- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087861044
感想・レビュー・書評
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初読
実はあんまり番組は観たことなかったんだけど
興味深い食の薀蓄、結構面白かった。
今、殊更「日本の美しさ・素晴らしさ」を言い立てられると
またあのパターンか、ってゲンナリしそうになっちゃうんだけど
「食」だとうーん確かに!と思えるのね
鱧は韓国産の方が高価でしかも旨い、とは知らなかった。
>政治的に難しいところはあってもお互いに良いところは認め合い、尊敬し合う。
は、シンプルにその通りだな〜と
「梅雨に入ったみたい、そろそろ苺もお終いね」
は確かに美しい日常会話。
1番美味しいのはスルメイカを食べてる鮪、
冬景色の津軽海峡の鮪。
胃袋を割くと塩辛になったイカがごっそり、という話、
鮪の体内で熟成されたイカの塩辛は、果たして食べられるんだろうか??
食べられたらコピ・ルアックみたいで美味しそうだけど…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
グルメ家の印象が強い辰巳琢郎氏ではありますが、
ここで紹介されるのは特別な料理ではなく、日本人
なら誰もが知る食材ばかりを取り上げています。
それらの「食べ時」、要は旬を知っているから故に
グルメと思われるのです。
旬を知って、そのタイミングを逃さず食べる。
簡単なことのようで難しく、誰もが食べる食材を
紹介して一冊の本にするというのも簡単に思えて
結構難しいと思います。
「プロ」の仕事を知る一冊です。 -
美味しいモノ食べていますね〜。
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あとがきのあと「やっぱり食いしん坊な歳時記」 辰巳琢郎氏 食文化は生きることの哲学
2018/10/6付日本経済新聞 朝刊
映画、ドラマ、舞台などに多数出演する傍ら、「くいしん坊!万才」などテレビの食番組でも的確なリポートで高い人気を誇る。芸能界きっての食通が、日本の食に対する思いをエピソードも交えて軽やかに書いた。「読者の皆さんが日本の食文化について考えるきっかけになるものを書きたかった」と語る。
大手カード会社の会報に掲載された4年分の連載に加筆した。全国の有名店の料理が次々登場するのかと思いきや、野菜や魚などの食材が旬の季節に合わせ、歳時記風に紹介される。「今はいつでも食材が買える便利な世の中だが、食に対する季節感は間違いなく薄れている。食べ物は最も合った場所で最も合った季節に食べるのが最高」
取り上げた食材は枝豆、ジャガイモ、サバなど一般的なものが大半で、好きな食べ方もゆでる、焼くなどいたってシンプル。「気づいたら素材の味を生かした食べ方が多くなった。たまに高級店で食べるのもいいけれど、それよりも素材が第一だという思いがある」と強調する。
食材を紹介するだけではなく、近年世界的に問題になっている魚の乱獲や環境問題にも目を配る。各所に具体的なデータを示しているのが印象的だ。「あまり生々しくならない程度に、食にまつわる諸問題を提起したかった。食文化は哲学。食について考えることは、生きることを考えることにつながる」
30年以上食にかかわる仕事をしてきたことは、俳優の仕事にもプラスになっている。「家族をテーマにしたドラマや舞台では食事に関わるシーンも多いが、そうした場面の細かな所作や振る舞いに、食に対する意識の違いが出る」
テレビ番組の印象からいまだに「食いしん坊」と声をかけられることは多いが、「今は年を取り、若いころのように食事で量を優先することはない」と笑う。「本当の食いしん坊とは、『食の質』を追い求める人のことでしょうね」(集英社・1400円)
(たつみ・たくろう)1958年生まれ。京都大文卒。大学在学中から劇団を主宰し、卒業後にNHKドラマ「ロマンス」で全国デビュー。著書に『道草のすすめ』など。