ユーラシアの秋

  • 集英社 (1998年2月1日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784087831146

感想・レビュー・書評

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  • これは衝撃の一冊。まるで大河小説だ。ノンフィクションとはとても思えず、あとがきを読んでようやくそうなのかと思う。中国東北部から朝鮮半島、樺太を経て、極東ロシアからシベリア、黒海沿岸に至る広大なユーラシア大陸を舞台に、ハナという日朝混血女性の生涯を追う。戦争や旧ソ連の国家体制に翻弄されながらも、民族のくびきを超えて力強く生き抜く「地球人・ハナ」。著者は本書をたった二日間、わずか数時間の取材(取材という気持ちなどはなく、ただただハナの話を夢中で聞いたのだろうが)をもとに、しかし執筆には十年をかけてようやく書き上げたという。冷静に考えて、果たしてそんなことが可能なのかとも思ってしまう。もちろんハナと別れた後も追加的な取材や情報収集も行っているのだろう。本書も米原万里『打ちのめされるようなすごい本』で知ったが、まさに「すごい本」。途中からは主要人物の関係図を作り、地図帳を広げ、何回も前に戻りながら読了。

  • 朝鮮、樺太、旧ソ連。第二次世界大戦前後の時代、国境を渡り、生き抜いた一人の女性、ハナ。混血であるが故の苦難や、同じ思いを分かち合う、ハナが出逢った全ての人々の叫びが見て取れる。


    戦後のロシアに住んでいた著者、そしてハナが語る壮絶な物語。物語と表現しましたが、この本に書かれてある事は事実。「プラハの春」「ベルリンの秋」同様、考えさせられる事の多い本でした。
    若い世代にも、もっとこういう本を読んでほしいです。

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