グリーンロマンス (3) (セブンティーンC)

  • 集英社 (1985年9月1日発売)
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感想 : 1
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  • 本 ・マンガ
  • / ISBN・EAN: 9784088542737

感想・レビュー・書評

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  • 榛野なな恵さんの貴重な初期作品。絶版。

    榛野さんは35年前からこんなに優しい漫画を描いていたのに、それから日本は、少しでもこの母子にとって自由な世の中になったのだろうか。

    本当は一人一人がマイノリティーで、彼らのように自分たちの王国を作っていってこそ、自分にも他人にも優しく慣れるのに、未だにマジョリティーが人の城に住みながらマイノリティーにズカズカ踏み込んで来るわけだ。

    「少数派だろうがいることはいるのよ。少数派を無視するのはよくない」
    まさにその通り。

    そして彼らの作る王国はガラス細工のように繊細で、ダイヤモンドのように強固で、玉虫色に変色していく。

    自分たちの王国に誇りを持ちつつも「大きく欠けたものがある」と思ってしまうことで、やはりマイノリティはマジョリティより傷つきやすくなる。

    自分がマイノリティになり、どうしても自信が持てないとき、気持ちの行き場を失った時に、この物語を読むと、すうっと心が慰められていく。
    榛野なな恵の作品はどれも、そう。

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