ハチミツとクローバー 9 (クイーンズコミックス)

著者 :
  • 集英社 (2006年7月14日発売)
3.80
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088653525

感想・レビュー・書評

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  • 前巻までのほわわーんとした雰囲気から一変、ちょっと苦しいなぁ。
    真山くんだけよ、ちょっとホッとしたところ。

  • ただ一人、森田さんの私生活は謎に包まれていましたが森田兄弟の子供時代が明らかに!

    突然のはぐみちゃんの災難に対して竹本くんと森田さんの接し方はやはり正反対。

    花束も買えない竹本くんだけど、こういう人がいいオトコなのだと想う。

    側にいる人間は強くなくては!

    側にいる人間が揺らいだら溺れている人間が掴まるものが無くなってしまいますもんね。

  • ついに森田兄弟の過去とこれまでの行動の謎が明かされる。
    「コイツを呪うのも恨むのもオレの役目だ ゆずんねーよ? だからお前らは前へ進め」
    父親の言葉をもってしても、止められなかった復讐。持たざる者の思い。それぞれが懸命に生きているだけなのに、どうしてすれ違ってしまうのか。

    はぐの身に起きた事故に言葉を失う。
    持つ者と持たざる者の話は、野宮と山田の会話にもあらわれてるよね。
    「山田さん 君は残りなさい 残んなきゃダメだ 友だちなんだろ?」
    背中を押す一言が素敵だった。才能とか世界が違うとかじゃなく、友だちだからって理由でもう充分なんだよね。

    「救けたいとか言って ホントはただオレが彼女から離れたくないだけ」
    「今 つらいのは彼女 苦しんでるのは彼女」
    「間違えない 間違いたくない そのくらいは男でいたい」
    自分の不安を消すために相手を助けてはいけない。それは自分のためでしかないから。間違わない、成長した竹本は見ていて気持ちがいい。

    「側にいる人間が揺らいだら 溺れてる人間が掴まるものが無くなってしまうだろ?」
    花本先生の覚悟。そして、感情的な自己犠牲では解決させないという信念を感じた。自分を切り捨てて誰かを救っても、それは本当の解決にはならない。
    ラストシーン、溺れてる者同士の再会。なんて過酷な運命なんだろう。

    最後にこの表紙。3月のライオンでまさかの伏線回収とは!

  • 怒涛の展開である。まさかこの漫画がこんな悲しい展開になるなんて思わなかった。思えば、一巻からは大きく様変わりしている。妙にテンションの高いキャラクターたちのドタバタ恋愛劇から、「自分はどう生きるべきなのか?」と、キャラ自身の悩みを通して読み手に生きる意味を考えさせる話に昇華されている。素直に、見事だと思う。

    相手に側にいることだけを求める森田と、
    相手が好きなことを支えたい先生と、
    相手に自分が思うだけ尽くしてあげたい竹本。

    誰も間違っていない。誰も悪くない。
    みんなそれぞれに、一生懸命生きてるだけなのだ。

  • 自分にも 自分にしかできない事がきっとあるって 思いたかった

    *****

    今巻はハチクロ、シリアス…恋という切なさの要素に加え、生きていくことへの問いかけが強かった。
    まさかそんな展開になるとは…!ほんとにっ。
    読んでいる間ハラハラ。
    しかも、ハラハラがそのまま続くという…は、早く10巻を!

  • 「3月のライオン」新刊でハチクロにまさかの再会。しかもそれが、ああみんなうまくいってるんだと思わせてくれるもので、じーんと嬉しかった。それにしてもハチクロの連載中からライオンの方の構想があたためられていて、この9巻の表紙絵が伏線だったとは。思わず全10巻をまた読み返してしまった。

    そう思って読むと、表紙絵以外にもちらっと将棋が出てくるし、番外篇に至っては花本先生と真山が徹夜で対局したりしてて、いやあすっかり忘れてました。記憶力と勘のいい人はライオンの連載開始時点でわかっていたんだろうな。

    しかしまあ、ハチクロは何度読み返しても最後に泣かされる。途中の展開やギャグ部分のなかには、ついていけないなあと思うところも結構あるのに、そんなことみんなどっかへとんでいって、気持ちを持って行かれてしまう。この漫画には、何か過剰なような、それでいて何か足りないような、不思議なアンバランスさがあると思うのだ。たくさんの人がハチクロについてあれこれ語っているけど、本当に語りたくなる作品だと思う。

