皇国の守護者 5 (5) (ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ)

  • 集英社
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088773575

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  • 味方の転進支援のため笹嶋中佐と約束をした時間を稼ぎきった新城たち。友軍撤退は完了し、北領紛争は終結した。「大協約」に基づき帝国軍の俘虜となった新城は思わぬ人物と対面することに──。

    あまりに長すぎる地獄は終わった。小苗橋の死守はならず、兵藤たちの部隊は全滅。新城の部隊も生存者は二十名にも満たない。死地からの生還を前に言葉を失う。これだけやってきたら心折れるよなあ。それでも皇国軍として毅然と振る舞う指示を出す新城には頭が下がる。それが役割だとしてもこうはいかないよね。

    そうして俘虜としての生活が始まった。この巻では戦争終結しているのでアクションはない。その代わりに手に汗握る舌戦で魅せてくれた。新城は帝国軍作戦参謀・メレンティンに呼び出しを受ける。
    「私の知る限り 君はきわめて実際的な人間のようだね」
    「はい でなければ今頃は凍った骸でした そればかりは実際的に選択したくはありません」
    敗軍の長として帝国の参謀に呼び出されて、こんな気が利いた切り返しできないわ(笑) 言葉を行使する戦争。その中でもなぜ降伏したのか。誇り高く死を選ぶことはしなかったのか、という問いに対する新城の答えが好き。

    「『誇り』で兵を救えるのならばそれに従っていたかもしれません──いや、僕にとっては兵をただ名誉のためだけに死なせることは恥ずべき行為にすら思えるのです大佐殿 歴史と伝統が許しても 僕自身は毛頭それを許容しかねます」
    本来であればこれが王道なんだよね。無茶を勇気とし、死者を英雄とする思考放棄の風潮は現代社会にも続いている。それは社会にとって都合の良いまやかしでしかないのに。

    次は、ユーリアとの舌戦!軽やかに振る舞いつつも、切り込む言葉の強さが凄まじい。新城と真逆というか、天衣無縫の人物。自分を苦戦させた新城への称賛も惜しまない。だが、思惑を外さない間合いの取り方が絶妙。ユーリアのペースだった会話に切り返す新城も絶品。言い返しはするが、相手の面子を守る恐るべき交渉力。「大協約」に守られてなかったら絶対に殺しておくべき男だよね。

    バルクホルンとロボフの義に厚いところもカッコよかった。新城とはまた敵同士に戻るとはいえ、二人とも生きて幸せになってほしい。そして、新城は母国へと帰還する。帝国どころか、国内に火種を抱えた皇国の行く末とは?!ここでコミカライズが終わってしまったのが本当に残念でならない。

  • 戦車の代わりに虎を使うことを“猛獣使い”と称すこと、主人公の指揮官としての描写(大隊長が戦死した時に主人公が発した「そいつは素敵だな 面白くなってきた」、導術師が能力の使いすぎて死んでしまう時に投げかける言葉を選ぶシーン)が印象的だ。

  • 完結

  • 静かなる闘志は狂気と映るか
    作画良すぎ

  • まとめて★★★★
    シリーズ通してお気に入り
    原作が完結したものをマンガ化されたら★★★★★
    独自の新作を是非のぞみたい
    原作者のほうは知らん

  • 原作未読だが完璧なマンガ化なんだろうなと思わせる凄み。義姉とのエピソード、分量が絶妙でアドレナリンがすごい。ゆえに物語としては中途半端なラストで感動してしまう。

  • まだまだ読みたかったけどここで打ち切り完結だそうで…
    これまでと再開を期待して星五つ。

  • いろいろ揉めて打ち切り。ほんとうはもっとこのあとの展開のほうが面白かっただけにもったいない。原作の面白さをコミカライズすることで何倍にも面白く表現していただけに本当に惜しい。

  • いろんなとこで書かれている「こんなとこで終わった打ち切り」ってこういうことかと。

    俘虜解放手続きのバルクホルンとロボフとのやり取りが泣ける。

  • 打ち切りの理由が理由なので再開は絶望的でしょうがそれでももっと知名度あがって人気になれば続きがでるんじゃないか・・・とふっと思ってしまう程の完成度です。本当に続きでて欲しいです。

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著者プロフィール

伊藤悠(いとう ゆう)
1977年、東京都生まれの漫画家。女性。夫はイラストレーター・漫画家の前嶋重機。代表作に『シュトヘル』。
大正大学出身。1999年『ウルトラジャンプ』27号第1回ウルトラコンペに入選し、29号掲載の「影猫」でデビュー。連載デビュー作は「面影丸」。短期連載や読み切りをいくつか執筆したのち、佐藤大輔原作『皇国の守護者』連載が人気を博し、2006年度文化庁メディア芸術祭マンガ部門審査委員会推奨作品に。しかし諸般の事情により物語の完結前に連載終了。2008年から『シュトヘル』を連載し、2012年第16回手塚治虫文化賞新生賞を受賞。

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