王妃マルゴ 1 (愛蔵版コミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087824834

感想・レビュー・書評

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  • フランス中世の激動の時代を生きた王女を描いた作品。
    デュマの原作を映画化したものも有名ですが、特に一つを原作としたわけではないようです。

    妖艶というか伝説的なモテっぷりで歴史に名を残している恋多き女性なので、萩尾さんが?と最初に知ったときには意外でした。
    でもそう‥激動する様子がはっきりしているので、案外描きやすいかも。
    美少年がまわりにたくさんいるし‥?!

    カトリックとプロテスタントが激しくせめぎあう中、国同士の関係も王家の婚姻も大きく動く時代。
    大勢の兄がいるマルゴ王女は、末娘。
    子供の頃は何も知らずに穏やかに暮らしていました。
    姉はスペインのフェリペ2世に嫁いで行きます。
    父王アンリ2世は愛人ディアーヌに夢中で、妃である母カトリーヌは立場のない思いだが、子供だけは何人も生んでいる。
    父王が急死、長兄フランソワが跡を継ぎ、メディチ家の出の母が摂政となります。

    フランソワの妻は、スコットランドの相続権を持つメアリ・スチュアート。夫の死で故国へ帰ることになります。
    ナヴァル王の息子アンリが教育を受けるためにパリにやって来て、幼いマルゴに一目ぼれ。
    これは史実じゃないような気もしますが‥後に名ばかりの夫婦になる二人。
    どことなく色っぽい幼いマルゴに不安を抱く母。
    やがて娘らしく成長したマルゴは、ギーズ家のアンリに恋心を抱きますが‥?

    いかれた兄達やアンリ・ド・ギーズらの神経症的な雰囲気は、萩尾さんらしい描きぶり。
    確かに血筋にも、立場や時代の空気にも、育ち方にも問題はありでしょう。
    王家への反乱や、敗者の処刑といった恐怖に時には晒されつつ、育つのですから。
    大勢の登場人物を手際よく描き分けてあり、歴史の勉強になる?
    どこまで描くのか楽しみです。

  • 物語の舞台は16世紀のフランス。
    主人公のマルゴ王女-フランス国王、アンリ2世の娘であるマルグリットは最初の登場ではまだ6歳。
    白馬に乗った王子様に憧れる幼い少女でした。
    ・・・と思いきや、7歳では既に自分の父親ほどの男性に色目を使い、媚を売っている。
    血のつながった兄二人もマルゴに夢中。
    また、ナヴァルの王子、アンリも彼女にひと目惚れしプロポーズする。
    幼いながら男を惹きつける、その妖しい魅力に母、カトリーヌ・ド・メディチは不安を抱いていた。
    やがて、父王の不慮の死、プロテスタントとカトリックの対決など血なまぐさい出来事が続く。
    そんな中、少女マルゴは一人の少年に恋をし、性へ目覚めていく。

    物語の舞台が中世のヨーロッパという事もあり、いつものこの人の作風からするとかなり重苦しい話なのでは?と思って読み始めましたが、意外にも軽いテンポとタッチで描かれています。
    まあ、まだ1巻ですし、主人公が少女ですし、これからかな~という気はするけど・・・。

    それにしても外国の名前って覚えにくいですが、このマンガでもアンリという名前だけでも4人も出てきます。
    ギーズ公の息子、アンリ。
    マルゴの兄、アンリ。
    ナヴァルの王子、アンリ。
    コンデ公の息子、アンリ。

    あ~!ややこしい!

    しかも、その4人の内三人がマルゴの未来に大きく関わってくるらしい。
    一人は、恋人として。
    一人は、未来の夫として。
    一人は、敵として-。

    その予言をしたのはかの有名なノストラダムス。
    アンリ・二世の死、その後を継いだフランソワ国王の死を予言したのも彼だった。
    しかし、マルゴの母、カトリーヌ・ド・メディチは自分の意にそわない予言をしたノストラダムスを殺そうと企てる。

