- Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784087880786
作品紹介・あらすじ
実兄の突然死をめぐる『兄の終い』、認知症の義母を描く『全員悪人』、壊れてしまった実家の家族について触れた『家族』。大反響のエッセイを連発する、人気翻訳家の村井理子さん。認知症が進行する義母の介護、双子の息子たちの高校受験、積み重なりゆく仕事、長引くコロナ禍……ハプニング続きの日々のなかで、愛犬のラブラドール、ハリーを横に開くのは。読書家としても知られる著者の読書案内を兼ねた濃厚エピソード満載のエッセイ集。
「本は私が必要とするその時まで、じっと動かず、静かにそこで待っていてくれる。人間は信用できない。信用できるのは、本、それから犬だけだ」(本書「はじめに」より一部抜粋)
以下、目次一部。
突然死した兄の汚部屋の饒舌さ/本とともにやってきたはじめての本気の恋/お弁当時間、女子中学生の憂鬱/金色の目をした黒猫の残像/母の葬儀は、本人希望のレディースセット/十回目の三月十一日に愛犬の横で流す涙/焼酎4リットルパックが伝える兄の最期のメッセージ/実家から去っていった大切なペットたち/中学三年受験生の悩める母の夏/夫の両親に贈った大型テレビの行く末/仕事のやる気スイッチを押した最恐物件/四十代とは違う五十代の本当の恐ろしさ/流れの速い川を進む兄と、母の叫び声/認知症進行中の義母の舌に残る菓子の味/実兄よりも兄として慕った音信不通のままの男性/義両親と過ごす修行を経て戻った大好きな正月……他、全40章。
感想・レビュー・書評
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ブクログで話題の村井理子さんをやっと読んでみた。『静かなる変革者たち』『大丈夫マン』『父のなくしもの』など読みたくなった。書評の前の枕となる話も面白い。ほぼ同世代で頷ける話も多い。家族についてのエッセイも読んでみたい。
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村井理子さんの本は、とても読みやすくてしかも心に残るという印象がある。
「兄の終い」や「家族」など濃い内容でガツンときた記憶があるのだ。
今作品は、帯にも「私と本は常に近い場所にいた」とあるように自分のエピソードを絡めてこの本がお勧めだ、また繰り返し読むのはこの本だ、これはこういう気分の時には最高の本だと次々と尽きることなく紹介している。
すでに読んだ本もあって、また思い出したりするのだが…。
これは読みたいというのもどんどん増えてきて困ってしまう。
買うか、図書館で探すか、たくさんありすぎて付箋だらけになってしまった。
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私が読む著者の作品の3冊目。
著者は私より年下だが、またも共感と尊敬だ。
そして私は多分彼女(著者)のことを好きなんだと思う。
本書は「本を紹介する」類のエッセイではあるが、紹介されている書籍に関しては1冊しか興味を持てなかった。
その1冊は図書館に蔵書があるので今度借りてみよう。
そんなことよりも村井さんの書いていることに激しく首肯してしまう。
義両親(姑と舅)が元気だった頃に嫁の立場で経験したことに対して『私も山ほど経験したけれど、心に負った傷はなかなか癒えるものではなく、癒えるというよりは怨念化するとさえ思う。』(225ページ)だとか、
お子さん達が全然本を読まないことに関して『育児書などで「親が本を読む姿を見せることで、子どもも本を読むようになります」と書かれていたりすると、それはどうでしょうかという気分になる。』(226ページ)だとか。
後者なんて、そういう説に対して「嘘ばっかり!」と、ひとりで憤っていたクチなので。 -
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怒涛の出来事、なのに楽しげ——東えりかさんが読む『本を読んだら散歩に行こう』 | 特集 | よみタイ
https://yomitai.jp/...怒涛の出来事、なのに楽しげ——東えりかさんが読む『本を読んだら散歩に行こう』 | 特集 | よみタイ
https://yomitai.jp/special/honsanpo-azuma/2022/07/17
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またしても、新しいエッセイスト発見。村井理子さん。昔の少女時代を振り替えながら、そして今の親の介護と何気ない日々の生活を語りながら最後に一冊の「本」を紹介。
その本が決してメジャーではなくどちらかと言えばマイナーっぽい本ばかり。エッセイ好きの私でも読んだことのある本は一冊だけ。興味ある本ばかりが続いて、思わずメモ致しました。
・おべんとうの時間がきらいだった・阿部直美
・なんとめでたいご臨終・小笠原文雄
・三行で撃つ・近藤康太郎
・大丈夫マン・藤岡拓太郎作品集・藤岡拓太郎」
・日本の住まいで楽しむ北欧インテリアのベーシック・森百合子」
・イン・マイ・ライフ・吉本由美
・アントロポセンの犬泥棒・川勝徳重
・母・青木さやか
・家族の味・平野レミ
まあ、本を読んだら散歩に行こう・・・でおます。 -
時折、エッセイの内容と紹介されている本のギャップがあり、そこが「読書」を好む人の絶妙なバランスだなと感じた。恐らく、こんな時に聞きたい一曲と同じで、その人なりのバランスの取り方があるのだろう。
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自身の来し方のアレコレとそれに結びつく本の紹介を含めたエッセイ。初めての作家さん。軽く読めたが、年齢的に高めな内容。
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人生のピークは遅いほうがいい
ヨシタケシンスケさんの言葉を村井さんが引用したものだ。
そうだよね?やっぱりそうだと思ったんだーと心の中で拍手をする。
村井さんファンになって浅い私も2冊目を読み、益々読んでいて心強さを感じるほどのファンとなっている。
何か一つ、これというものを心に持っているのっていいですよ!
自分を見失わない私の暗示はきっと“英語”だと思う。
好きがこんなに長く続いているのはもはや呪文だ。
そんな村井さんが安心と心地よさを感じ、コーヒー片手にゆったりとソファに座って隅々まで楽しみたい柘植文さんの本(をはじめ、積読増加!)。
楽しく年齢を重ねる人は、1人で動くのが上手だと言う。それなら任せて!と言う気持ちだ。
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著者が翻訳者でもあることを初めて知った。
年代も近くそうそうと頷けることも多く、なにより本の選定が魅力的。
挿画の犬もほのぼのさせてくれる。
私には見つけられない本たちを紹介してくれて、ジャンルが広がった貴重なエッセイでした。
「兄の終い」、を是非読んでみます。