赤白つるばみ (下) (愛蔵版)

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  • 集英社 (2015年5月25日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (168ページ) / ISBN・EAN: 9784087920062

作品紹介・あらすじ

行き交う言葉、たゆたう思い、めくるめく色彩──
言葉の色が見えるという老(少)女・キノ。空気の読めない美少女・鳩子。色弱の画学生・音羽。大蛇丸・由良ノ介兄弟、ヒルコと双子らをめぐる優しく穏やかな日常は、ある日──。はみだす者たちへのエール。──

感想・レビュー・書評

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  • 2/2+α

    楠本まきは「Kの葬列」「耽美生活百科」しか読んだことがなく、しかも人の本棚から借りて読んだので未登録、といい読者ではなかった。
    というのには言い訳があって、「Kの葬列」があまりにも極北すぎるので他の作品で印象を更新したくないという思いがあった。
    重い腰を今回上げたのは、podcast「落丁ラジオ」で取り上げられていたのに興味を持って。
    その番組ではゴルディロックスの友達観に共感すると言われていたが、わかるしかない。
    個人的にはヒルコが結構ふつーの親をしていてびっくりしたし好きになった。
    ロックばーさんはいかにも楠本まきで、よい。
    男性陣については正直印象が薄い……。

    以下、マンガペディアよりコピペ。
    ゴルディロックスちゃんについては、書かれていなかったのが残念だけど。

    概要・あらすじ

    大蛇丸は働きもせず、弟の由良ノ介と暮らし、隣家に住む幼なじみヒルコとその子供たち、端午、桃、コタローと平穏な日々を過ごしていた。ある日バスで、言葉に色のついて見える不思議な老婆キノと出会う。

    登場人物・キャラクター

    ヒルコ
    翻訳家として働く女性。桃、端午、コタローの三人の母であり、シングルマザー。痩身で美人の33歳。帰国子女で型にとらわれることのないハッキリした性格ゆえに、学生時代は浮いた存在だった。高校を辞めて海外に行ったが、10年以上経ってから、桃と端午を連れ、コタローを身ごもった状態で帰ってきた。

    大蛇丸 (おろちまる)
    ひねくれた性格の美青年。29歳。大学卒業後は銀行で忙しく働いていたが、今は辞めてフラフラしている。ニートだと言われているが、一応ジィさんの資産で株をしている。ジィさんに似ており、彼に大変懐いている。いつも家にいるため桃や端午、コタローの面倒をよく押し付けられている。ヒルコのことが好き。

    由良ノ介 (ゆらのすけ)
    大人しく穏やかな性格で、何かと周囲の面倒を見ることになるしっかりものの美大生の青年。20歳。大蛇丸の弟。貧乏でいつもバイトに勤しんでいる。ヒルコのことが好き。

    キノ
    バスの中で大蛇丸に話しかけてきた、少女のような格好をしている老婆。いつも少女のような格好をしているわけではないが、服装にはこだわりがあるようで目に付く格好をしている。人の言葉に色がついて見える。自称彫刻家、画家、版画家、チェンバロ奏者、映像作家、詩人、女優、そして母親。

    桃 (もも)
    ヒルコの娘。端午とは双子。いつも端午と二人で創作遊びに熱中している。女の子らしい服装と長い髪をしていたが、端午が髪を切るのに合わせて自分も髪を切った。

    端午 (たんご)
    ヒルコの息子。桃とは双子。いつも桃と二人で創作遊びに熱中している。小学校にあがるまでは服装も髪型も桃と全く同じで、女の子にしか見えなかった。それゆえ小学校入学の際に同級生にしつこくからまれて髪を切る。

    コタロー
    ヒルコの息子。桃と端午の弟。由良ノ介は自分がコタローの父親だと思い込んでいたが、ヒルコは桃と端午と同じく、前の彼氏がコタローの父親だと思っている。

    二千花 (にちか)
    ヒルコの友達の女性。学生時代は太っており、愛想を振りまくしか能がなかったが、20年で20キロ痩せた。努力家でヒルコと同じ翻訳家だが、同時通訳などもこなせる高スキルの持ち主。学生時代はヒルコのことが嫌いで、靴を隠す嫌がらせをしていた。