    描かれる恋愛はどれも片想いで、そこに切なく共感する人は多いだろう。自分も、登場人物たちと同じような年齢の頃読んでいたら、そこに一番目が向いたに違いない。しかし、オバサンも板についてきた年になると(はっ!それってもうバーサン?)、一番しみてくるのは一回きりの若さの輝きだ。

    学生時代、そこに行けば誰かしら仲間がいる場所があって、まあたいていはどうでもいいことをしてウダウダしているのだが、時には熱くなったりすることもあって、そして心のどこかでは、これはいずれ失われてしまうのだ、これはごく限られた特別な時間なのだとわかっている、そんな切なさが感じられて胸がいっぱいになってしまう。

    自分にとってそうした時代はずいぶん昔で、はぐちゃんたちのように才能があるわけでなし、ビンボーで全然ステキじゃなかったけど、共有できるものはあると思うのだ。ゆるやかな仲間の集まりのなかで、カップルができたり、片思いやら三角関係やらもいろいろあり、当時は当然それが大きく心を占めていたわけだけど、今しみじみと思い返されるのは、そうしてドタバタとすごした「時間」のかけがえのなさだ。ハチクロは私の記憶にきれいな色をつけてくれた。やっぱり漫画ってすごい。

  • 前巻が手元にないので確認できないけれど、ヒロインの独白を初めて読んだ気がする。20歳超えた女性の一人称がいつまでも愛称なのは如何なものか、とは思っていたけれど、ようやく“私”になったようだし。外見と、超過保護な保護者が傍にいることと、芸術家気質が、彼女の社会的な成長をゆっくりしたものにさせていた…のかな? あゆみ、ひとりのオトコにこだわりさえしなきゃ、ちゃんとした大人なのになぁ。(2022-04-12L)

  • 私にはこれしかない
    そういうものが
    眩く 星みたいに 松明みたいに
    輝いて揺れている光が
    ある日突然 消えてしまいそうな時

    何も残らない不安は どれほどだろう

    生きている意味と重なってしまうその影の重さは
    他の手に委ねられるようなものではなくて

    誰もが きっと その暗闇を前に
    立ち尽くしてしまう

    助けてなんて言えないけれど
    差し伸べてくれた手は なんて温かいのだろう

    光だけが生きて行く理由
    それはもう 変えられない

    けれども その手に何も返してあげられない

    こんなに溢れそうなのに
    どうして何もないの

    一人だけで 生きてきたのに
    もうそれさえも できない

    言葉にしてしまったら
    もう離れられない 気がして

    怖くても それでも
    そんな未来しか もう ない気が して

  • “金儲けに奔走してきた森田兄弟。その理由と彼らの過去が明らかになる。そして、はぐみの身に起こる衝撃の出来事とは一体…!?終わりの始まりの幕が上がる最高潮☆第9巻!!”―裏表紙より。

  • はぐちゃんの怪我。そして終わりの始まり。既にみんなが別々の方向を向きつつあるのがちょっと寂しい。 
    感想記事→http://utsuyama27.com/hachikuro9/

  • 森田兄弟の性格の対照と幼少時の経験
    ハグを突然襲った試練と想い
    人と人との関係は思わぬところですれ違いまた出会う
    作者の想いも強く込められているのではと思える深い1冊

  • 虫T笑 うおおおおおないんだよおおおおお ハチクロこれだけの休刊を乗り越えてきたんだなあ、3誌てすごい。 辛いなあ。

  • 2016.1.30市立図書館(次女)
    森田兄弟の壮絶な過去、はぐの受難と試練の始まり、終わりの始まりなのか。花本先生、森田、それとも竹本、はぐのそばにいるべき人はだれなのだろう。
    持てるものの背中を追う持たざるものの苦悩が通奏低音として畳み込むように繰り返される。

  • 【中古】ショタ森田兄弟が可愛すぎて……。そしてラストの森田さんが切なすぎて……。森田さんしか印象残らなかったや。初回限定ふろくのミドリちゃんマグネットが付いてたけど、それが案外邪魔で読みづらかった。

