵もとても好きなんだけど、とくに山下さんの描く手がすごい好きで、しなる曲線美にこだわりを感じていたんだけど、実際人の手がすごく好きって書いてあってやっぱりそうなんだ!って嬉しくなった。


    数奇屋を建てる実録エッセイなんだけど、その本筋はもちろんながらその端々に山下さんの人柄が垣間見えていろんな秘密が解き明かされて行くことにどうしても感想がよってしまう。

    もちろん、次も読まなくちゃ。

  • 結局、1巻2巻とも購入。本屋の青年コミックのコーナーで柳沢教授の近くにあったらしい。恥を忍んでレディコミックのコーナーを探していたのに。

    やっぱり、最初から読むべきだよね。小樽で過ごした子供時代や横浜の少女時代も面白かった。住まいに関する度々の失敗も胃が痛くなるように共感した。柳沢教授や不思議な少年から、著者は理知的で欠点の無い人だと思っていたが、だいぶ印象が変わったかな。

    書院造りと数寄屋造りの違いついては、藤森照信さんの茶室学を想い出した。要するに、人里離れた方丈の庵を居住する住まいに取り込んだということだな。戦国武将の心情の再現マンガは判り易い。
    建築家、蔵田氏の他、多数の関与者があって家が出来上がる。家造りって、いいなあ。なかなか体験出来ない面白いプロジェクトだよね。

  • 天才柳沢教授のイメージが強いせいか、山下先生はなんとなくしっかりもののイメージがあった。その山下先生が数寄屋を建てるまでのあれこれをまとめたコミックエッセイ。山下先生の人間臭さにすごく親近感を覚えた。1話ごとに挿入される蔵田さんのエッセイもすごく勉強になる。外国人と相対する時、自分が日本の伝統的な物を全然知らないという事に愕然とする事がある私にとっては、とても興味深かった。

    後、銀行の口車には絶対に載らないように気をつけようと思った。

  • ありがとうございます、ありがとうございます!!
    この度、ブクログの献本企画で、当選させていだたきましたっ!!
    今年1年分の運を、ここで使い果たしたのではないでしょうか……。

    山下和美さんは、好きな漫画家さん。
    天才柳沢教授の生活は大好きだし、YOUNG YOUという漫画雑誌を
    私が愛読していた頃は、「ダンディーとわたし」も読んでいました。

    その山下さんの初のエッセイコミック。
    読むのが楽しみで楽しみで。

    私も、和なものが大好き。
    だけど旦那名義の家では、自分の好みを生かすことができず、
    その趣味はもっぱら、「どうぶつの森」の部屋に生かされています。

    「家を建てる」という内容なので、すぐに土地が決まって、
    設計が始まって…と思いきや、十数年前にマンションを手放した
    いきさつや、小樽時代の話など、「家」にまつわる話がたくさん
    載っていて、すごく読み応えがありました。

    特にマンション水漏れ事件の話は沁みて……。
    我が家は水漏れではありませんが、とある団地の4階に住んでいたときに、
    ちょっとの生活音でも真下の住人に、何か棒のようなもので「ドンドンドンッ」と
    床をどつかれていた経験があるので、山下さんのように建築アレルギー
    まではいかないけど、「絶対にマンションには住みたくない。住んでも1階」
    と思うようになり、それがきっかけで一軒家を建てることになりました。

    時々ププっと笑える箇所もあったり(南向きで日に焼けたとか)、
    私は元々誰かが「家を建てる」というような話や間取りを眺めるのが
    好きなので、とても楽しく読めました。

  • 「天才柳沢教授の生活」「不思議な少年」などで有名な山下和美が
    和の家・数寄屋を建てるコミックエッセイ。

    現代で数寄屋を建てるということがどれだけ大変か、
    こだわり、趣向を具現化するということ、それに伴う細かい自問自答、事務作業の連続に眩暈がしました。
    そして、それ以上に筆者の真面目さ、繊細さにとても驚きました。

    彼女の作品を読んでいて「真面目な人だ」とは思っていましたが
    ここまでとは…
    ”住居に関するトラウマ”が描かれている部分では、こちらの胸まで痛みました。

    家についてもとても興味深い作品ですが
    筆者の人柄に触れられることが何より嬉しかったです。

  • 和の家を買おうと決めた漫画家さんのエッセイ。和風じゃないよ、和の家だよ。エッセイマンガだけど普通のマンガのようにスルスル読める。家を買うには自分がわからなくてはいけない。自分を分かるためにはコンプレックスと対峙しなければいけない。がんばれ山下先生。自分の夢は誰かの夢でもあるんだ。

  • 作者さんが数寄屋を建てる物語。
    物件探しは見ていておもしろい。この企画で数寄屋を建てたい建築家の蔵田徹也さんが絡み物語が展開していく。

  • やっぱり昔の漫画家って売れてたんだな〜。若いのに不動産買えるって、今なら難しそう。でも2度もえらい目に遭ったのは気の毒な(^_^;)でもお金の運用もかなり損してるみたいだけど、危機管理大丈夫なのかな、この人。家建てるよりどうなるかのが気になってきそうだわ。

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著者プロフィール

1980年「週刊マーガレット」からデビュー。主に少女マンガ誌を中心に活躍していたが、『天才 柳沢教授の生活』で「モーニング」に不定期連載を開始。以降、『不思議な少年』など話題作を発表し、女性、男性問わず幅広い人気を得る。現在、「モーニング」にて『ランド』を月イチ連載中。

「2018年 『杉原千畝 命のビザ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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