独裁者ヒトラーの時代を生きる 演説に魅入られた人びとと「つまずき石」

  • 集英社 (2020年4月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (288ページ) / ISBN・EAN: 9784087880359

作品紹介・あらすじ

この世に強権的な指導者が現れるたび、常に引き合いに出される「稀代の独裁者・ヒトラー」。大衆を熱狂させたのは、その類まれな「演説力」。飛行機でドイツ全土を飛び回り、ラジオ放送を牛耳って全国の家庭を演説会場に変え、国民の心を掴み、破滅的な戦争へと突き進んでいった。そんなヒトラーの時代を体験した人びとの多くが鬼籍に入り、生の証言を聴ける機会も残り少ない。ヒトラーの演説を聞き熱烈に支持した人、ナチスに肉親を奪われた人、反発を覚えながらも抗えなかった人……。本書では、当時、様々な立ち位置にいた人びとをドイツ各地に訪ねて得た貴重な証言に加え、そうした街に埋められていた金色のブロック、ヒトラーにより命を落としたユダヤ人の名前が刻まれた「つまずき石」に注目。75年の時を超え、ヒトラーの時代を「追体験」していく。
NHK BS1スペシャルで話題を呼んだ番組『独裁者ヒトラー 演説の魔力』をベースとした待望の書籍化。

第1章 言葉の魔力
ヒトラーを一目見てみたい
ミュンヘン一揆
なぜ私はナチスになったのか
単に一五人目の首相

第2章 無謬の指導者1
「つまずき石」のない街
ドイツ中の家庭を演説会場に
ヒトラーに心酔する人びと
ヒトラー・ユーゲントとドイツ女子同盟
ナチズムが生んだ“エリート"たち

第3章 「平和」の名のもとに
だって彼はユダヤ人だから
それぞれの「水晶の夜」
パパが連行されなければいいけど
「大ドイツ」の一部になる
我らが総統ならやってくれる

特別コラム 誘導する言葉を聞き分けよ
高田博行(言語学者・学習院大学教授)

第4章 言葉の呪縛
ドイツ人は支配民族である
口を手で隠して生きる
総力戦演説
「おのれの責任を自覚せよ」白バラ抵抗運動
総統が命じ、我々は従う
私は生きている。ただ、私は生きている

最終章 呪縛、それから
「良いナチス」と「悪いナチス」
ヒトラーからの「解放」
「負の歴史」とともに生きる

感想・レビュー・書評

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  • ドイツ第三帝国時代を生き、当時を色濃く記憶している方々への取材記録です。
    激動の時代を青春として生きた彼らが発する言葉には、全く薄れることがない重みがあります。
    全体主義がドイツを強くしたことは確かですが、引き返せない場所まで国民を扇動した政府の罪は大きいものです。
    民主主義は民主主義を殺すことができてしまう諸刃の剣です。
    ドイツはその負の遺産を刮目して後世へ役立てていますが、日本はどうでしょうか。
    他国からの不当な指摘は否定して良いと思いますが、自国で負の遺産を正しく検証し認識を広める努力を日本は行っているでしょうか。
    遠い昔ではないあの戦争、まだ研究の余地がありそうです。

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著者プロフィール

1979年、東京都生まれ。NHKエンタープライズ・ディレクター。災害や戦争をテーマとしたドキュメンタリー番組を制作。主な番組に、BSドキュメンタリー「チェルノブイリ 20年目の歌声」(2006)、NHKスペシャル「インドの衝撃 膨張する軍事パワー」(2009)、NHKスペシャル「巨大津波 その時ひとはどう動いたか」(2011)、証言記録 兵士たちの戦争「特攻の目的は戦果にあらず 第二〇一海軍航空隊」(2011)、証言記録 東日本大震災「第1回・陸前高田 消防団が見た巨大津波」(2012)、「第3回・南相馬 原発危機 翻弄された住民」(2012)、「巨大戦艦大和 乗組員たちが見つめた生と死」(2012)など。

「2015年 『零戦 搭乗員たちが見つめた太平洋戦争』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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