Dark Memory(文庫版) (集英社C文庫)

  • 集英社 (1998年9月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (336ページ) / ISBN・EAN: 9784087850529

作品紹介・あらすじ

好きだった女の子が友達に乱暴されるのを救えなかった青年…。青春時代の赤裸々な性と苦悩の日々を描いた表題作『Dark Memory』、アブノーマルなストーカーを描いた『隣の男』他、『カルメン』、『東京夜想曲』、『赤い金魚 遠い祭り』の計5作を収録。人々の心の中に潜む、暗澹とした思いを様々な角度から描いた衝撃的な作品集である。

感想・レビュー・書評

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  •  三面記事的なものを集めた作品集。5編収録されている。
     ストーカーに狙われる女性の話「隣の男」、一人の女性を好きになった警官が、自分の人生を狂わせてしまい、ついには相手の女性を殺してしまう話「カルメン」、ホテトル嬢になった昔の同級生との再会と一夜の出来事、そして彼女が殺されたことを新聞記事で知るという話「東京夜想曲」、好きだった女の子が同級生に強姦されるのを救えなかった過去をもつ主人公の苦悩の話「Dark Memory」、好きな男性との結婚を、自分の忌まわしい過去のためにとまどう女性の話「赤い金魚 遠い祭り」、以上の5つが収録されている。

     しかし....どれも救いようのない話なうえ、救いようのない人間のサンプルをいくつも見せられて、全部読み終わったあとはずーんと落ち込んだ気分になった。でも、読んだあともなんだか気になって、「なんでここまで歯車が狂ってしまったんだろう?」「何か救いはないのかな」そう思いながらまた、再読してしまった。

     人生って、ふとしたきっかけで良くもなるし、悪くもなる。ひとつ歯車が狂ったらどんどん悲惨な方向にいってしまうこともあるけれど、狂いだした歯車をもとの方向に戻せるぐらいの気力をもつ人は、なかなかそんなことにはならない。それぐらいの気力をもつ人間にならなければならない、と思った。

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