陽の末裔 1 (コミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087850086

感想・レビュー・書評

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  • 「女は太陽だった」とは平塚らいてうの有名な一節です。大正〜昭和という時代のなかで、それを早くから自覚して生きぬいた二人の女たちの物語。平民と貴族、全く違う生き方でありながら、いつどこにいても誰よりも強い結びつきを持つ二人にあこがれ、また太陽としての女性の生き方に共感しました。脇をかためる美形キャラクター達も、すごく魅力的です。

  • 大正時代から戦後までの2人の女性の生涯を描いた作品。
    東北の農村から紡績工場に出稼ぎにでた二人。咲久子は工場長の養女になり、卯乃は新聞記者に転身するというあたりが1巻の内容。
    咲久子の上昇志向が垣間見え始めました。

  • 3巻以降から先に読み始めるという不規則なことをしてしまったのですが、ようやくストーリーというか南部佐久子の生い立ちが理解できた。面白いです。市川ジュンさん・・・昔から知っていたけどこの手の作品はとても好き。

  • 読了:2011/4/11

    うわー、おもしれえ!早く続きが読みたい。

    対談集「あのひととここだけのおしゃべり」の三浦しをんさん×よしながふみさんの対談で触れられていたので読んでみた。よしながさんて漫画の内容を説明するのがほんとにうまい…。昔から、友達に説明するためにあらすじを語る練習?をしてきたとのことだけど。

    二人の主人公、どちらにもそれぞれの魅力があって好きだ。
    あと、境遇は悲惨なんだけど二人の性格に悲壮感がないってのも読みやすい理由かも。
    咲久子の辛辣さ加減といったら。

    「まったくガキどもときたらぴいぴいきゃあきゃあ/まだそんなにおっ母さんのおっぱいが恋しいのかい」
    「あなたみたいにおっぱいから離れて長ーいひとにはわかりません」
    ここの表情がまたいいんだなぁ。

    自分の魅力を自覚して武器にした人。言論という武器をたずさえた人。さてどうなっていくんだろう。

  • 「男がからむと女は友情がすぐこわれる」
    「嫉妬深くて足を引っ張り合う」
    女に友情は成立するかなどという、今から考えると笑止千万ものの命題すらあった昭和という時期を私も生きていた。
    私は思春期を女だけの世界で育ったから、そんな問いかけをするほうのオツムの構造がどうにかしてるとしか思えなかった。

    田舎から東京の製紙工場に出てきた幼馴染2人。
    南部咲久子は富豪の養女となり、石上卯乃は新聞記者となる。
    大正から昭和、震災、戦争、終戦と激動する中、全く違う道をいく2人。

    友情、という言葉ですら軽い、「シスターフッド」
    私はその日本語訳をずっと思いつかずにいたのだが、最近かろうじてこれか?と思う言葉を見つけてしまった。
    それは「やおい」 笑

    といっても、私ははボーイズラブは全く疎いので、ほんとは違うのかもしれないが、確かよしながふみ達が対談で定義していたところからくみ取ると、

    ・お互い思想、立場、環境が違っている
    ・かつそれを完全には理解し合えない。
    ・しかし互いの力量は認めている
    ・必要な時に助け合う。
    ・が、べたべたしない
    ・男同士、女同士、男と女、どの組み合わせでもありうる

    例として上がっていたのは、ハチクロの森田と山田、ガラスの仮面のマヤと亜弓さん、エースをねらえのお蘭とお蝶夫人。
    テレビドラマ「踊る大捜査線」の青島と柳葉。
    高山薫作品等々

    多分「友情」と一味違うとこは、「完全に違う価値感、人間で、お互い理解しえない」ということをしっかりとわかつていて、かつそれを無理に埋めようとしない所かな、と。
    違うものは違うままで受け入れる、という。

    「同志」だと思想的立場的共鳴って意味が強いし、「好敵手(ライバル)」だとあくまで競争が前提になるしね。
    「やおい」・・・結構いい言葉だと思う。
    ねじれの位置にいるんだけど、たまにつながる、というか。

    南部咲久子と石上卯乃、全く違うものを見てる。
    生活の事件として2人が絡むことはほとんどない。
    咲久子はブルジョワ日本の社交界、卯乃は共産主義者として特高に疑われるほど婦人運動に身を投じる。
    互いに仕事をし、恋をし、結婚をし、パラレルに全然違う二人の物語が進んで行くのだけれど、たまーーに、かする。
    そうして、ちょっとだけ手を貸したり、あるいはただお喋りするだけして、お互いの生活に戻って行く。
    その潔さ。
    自分の人生を自分で引き受けて行くんだという徹底的な自覚。

    紡績工場を出て数年ぶりに再開した2人が飛びあって抱きつくシーンの美しさときたら!!
    あのシーンは「風と木の詩」の中で、同性愛がばれて監視がついて会えなくなったセルジュとジルベールが、校内ですれ違った一瞬、走りながら接吻と書いてくちづけを交わし合う、あの珠玉のコマの美しさとばりばり張ります!!(私的にはこれは多々ある名キスシーンの中でもベスト3に入る)
    あ、別に咲久子たちはキスはしませんよ。

    この南部咲久子!!
    和製スカーレットオハラ!!
    も、劇的に好き!!!
    激しさ、プライド、目的のためには手段も選ばぬふてぶてしさ、たくましさ!