  • さあ 終わりの始まりの幕を上げよう

  • 全10巻の中で一番好きな巻かもしれない。哲学書かなにかかというくらい生き方についてぎゅっと詰まってる。
    「僕はただ左右交互にペダルを踏んだだけ」
    「この箱を全部開けたい でも全部開けるには人間の一生は短すぎる」
    「でも自分にも 自分にしかできない事がきっとあるはずだと思ってた 思いたかった」
    「どうしてこの世は「持つ者」と「持たざる者」に分かれるのか どうして「愛される者」と 「愛されない者」が在るのか 誰がそれを分けたのか どこが分かれ道だったのか」
    「みんな多分そう思っているよ で全員で彼女を遠巻きにするんだ 「私には何もしてあげられそうにないから」って でまんまと彼女はひとりぼっちってわけだ」
    「人生が何の為にあるのかって 大事なひとの手を こういう時に強く 握るためなんじゃないのか?」
    「解ってる オレは今問題をすりかえているだけ 救けたいとか言って ホントはただ オレが彼女から離れたくないだけ」
    「そうして私は話しかけたのだ その光に 「もしも私が描く事を手放す日が来たら」「その場で この命をお返しします。」と」
    「何かを残さなきゃ生きてるイミがないなんて そんなバカな話があるもんか 生きててくれればいい 一緒にいられればいい オレはもう それだけでいい」

  • 金の亡者・森田さんの謎の行動の理由がやっと明らかに。森田兄弟の過去エピソードは切なかった。 家族を失ったことが、じゃなくて、薫さんの心情のほうが凡人の自分には沁みました。 そして後半、はぐちゃんを襲った事故。まさかこんな重い展開になるとは…

  • 森田家の過去。忍と馨の話。二人の関係、絆に納得。二人の亡き父の豪快さ、前向きな感じが好き。あゆを支える野宮。はぐの怪我。

  • 暗いんだよなぁ・・・。話の展開としてもっと違った方法があるような気がすんだよなぁ。森田の話と竹本の話との落差がありすぎちゃって、なんか別のマンガが一緒に入ってるみたいに見えちゃうし、ストーリーがぜんぜん進んでない感じもするかも。

  • キツく閉じた目の裏に あの赤がこびりついて離れない どんなに欲しくても あの痣が オレの腕に残る事は 決してないのだ

  • ラストに向けて急展開を向ける今巻。
    繊細な登場人物の心情を映したかのように、巻を重ねるごとに美しさがます絵柄。

    はぐの静かな強さがにじみ出ている巻。

    はぐに何もしてあげれないと嘆くあゆに、野宮がかけた言葉が印象的だった。

  • 森田さんの謎が解けた巻。
    こんな過去を抱えてたなんて、衝撃でした。
    森田さんの気持ちもお兄さんの気持ちも分かるなあ…。

    そしてはぐちゃんの強い覚悟、先生との絆の深さに圧倒されました。

    クライマックスに向かうこの9巻は、みんなの想いがそれぞれに苦しくて切なくて、言葉にならない感じでした。

  • 書店バイト時に。

  • 再読。

  • 9巻

  • 友達の漫画、森田兄弟の謎、真山はスペインへ、竹本の修復士という夢、突然の怪我、手間のかかる山田を励ます野宮、一生友達宣言を突きつけられた山崎さん。森田さんの金儲けの理由が判明。冒頭は違う漫画かと思ったけど、回想だったのね。ここに来て突然の一生を左右する利き腕の怪我。読んでいて、あまりにもいきなりだったので、驚くどころかぽかんとしてしまい、置いていかれる感じを受けた。「あれ、この漫画ってこういう展開に進むの?」とも思った。はぐの状況を知り、「生きていてくれれば、一緒にいてくれればそれだけでいい」が切ない。

  • ハチクロは全巻読んだ経験あり。今回は図書館で借りて読みました。はぐちゃんの壮絶な覚悟が独特のコマ割で運ばれ、周囲の暖かさが自然に漂います。登場人物たちがぐしゃぐしゃに泣いているところでは、やはりこちらもうるっときてしまいます。そう、誰も悪くないから誰と接するのも柔らかに、繊細に、儚い永遠をこめたいですね。

  • 突然なシリアス! すごく……すごくつらいです……。このままどうなるんだろう……。

  • 終わりの始まり・・・

    ■森田兄弟の狙いがわかる。
    ■はぐが大怪我を。
    ■はぐと先生。
    ■はぐのケガを知った森田は!?

    2011.10.09読了

    :根岸達夫:森田技研の社員だった。司の幼馴染にして相棒だった。
    :森田司:森田兄弟の父。カレーが大好き。森田技研の社長だった。今は・・・?忍とほぼ同じタイプ。
    :山田ジェノサイド:山田の作ってきた料理で巻き起こる大恐慌。はぐは同タイプなので大丈夫。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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