    オトハ
    由良ノ介と大学で知り合った青年。色弱の美大生。由良ノ介と取り壊し寸前のアパート一棟をルームシェアをすることになる。実はキノの孫。

    ジィさん
    大蛇丸と由良ノ介の祖父。二人の名付け親でもあり、若い頃は由良ノ介にそっくりだった。かぶき者と言われるような変わり者。資産があるようで成人後は毎年大蛇丸と由良ノ介にそれぞれ100万円送り、自身は由良ノ介と株をやっている。

  • 下巻に入って上巻よりぐっと面白くなった感じ。キャラが増えてきたから?

    老人たちがカッコイイのがいいなあ。キノさんもじいちゃんもかっこよかった。そしてメインの3人より、脇のニチカさんや椿ちゃんのほうが好きだった。あと子供たち。

    双子の番外編は端午のイケメン成長っぷりにびっくり(笑)この双子の続編があったら読みたいな。

  • 再読(今回、『裏』はスキップしたので、下巻に感想を登録)

    発売当時のときと同じ印象で、やっぱり線に大分安らぎが出てきてるように感じる。
    個人的には神経質なまでの張り詰めた昔の楠本さんの線が大好きだったが、今、大分力が抜けて作者さん本人、幸せそうだなあ(多分)と感じたので、これはこれで良かったなと。

    内容は『kissxxxx』を少し継承した感のある”何もない日常”。
    その中でも、作者の伝えたいこと、社会的メッセージは潜ませているので、まんま平和な『kissxxx』の世界(作風)とはやっぱりちょっと違う。
    ここで既に『裏』の楠本まきさんの方向性が垣間見えていたんだなあと振り返って思う。

  • 上下巻一気に読みました。

    なんでもない日常の風景のひとつひとつが胸に刺さって。

    悩みながらも自分に嘘をつかずに生きる彼ら、彼女らがとても愛おしかった。

    他人と違ったっていいんだと思える作品です。

  • 優しくて少し刺さる。
    Kの葬列や、乾からびた胎児の頃の絵柄よりシンプルになっているのが、よりこの作品に似合っている。

  • 大切に読もうと思っていたら随分経ってしまった。ので上巻からもう一度噛み締めながら読みました。

    まき先生の世界は大好きなのだけど、憧れすぎてふと我に返った時の自分との落差に凹むことも無きにしもあらずなのだけど、そこににちかちゃんがいることでどれだけ代弁者となってくれることか…。
    ちょうど『ゼロワン(若木未生・著)』の感想を書いたばかりだから、そことちょっとリンクさせると、グラハーの苦悩はヒルコの苦悩を見る感覚で、ゼロワンの苦悩はにちかちゃんの苦悩を見る感覚。

    誰もが同じようでいて同じではない。同じでないようだけれど同じである。言ってしまえばそれまでで、わかっているようでもふともう一度自分に問うてみる。
    そして苦悩も悲しみも幸せも大小かかわらず全てを飲み込んで時間は否応なく流れていく。

    毎日を意識して、それでも疲れたら休んで、時間と自分とうまく付き合って生きたいと思う。

    ああまきさん…これからもまきさんの作品が読みたいです…。

  • 見えている世界、見えない世界があるってことか。


    (購入)

  • 2015.5.24

    悲しいがなちょっとだけ進む。

    満足。

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著者プロフィール

16歳の時に『週刊マーガレット』でデビュー。その後、「KISSxxxx」(集英社)、「Kの葬列」(集英社)、「致死量ドーリス」(祥伝社)などの作品で熱狂的な人気を博した。2020年には最新作『赤白つるばみ・裏/火星は錆でできていて赤いのだ』(集英社)を刊行。フランス、イタリア、アメリカ、韓国など、海外でも翻訳本が出版されている。イギリス在住。

「2021年 『線と言葉 楠本まきの仕事』 で使われていた紹介文から引用しています。」

楠本まきの作品

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