荒野は群青に染まりて ―相剋編―

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  • 集英社 (2023年3月24日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784087901160

作品紹介・あらすじ

昭和三十四年。九年前に大学へ進学したはずの群青は、消息不明になっていた。
ありあけ石鹸は倒産の危機から身売りし、社長だった赤城はただの社員に。
親会社となった大手油脂会社からやってきた経営陣と、旧ありあけ石鹸時代からの社員たちの分断と反目に赤城が苦悩するなか、群青が姿を現した。
だがそれは、赤城を目の敵とする出向組のトップ黒田専務が連れてきた「技術顧問」としてで……。
戦後の混沌は終わり、高度経済成長期に突入した時代を駆け抜けた男たちの絆と希望の物語!

感想・レビュー・書評

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  • 待望の続巻! おかえり群青‼︎
    少し時代が進んで大人になって、みんな変わってジリジリしてくるんだけれど、やっぱりみんなが揃うと気持ち良いね〜。

  • 戦後の日本が舞台。韓国から引き上げてきた主人公は日本語を喋れても居場所がない。たまたま一緒に引き揚げ船に乗った大人と一緒に暮らし、商売を始める。1巻は零細企業レベルでしたが、2巻は大企業に買収されたところから始まる。
    正直、会社周りのいざこざとかは他の秀逸な立身出世や派閥争いの小説がごろごろあるので、会社の話を目当てに読むと微妙かもです。
    ただ、兄貴分と弟分の兄弟の重み(平易な言葉でしかいい表せなくて悔しい)に熱くなりました。

  • 「翼は帰ってきた」
    噂は聞くが姿は見えない。
    手紙でのやり取りでは表情が見えないからこそ、どんな感情で文章を書いているのか想像だけでは届かなかったのかもな。

    「虹と雷鳴」
    赤の勢力を削っていって。
    大切な思い出の品を残してもらうのは第一条件として重要だろうが、その他にも何が起きるのか考えて話すべきだったな。

    「オオカミの息子」
    強い味方が帰ってこない。
    空白の時間に何があったのか詳しくは分からないが、昔とは変わってしまうほど大きな出来事を独りで乗り越えたのだろう。

    「夜は明けたか」
    親友は心の中とは違って。
    本気で護りたいと想えるものであるのならば、過去の失敗を含めて何もかも独りで抱えていくのではなく共有すべきだろう。

    「命がけの洗濯」
    社内の膿を洗浄するため。
    間違えが起きてしまった時に誠実に対応するのか、それとも見て見ぬふりをして誤魔化すのかで結果は大きく変わるだろう。

    「ありあけを燃やせ」
    化学式と義兄の取り引き。
    どこまでも自分のことしか考えていないからこそ、記憶の中から手繰り寄せたものを本物と信じて満足出来たのだろうな。

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著者プロフィール

千葉県生まれ、東京都在住。中央大学文学部史学科卒業。「風駆ける日」で1989年下期コバルト・ノベル大賞読者大賞を受賞後、90年『炎の蜃気楼』でデビュー。同シリーズは累計680万部を超える大ヒットとなる。他の著書に、今作を含む「西原無量」シリーズ、『カサンドラ』、「赤の神紋」シリーズ、「シュバルツ・ヘルツ」シリーズなど多数。

「2023年 『遺跡発掘師は笑わない 災払鬼の爪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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