    作者もどー考えても「風と共に去りぬ」をベースにしてる。
    で、その南部咲久子と結婚する深草伯爵は、色男(しかも口髭)、精力っぷり、手ごわい咲久子に対する屈折した愛情・・・もろ、レッドバトラーなのだ!
    自尊心vs自尊心!!
    松平健と大地真央並みの力量カップル!

    「君はぼくに自身がないのか。負けるのが怖いのか。初めからにげているのか」
    「・・うぬぼれないで!憎みこそすれこわいことなどあるものですか。挑発しているつもり?」
    「ああそうだ。では戦ってみたまえ。やすやすと意のままになる楽な結婚はもうやめだ」
    「あなたのものを全て奪い取るわよ」
    「できるものならやってみるがいい。僕はきみを抱きすくめようとし、君は僕を剥ごうとするわけだ。おもしろい夫婦じゃないか」
    「言ったことを後悔しないで!!」
    「よし、決まりだ」

    ・・・これが焔のプロポーズシーンです笑
    卯乃が2人を見て「炎のような結婚!!」と思わず絶句する壮絶マリッジ。
    いやーー、最近とんとみなくなりましたなー、こういう互いを食ってやるぜ!!婚。

    「風と共に去りぬ」では、ほとんど妥協の産物でスカーレットオハラは結婚するが、本作ではめでたいことに咲久子も伯爵もお互い自分の本当の気持ちに気付いている。
    ただくっついたあともう少し、そこらへん、突っ込んで書いてほしかったっす!!


    そして、本当は、この作品のテーマは女の友情だけではない。
    人間の中に潜む生命力なのだと思う。
    それは「陽の末裔」というタイトルからもわかる。
    言うまでもなく、「原始女性は太陽であった」といった青鞜の平塚らいてうの言葉からとられているのだけれど、卯乃は自分が初めた「女たちの会」で「私達は太陽の娘です」と誇らかに、自然体で語りかけ、参加者達の胸を揺さぶる。
    この言葉は女だけのことをさしているのではない。
    震災で何もかもが壊れ、戦争で焼土となったその中から、人は泥まみれでも立ちあがって行く。
    それはもう、圧倒的な、太陽へと、明るい方へと進もうとする万物の力だ。

    「男も女も同じ人間でしかないのだから。生きる意味は同じなのだから。
    いつか自然に生まれた時から同じようにいられるはずだって・・」

    そう理想を語る卯乃達の中の真の強さを見る。
    そこにないものを思い描ける力。
    そこへいつか辿りつこうと進める力。
    誰の中にもある力。
    種から芽生え、やがて大地に息吹く力。


    「時代は常に未完成である」
    その最後の最後の作者の言葉と共に、光線の行きつく先は私達に手渡される。

  • こういう強さを持って生きたかった。

  • 図書館の本

    内容説明
    大正8年。東北から、東京の紡績工場で働くために出て来た少女たちの中に、没落旧家の娘・咲久子と、貧農の娘・卯乃がいた。やがて咲久子は資産家の養女として、卯乃は婦人記者として、それぞれの道を歩きはじめる。ふたりの女の怒濤の半生を綴った荘厳なる大河ドラマ!

  • 女性というものが影におしこまれる事が多かった時の話というか。きつい時代を逞しく生きてるヒロイン2人の友情が又いいんだ。

  • 結構ヘヴィーな昭和史漫画。これは全年齢の女性に読んで頂きたい。そして共感や反感を持って頂きたい。女工哀史や男尊女卑、関東大震災、共産思想もなんのその、強烈な自己と自尊心をもって生き抜く二人の女性の逞しくも切ない話。映像化するならNHK大河でお願いしたい。視聴率も気にせず、予算も人気も気にせず忠実で華麗な映像化を。ヒロインの一人は奔放に、もう一人は地を踏みしめるように。全く違う二人だけれど、固い絆で結ばれているヒロイン達の友情が素敵なのです。一条ゆかりの『女ともだち』に通じるものを感じる。作品完成度としては超一級品。

  • 昭和初期〜代の話をたくさん描かれていらっしゃいますがやっぱりこの話がだんとつに優れているように思えます。昼ドラマにしたらウケるでしょうけど、原作をよく分かった人が脚本・監督しないと台無しになりそう。

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