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本 ・本 (384ページ) / ISBN・EAN: 9784087901733
作品紹介・あらすじ
プロ野球の世界にまだグレーゾーンが残っていた時代。
その隙間を縫うように、次々と大きな仕事をやってのけた根本陸夫。
意表を突くドラフト戦略と、“ドラフト外”を駆使したスカウティング。
ターゲットを定めたら大出血もいとわない超大型トレード。
弱小チームを常勝軍団に変えていく見事な手腕は
「根本マジック」「剛腕」「球界の寝業師」などと呼ばれた。
日本全国に張り巡らされた人脈を駆使して
球界での出来事はすべて知っていたという情報網。
戦後の闇市でヤクザ者にも一目置かれ、財界の大物オーナーたちとも対等に渡り合う胆力。
もはや伝説となったGM(ゼネラルマネージャー)としての根本陸夫の業績とエピソードの数々は、どこまで真実なのか?
栗山英樹、松沼博久、渡辺久信、鹿取義隆、愛甲猛……。
さらに最側近だった浦田直治、黒田正宏らの新証言をもとに浮かび上がるオモテとウラ、成功と失敗、栄光と挫折。
もう二度と現れないだろう“球界のフィクサー”が異様な輝きを放ち
球場の外が過熱した時代を描くアンダーグラウンド野球ノンフィクション。
【著者プロフィール】
髙橋安幸 (たかはし やすゆき)
1965年生まれ。新潟県出身。ベースボールライター。日本大学芸術学部を卒業後、出版社勤務を経てフリーランスとなり、雑誌「野球小僧」(現「野球太郎」)の創刊に参加。主に昭和から平成にかけてのプロ野球をテーマとして精力的に取材・執筆する。
著書に『根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男』(集英社文庫)、『「名コーチ」は教えない プロ野球新時代の指導論』(集英社新書)、『伝説のプロ野球選手に会いに行く』シリーズ(廣済堂文庫ほか)など。
感想・レビュー・書評
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著者の「根本陸夫伝 プロ野球のすべてを知っていた男」はかつて読んだが、本書はその続編。
エピローグの広岡達朗氏の短いインタビューが印象的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
なかなかに面白い本だった。
一文、スカウティングの肝みたいな話の中で、根本さんがいかに早く動くのか。いかに多くの人に会っておくのかが肝要というようなことを書いてあるところがあって、勿論自分は根本さんの足元にも及ばないが、それでもなんとかやれていたことが出来ていないのが、ここ数年の自分の課題になってしまってる営業の不調の原因だよなやっぱりと今更ながら気付かされたように思った。
根本さんには関係ないが、栗山さんがあのWBCの監督をやったときに、いかにしてあのメンバーを集めたのかについて書かれた本があればそれをぜひ読みたいと思った。もしかしたら栗山ノート2かな…
そのときに根本さんは集めたメンバー見てもう勝てるだろうと思っていたらしい。いかに準備を周到にしておくかということが肝心なんだと… -
プロ野球界屈指のフィクサー、策士、寝業師など多くの異名を持つ根本陸夫。その球界での足跡を11人の野球人へのインタビューから浮かび上がらせる。最初と最後が愛甲猛、栗山英樹というところから意外な人選。根本がプロ野球界に及ぼした影響力は実に大きい。
エピローグに触れているが、広岡達朗への取材が叶わなかったのが何より惜しい。 -
プロ野球の歴史の内側をのぞかせてくれる。とても面白かった。
本書が扱う根本陸夫という人物も興味深いのだが、それ以上に、チームを強くするとはどういうことかがよく分かる。長期的に根本的に取り組まないとできない。チームづくり、組織づくりの奥深さに触れた気がする。
プロ野球リテラシーが格段に高まる。監督バッシングなんかをする前に、本書でチーム戦略の大局観をつかんでおきたい。 -
より立体的になった。
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球界の寝業師の異名をとった故根本氏。
本書は根本氏の小史のような1章と11人の方のインタビューからなる。
証言者は誰でも知っている著名なプレーヤーから、裏方で活躍されて自分自身では初見の方まで様々だが、話は驚くほどよく似ている。
・見た目、雰囲気が堅気ではない、むしろ怖い
・監督、指導者としてはセンスない
・どこの球団に行っても土台を作った
・圧倒的な人脈、情報網
・ずっと自分を見てくれている、と思わせる信頼感
こんな方はもう二度と出ないのだろうし、根本氏が活躍したような時代が二度と来ることもないだろう。
それでも、四六時中仕事のことを考え、全力で向き合うことの大切さ、その情熱は時代を超えるんだな。
このままだと忘れてしまいそうな時代の素晴らしい記録だ。
高橋安幸の作品





