本当に欲しかったものは、もう Twitter文学アンソロジー

  • 集英社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784087880892

作品紹介・あらすじ

五分後に、虚しい人生。
空虚なスキマ時間に読み切れる、22の傑作ショートショート。

「『夏休み、パパが東京にミュウの配布会連れてってくれるって!』『いいな! てかポケモン青、いつ届くんだろ』。チャイムの音と共に騒がしくなる教室で、目を輝かせる友人達。小学校の話題の中心はいつもポケモンだった。僕は一人、いつも下を向いていた。ウチにはゲームボーイも、スーファミもなかった。」(窓際三等兵「本当に欲しかったものは、もう」より)

「PRだらけになったこのアカウントに生き残ってくれた88967人のフォロワー様へ。私が某恋愛番組に出演して最後の一人に選ばれてからもう五年が経ちました。今まで自撮りやポエムにいいねをつけてくれてありがとう。このアカウントは明日削除します。最後にずっと言えなかった私の正直な思いを綴ります。」(木爾チレン「88967人のフォロワー様へ」より)

「昔むかし、港区にアリとキリギリスが暮らしておりました。アリは桜蔭から東大落ち、キリギリスは広島あたりの女子高から指定校推薦で、それぞれ慶應の法学部政治学科に同期入学しました。アリは律法会でチー牛たちと真面目に学び、キリギリスはチャラサーとして有名なテニサーで楽しく遊んで暮らしていました。」(麻布競馬場「Twitter童話 アリとキリギリス」より)

【著者】(五十音順)
麻布競馬場 @63cities
霞が関バイオレット @NEOKASUMI_No1
かとうゆうか @plasticat_y
木爾チレン @1000ve
新庄耕 @shinjo_kou
外山薫 @kaoruroman
豊洲銀行 網走支店 @toyosubk88
pho @ohp_pho
窓際三等兵 @nekogal21
山下素童 @sirotodotei

感想・レビュー・書評

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  • 虚しさを煮詰めたような本だった。
    表題のお話なんて味わったことがある人多いんじゃないかな。
    気がついた時にはもう遅くて感情を共有出来る相手がいない虚しさは辛い…。
    挑戦や趣味に年齢は関係ないけど、タイミングによっては得られる感情は人それぞれだなと思った。

  • 麻布競馬場さんのお話は面白かった。サクッと読みやすい。

  • いわゆるツイッター文学。文学として昇華される呪詛めいたルサンチマンの吐露。
    1ツイート140字という制約があるがゆえに、簡潔で分かりやすくショートショートとしての完成度が高い。
    「5分後に、虚しい人生。」って帯に書いてあるの見たときは言い得て妙すぎて爆笑してしまった。現実に疲弊した大人向けの5分後シリーズ。
    書き手のなかでは、かとうゆうかさんと、窓際三等兵さんが好みでした。

  • 5分後に◯◯シリーズの大人版?

    短いページで、あぁ、人生ってままならんなー、という虚無感を味わえる。

    アンソロジーとして、注目作家?がたくさん名を連ねてはいるのだけど。
    5分で読める、という制約からか、テンプレート的な人生転落が多い印象。
    なぜか、慶應大学というキーワードが散見される。

    表題作、窓際三頭兵の「本当に欲しかったものは、もう」が一番印象に残った。
    ポケモン赤緑世代には、ちょっと感慨深い、通信ケーブルによるポケモン交換。
    バイオレット面白いみたいだけど、あの頃の、手間かかる感は、確かに「もう」ないんだろうな。

  • チレンちゃん目当てで手に取ったけどかとうゆうかさんが女性ならではな感じで好きだった。

  • トレンドやタイムラインの単語を、いかに高尚な表現でバカにしながらのTweetをツリーとしながら文章をつむいでいくかがTwitter文学なんだと思う。

    あらかじめ作っておいた文章を少し時間を空けながらTweetする作業だとしても、その場ですぐにイイねがついたり、好意的なリプライがあれば、モチベーションもあがるはず。

    Twitterから切り離された文章は、140文字に収めた節の連なりに過ぎず、アンソロジーとして本に収録できたものは、トレンドを追い求めて心のすき間を埋めようとしたがうまくいきませんでしたという物悲しいたエンディングのものがほとんどで残念。それはTwitterで散々読んだ。新たな切り口、別の側面も見せてほしかった。

    タワマン文学という新しいジャンルの先駆けなのか、一過性の徒花なのか、『息が詰まるようなこの場所で』を出版した窓際三等兵の父親の息子(笑)の外山薫が、次の作品のテーマにしたのは小学受験家庭。やはりハッピーエンドにはなりそうにない。

  • パッパと読み進めてしまった、また読む

  • タワマン文学の作家が複数集まり書籍化された短編集。

    人により巧拙に差があり、作品としての完成度に不満のある方や、もともとツイッターで公開されており、わざわざ買う必要がなかったという声も聞かれるが、個人的にこうした現代、その中でも特に東京のエリート層をエグる文学は、えもいわれぬ感情になるため好きである。

  • Twitter文学の色々な作者の小説が読めて面白かった!
    外山薫さんの好きだけど、次はこの人の本読もう〜ってなった!
    今話題の地面師の人もこのジャンルに入るんだ!

  • もう二度と手に入らないっていう話。

    表題作の内容よりも題が切なくて良い。

    作品としては外山薫名義の『成人式』が良かった。

    全体としてとても面白いし新しいとは思うけど、twitter文学として発表している媒体のせいなのか、ちょっと意地悪な視点の似た感じの作品が多いかな、と。

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