介護のうしろから「がん」が来た!

著者 :
  • 集英社
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (248ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087880236

感想・レビュー・書評

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  • "今はそれどころじゃない、たいしたことはない、と体からの警告や訴えを無視して仕事に励み、子育てや介護に勤しむ。それが深刻な結果をもたらすこともある。
    体の声を無視してはいけない。
    おかしい、と思ったら立ち止まる、危ない、と判断したら医療機関を訪れる。その一瞬をないがしろにせず、自分ファーストに切り替えることの大切さを、病気になって初めて知る。"(p.14)


    "人は永遠には生きられないが、ハード面の進歩によって、死の間際までそこそこの快適さを享受できる可能性は、この二十年の間に飛躍的に高まったはずだ。事が起きた場合に、だれかのせいにして自身の心理的負担を減らそうなどという気さえ起こさなければ。"(p.65)

  • 誰にでも起こりうる「介護」。
    そして、誰もがなりうる「がん」。
    ということは、当然のことながら、両方が同時に発生することもあり得ます。
    そして、まさに両方が同時に発生した著者によるエッセイ。

    すべてのがんに当てはまるわけではないと思いますが、がんは治る病気になりつつあることを実感しました。
    個人的には、がんになったら、そのまま受け入れよう、と思っていたのですが、この本を読んで、ちょっと考え直してみようと思いました。

  •  同じ病でも、出来る場所、切除範囲、治療に再建まで、人によってそれぞれ違うものなのだなぁ、と読みながら改めて思った。
    悲壮感もなく、あっけらかんと飄々と語られる状況に、何だか勇気づけられたり、救われるような気持ちになる。
    再建関連の話は、とても参考になった。
    また、介護の話もそう遠くない未来で関わってくる話かもしれず、大変さがよく伝わってきた。

著者プロフィール

篠田節子 (しのだ・せつこ)
1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞しデビュー。97年『ゴサインタン‐神の座‐』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、2009年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞を受賞。ほかの著書に『夏の災厄』『弥勒』『田舎のポルシェ』『失われた岬』、エッセイ『介護のうしろから「がん」が来た!』など多数。20年紫綬褒章受章。

「2022年 『セカンドチャンス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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