透明人間の恋 (マーガレットコミックス)

著者 :
  • 集英社
3.83
  • (34)
  • (49)
  • (29)
  • (7)
  • (4)
本棚登録 : 591
感想 : 35
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088450490

作品紹介・あらすじ

不可視な存在故、己が瞳にも投影不可。そして色を失った私の恋物語。
初告白の返事は「あんた、鏡見たことあんの?」その晩、鏡を見てみると眉毛はつながり、うっすらと…ヒゲ? 久々に見た自分の姿に田辺さんは一念発起するのですが…。ほか注目の読みきり4編収録
【収録作品】そこは注文の多い料理店/マトリョーシカ/勝手な2人/drops.

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「恋」のパワーに圧倒された短編集。
    どれもふたりの“その後”のドキドキやワクワクを想像させる終わり方で、読者の“恋したい!”欲を刺激しそう。
    少女マンガかくあるべし、と思った。
    「透明人間の恋」と「勝手な2人」が好き。

  • 私が少女漫画を買い続け、読み続けてきて、「良かったぁ」と安堵し、それを選んだ自分を褒めたくなる瞬間は、読んだ作品が面白かった時でもなく、印象に残る台詞がキャラの口から飛び出した時でもない
    理由も理屈も抜きで、心がこれ以上ないほどに震えてくれた瞬間だ。感動した、のでは足りないのだ。歓喜も驚愕も、感嘆も心酔も片鱗もないほどマーブル状に混ざり合わさった際に生じる物理的なものに近い衝撃、それが本物の少女漫画にはある。少年漫画のそれとは、ハッキリと質が違う、と本物を読むと判る
    羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』以来だ、これを味わったのは
    『透明人間の恋』、これは性別とか年齢とか関係なく、少女漫画を愛する、愛したい人間なら読むべき
    大袈裟な表現でも何でもないが、この作品の輝きに眼をやられてしまったら、他の一級の少女漫画すら、しばらくは色褪せて見えてしまうかも知れん
    単純に腕っ節が強い少女漫画、と説明したくなる
    どの話にも誇張がなく、等身大な人間の感情で話が進んでいくトコがポイント高
    少女漫画の短編集を読むと、ついつい、自分の中で甲乙つけて、ランキングにしてしまう節が私にはあるのだが、この『透明人間の恋』、それが難しい。どの話も、それぞれに足りないモノを持っており、大きな差が生じていないのだ
    『そこは注文の多い料理店』
    帯の裏で紹介してるだけあり、もっとも少ないページ数ながらも、インパクトが他の話に負けてません
    仮に、この話を初っ端に持ってくる、と決めたのが担当編集者なら、その人は安藤先生の第一のファンに違いない
    『透明人間の恋』
    タイトルそのものに、読み手の興味を大いに惹くものがあるが、内容は透明どころか鮮烈
    表題作になるだけはある
    ストーリーそのものは、見た目がやや劣る少女が、好きな相手からの手厳しい一言で一念発起して、大化けするって感じの定番なのに、安藤先生が描くと、ここまで引き立つのか
    キッカケは他人でも、自分の世界に彩りを加えられるのは、自分の努力だけってコト
    『マトリョーシカ』
    結局の所、男ってのは距離があまりにも近すぎると、その高い魅力に気付けない
    でも、気付けたのなら「既に遅い」って事はない。だから、その男は自分に素直になって、好きな人に手を痛いほどに伸ばすだけでいい
    少しずつ、過去に遡りながら、男が自分の本心に迫っていく流れがイイ
    『勝手な2人』
    天秤にはかけるのに、常に好奇心が勝っちゃって、衝動に身を任せる女の子がイイ感じ。
    その一方で、相手の長所を見逃さないってのも、個人的ポイントは高い
    異性・同性に関わらず、好意を向けてる相手と付き合うってのは、どこか自分に無理を科してしまうものです。それは正しくないと判っていても、相手の好意を自分に向けたくて、向け続けたくて、それに気付かないフリをして眼を逸らし、関係性が軋む音にも耳を塞ぎ、結局は破綻を迎えてしまう
    相手を気遣わずに好き勝手に振舞うのはアウトでしょうけど、相手の気持ちを勝手に想像して、自由に振舞うのを制限するのも、また恋愛ではアウト
    自分のやりたい事を言葉で伝える前に、思い切って行動に移せば、案外、距離が呆気なく狭まる、それが恋愛の醍醐味ですかね
    『drops.』
    あまりにも見事なストーリーに、感動を通り越して、鳥肌すら立った・・・いや、毛穴がブチ開く音すら聞こえたんじゃないか?!
    俊英なんて言葉じゃ伝えきれない。先生の凄さを、知らない人にもハッキリと伝えられるレビューを書けない自分の語彙の乏しさが憎いっっ
    そう、感嘆し、申し訳なさを覚えると同時に、小説で生活できるようになりたい身分として、肉の内側を焦がされるような激しい嫉妬すら覚えてしまった
    “どうして、あめはふるの?” “ドラマを生むためだよ”
    うわー、こう言うキュンと来る台詞を出せる話が書きたい!!
    多分っつーか、確実に、この『透明人間の恋』を読んで、ここまで胸が奮えたのは、私が男だからですね
    やっぱり、男も少女漫画を読むべきだわ、うんっっ。恋心の勉強とか、そんな上辺の理由は要らないから、読んで感動しなきゃ駄目だ

