つまりは君が愛しいのです (マーガレットC)

  • 集英社 (2013年1月25日発売)
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本 ・マンガ (200ページ) / ISBN・EAN: 9784088468846

作品紹介・あらすじ

届かなかったり、分からなかったり。「もっともっと」って思ったり。つまり、そういうことなんです。
おばあちゃんのお見舞いに行った病院で、同じクラスの守屋瞬を見かけた美優。決して暗いわけでも目立たないわけでもない彼に、なぜかほとんど印象が残っていないことに気づき…。瑞々しい感性溢れる読みきり集!
【収録作品】あわれな王子様 前後編/あの子と台風/君からの手紙

感想・レビュー・書評

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  • ガッツリと少女漫画なんだが、どこか、青い高校生よりも灰色になりつつある成人の方が共感しちゃう場面も何気に多い
    描き手の中川先生の表現が巧いのか、読み手の私らの心にささくれがあるからなのか
    答えは何度、読み返しても依然と出ないが、その度にこの人の漫画が好きになっていく
    『つまりは君が愛しいのです』
    暗い過去を背負ってしまったが故に、他人との間に一本の線を濃く引いてしまうのが癖になってしまっている少年・守屋と、真面目っぽい外見から想像出来る安易なイメージをキッパリ、清々しいほどに否定してくれるけど気の良い少女・美優のお話
    傷付く怖さから、無理に孤独になって、それに慣れようとしている守屋との距離を、引かれた線なんか簡単に踏み越えて、ガンガン詰めようとする美優の逞しさに、ただただ感嘆
    男としては好きな娘を守りたいって思うのは、性別から来るサガなんでしょうが、女の子に「君を守りたいんだ」って言われるのも、悪い気分じゃないでしょうね
    『あわれな王子さま』
    人を好きになるってのは、ホントに尊い事ですよね
    誰かを好きになったら、ちょっとやそっとじゃへこたれなくなるし、相手を最優先に出来るようになる
    前編で、兼次が遜色抜きで大好きなあやめの幸せを思って願って、身を引いた際の台詞は、男の私ですら不覚にも、鼻の奥がツンと痛くなった
    読み終えて、しみじみ思ったが、やはり、この前後編には、ちょっと下衆だった北岡先パイが必要不可欠だったんでしょうね
    スパイス、と表現するのも乙女ちっくで恥ずかしいですが、やっぱり、恋愛には少々、刺激を与えてくれる存在がなきゃならないんでしょう
    『あの子と台風』
    台風ってのは、どうしてこうも、不謹慎なくらいに胸が躍ってしまうんでしょうかね?
    私は世間一般的な尺度で測ると、割と妹らと仲がイイ方だと思うんですが、やはり、その辺りを気に懸ける兄も少なくないんですね
    だけど、月並みですけど、家族ってのは血じゃなく縁、絆でそれぞれを繋げてますから、家で家族の一員が自分の帰りを待ってくれてる、と思うだけで元気は湧きます
    無愛想で強面だけど、妹想いな前野くんの一章懸命さにキュンキュン来てる葵ちゃんの方がむしろ、男の読み手の私からすると愛しくてたまらんがねw
    そんで、大笑いしたらスパッと前向きになれるトコは、ただただ憧れを抱く
    結局のとこ、この話のオチは、葵ちゃんが前野くんに萌えまくり?
    『君からの手紙』
    まず、これだけは最初に言っておかなきゃならないんだが、私の中でダントツに好きだ、この一話
    他の三篇も少女漫画としてレベルが高く、琴線を掻き鳴らしてくれたが、これには純なハートをガッツリ鷲掴みにされた気分だ
    挿入部分も、過程も、オチも好みにストライク
    私が高校生をやってた頃ならまだしも、良くも悪くも便利なメールが飛び交う、今の世の中で、恋文を意中の相手に送る人間がいるのか微妙
    しかし、あえて、そんな読み手の浅い意識をバッサリ切るような、恋文の良さっつーより、どれだけ相手に気持ちを真っ直ぐに伝えられるアイテムか、を思い知らせてくるストレートな内容
    今だから思えるんですが、好きって気持ちは無くならないんですよね
    あくまで、薄まるんだと思うんです
    それと同時に、好きは色んな形に変わっていくんです、相手の態度や共に過ごした時間の長短で
    好きが消える事はありえないんですよ。しかも、薄まったり、形が変わったからと言って、「好き」がいきなり、「嫌い」になるって事態も、まずない(ただ、「苦手」に近い「嫌い」がある日、「好き」にシフトチェンジしちゃう事態は二次元に関わらず、現実にも在り得る話ですが)
    ずっと、同じ形のままの『好き』じゃ、人間はいられないんですよ、きっと
    だから、相手との距離を近づけてみたり、自分の本音をぶつける事で、新しい一面を見つけて、徐々に自分の中にある『好き』を変形させてく
    多分、自分の中のキモチが形を変えた時、相手の中のそれも変わっているんですよね
    つまり、何が言いたいのか、と言うと、男女間であろうと、友人間だろうと、家族間であろうと、形も色も温度も香りも異なってる「好き」が存在してて、どれもお互いの姿勢次第で、いくらでも変わっていくし、それを大事にしなきゃいけないってコト
    どの編にも、質の高い四コマ漫画がオマケで書き下ろされていて、そこも個人的にポイントが高い
    あぁ、くそ、もっと前から好きになれてれば良かったぜ、中河友里先生をさっっ

  • “「兼次…ごめんあたし彼氏いる」
    「うそ…いつから?」「おととい」
    「え?だって一緒に帰ったよね」
    「途中まではね あたし塾あるから別れたでしょ?
    その帰りに学校の先輩から告白されたの
    塾一緒だし中学の頃から顔見知りで
    たまに話したりして楽しかったからつき合うことにしたの
    ごめんね」”[あわれな王子さま 前編]

    「つまりは君が愛しいのです」
    「あわれな王子さま 前編・後編」
    「あの子と台風」
    「君からの手紙」

    美優ちゃんの髪型可愛い。
    「君からの手紙」が一番好きだ。

    “「けどね!
    委員会の日 覚えてるの
    バスで探してるし とっ となりが気になるの!
    だから…だからね…」”[君からの手紙]

  • 「あわれな王子さま」の兼次が変わったところあるけど一途で良いな。

  • どのお話もよかった~。
    中でも台風のお話がいちばん好きかな。

    とてもよかったので前作も買うことにしました!

  • 「あの子と台風」と「君からの手紙」がお気に入り♪「あの子~」は前野がかわいくて4コマには悶えたよね…^^ 葵の気持ちがよくわかるw「君から~」は家族に好きっていえるのっていいなあと思った。ていうか、お母さん素敵。龍園くんも素敵w

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