    読み終えて、まだ面白い!という所まではいってないというのが正直な感想です。

  • さすがです萩尾先生!初めての歴史物というのが意外な気もするが、すっかりフランス・ヴァロワ朝の時代に引き込まれ、何度も読み返しております!!
    1巻は当然ながら序章も序章だが、伏線の張り方が見事だなと思った。登場人物がとにかく多くて、頭に入るまでは誰が誰やら…な状態ではあったが、それぞれのキャラが立っていて、ごちゃごちゃにならないのはやはり萩尾先生の巧さ。母后のカトリーヌ・ド・メディチが、ぞわりと怖い。幼いながら妖艶な雰囲気をまとった娘マルゴの存在に危機感を抱くのだが、その仕打ちたるや…。でも、そのマルゴ、何とも妖しい、独特の魅力を孕んでいるのだ。無邪気で心優しい面を持ちつつも、こりゃ今後末恐ろしい存在となるよ…と、読んでいてぞくぞくする。
    最近の萩尾作品と比べて淫靡な雰囲気が漂っているが、それも今後のマルゴの生き様を暗示しているのかと思える。カトリック対プロテスタントの戦いなど、不気味で重苦しい描写もあるが、マルゴと兄弟たちが仲睦まじく遊ぶシーンには和む。少年たちがイケメンなのですよ~!
    彼らが成長し、その運命はどう翻弄されていくのか…目が離せない!!我慢できず、色々歴史的背景を調べているが、知れば知るほど、萩尾先生が丹念に調べて物語を紡いでいるかがわかる。次巻が楽しみです!!

  •  萩尾望都初の歴史実録マンガ。1〜7巻まで買い、長らく積ん読していた。
     鹿島茂「『ワル姫さま』の系譜学」を読んだ勢いで1巻を開く。
     王妃マルゴって誰だろう。ベラスケスの名画「ラス・メニーナス」の真ん中にいる王女さまかな。
     違った。舞台は中世フランス。ノストラダムスの的中予言として名高いアンリ2世の横死から物語は始まる。
     ヒロインは6歳。肉に潜める修羅まだ知らず。
     ラスト、またもノストラダムスが予言する。「あなたの恋人の名はアンリ あなたの結婚する相手の名はアンリ そしてあなたの敵の名はアンリ」
     たまらず2巻に手が伸びる。

  • マルゴ妃の話は、渡辺一夫の「戦国明暗二人妃」くらいしか読んだコトないなぁ。。。

    集英社のPR
    「16世紀フランス。ステキな王子様との結婚を夢見る美しい王女・マルゴ。宗教対立が激化する中、マルゴの運命は翻弄され…!? 恋愛、結婚の秘密に分け入る萩尾望都初の歴史劇、ここに開幕!! 」

  • 歴史が苦手な私でも家系図に翻弄される事なく、分かりやすかった。既刊分の5巻まで一気読み。

  • 映画の「王妃マルゴ」が気に入っていたので、衝動買い。こちらの方がわかりやすい。

  • フランスの宗教戦争の時代は絶対に生まれたくない時代のひとつですが、この物語の主人公マルゴ(お母さんはカトリーヌ・ド・メディシス)や、彼女の未来の夫など魅力的な人物も多く、血と愛欲の濃厚な香りにくらっとする時代でもあります。アンリ四世は今でもフランスの一番人気の王様。イザベル・アジャーニ主演の『王妃マルゴ』は怖いものみたさに時々見返す映画ですがフランスが誇る素敵な俳優さんがこれでもかと出てきては無残に死んでしまいます。ああ勿体無い。

    この1巻はまるまるプロローグ(子供時代)なのでこの調子でいくと大河ものになるかも?? ページ数からは想像できないくらいお話と人物がぎゅうぎゅうにつまっています。とても丁寧に描かれた子供時代、マルゴも3人のアンリたち(アンリという名前の王子がともかく沢山でてきます)もいまのところみんな可愛いです。
    まだまだ展開は未知数ですが、萩尾望都さん初めての歴史もの(…そうなのですか?)に期待を込めて。

  • 第一巻ですでにものすごい人数の登場人物にクラクラしました。カトリーヌ・ド・メディチ、ディアンヌ・ド・ポワティエ、メアリー・スチュワートと世界史おなじみのヒロインが勢揃いです。
    あと2回は読まないと把握できないかも。肝心のマルゴはまだ子供。
    でもすでにただの少女じゃない感じが沸々とします。
    長い連載になるのかな?でもついていきます!!

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「長い連載になるのかな?」
      う~ん3巻くらいで終わらないかなぁ、、、
      イザベル・アジャーニ主演の映画は×××だった。。。
      「長い連載になるのかな?」
      う~ん3巻くらいで終わらないかなぁ、、、
      イザベル・アジャーニ主演の映画は×××だった。。。
      2013/03/08
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著者プロフィール

漫画家。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で小学館漫画賞、2006年『バルバラ異界』で日本SF大賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年朝日賞など受賞歴多数。

「2022年 『百億の昼と千億の夜 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

萩尾望都の作品

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