  • 面白かったー!
    久々にいい少女漫画に出会った。
    最後の話最後にあぁ!となって二巡目読み返す。

  • 安藤ゆきさんのお話はやっぱり好きだ!
    少女漫画なのに、それ以上の意味が込められている気がして、心が温まる。今回は特にdrops.の交差する話が最後へうまく繋がってるなあと感動した。

  • 同じクラスの鈴鹿くんに告白した田辺さん。しかし「あんた鏡みたことあんの?」と一蹴されてしまう。その言葉をきっかけに、メガネをコンタクトにして髪型を変えてみた途端、周囲から注目されはじめ──。
    表題作をはじめとする読切を収録した、著者4年ぶりの単行本。収録タイトルはコメント欄。表紙とタイトルに惹かれつつも、買う機会を逃し1年経過。やっと読了。「drops.」は構図が上手い!皆さんがいうとおり、ラストを飾るのにピッタリでした。「勝手な2人」以外は俺様系男子だし、絵も私の好みではないけれど、読んで良かったです。
    (収録タイトル)
    「そこは注文の多い料理店」「透明人間の恋」「マトリョーシカ」「勝手な2人」「drops.」

  • 読んでいて恥ずかしくなってしまった。
    「世の女性はこうゆうラブストーリーが好きなのか……」
    と思い、私には合わないなあと。。。

    売却済み

  • いつも読んでる少女まんがブログで2013年短編ではベストと言われていたので手に取りました。いやーめっちゃ良かったです!!
    嫌みにならないキャラ作りが本当上手いなと。
    「コマ割すげええええ!」ってなったのは久々です。


    『そこは注文の多い料理店』
    俺様過ぎ男子。ショートショートでこのインパクト!

    『透明人間の恋』
    卑屈にならず、どこまでも正直なヒロインが好感度大。いわゆるイメチェン大変身モノですが、空気が独特で新鮮さを感じました。

    『マトリョーシカ』
    タイトルは作品構成のことも差してたのか…!
    告白次ページのコマ割りが素晴らしい!!

    『勝手な二人』
    ラストシーンにすべて持っていかれたw

    『drops.』
    二度読み必須。構成に見事に翻弄されました。
    「drop」は「雫」以外にもいろんな意味が。

  • よくある少女漫画の短編集って感じ。

  • 短編集。
    表題の作品より「勝手な2人」「drops.」が好きでした。

    「drops.」は最後の傘と、洗濯物の柔道着を見て初めてあっ!となり、何度も見返した。私の解釈の仕方で合っているんだとは思うけど、答え合わせのしようがないです。

  • つまんねえええええ
    女子、こんなん好きやろ!って押し付けがましいし、無理があるわー(´;Д;`)

全35件中 1 - 10件を表示

安藤ゆきの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×