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本 ・マンガ (216ページ) / ISBN・EAN: 9784088830490
作品紹介・あらすじ
地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人・タコピー。助けてくれた少女・しずかの笑顔を取り戻すため奔走するが、少女を取り巻く環境は壮絶。無垢なタコピーには想像がつかないものだった。ただ笑って欲しかったタコピーが犯す罪とは…!?
感想・レビュー・書評
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注目度が高いということで読んでみた。
久々にすごい漫画だった。
幼子は何もしてないし、何もできない。大人が傷つけ、変えてしまう。逃げられない子供の笑顔が見たいと、無垢な宇宙人の善意が物事を深刻化させていく。
子供の不幸は結局大人のせい。
どういう結末に向かうのか?下巻を読んでみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
描画と物語の強い製作に圧倒される。マンガのキャラクターはマンガ家の分身と言われるが、それをここまで仮借なく突き放して描けるのは凄い。描いてて辛いということはないのだろうか? 子どもの精神や知性の善と悪が未文化なグレーさ、とりわけタコピーの彼ら少女少年よりも幼い精神がゆえの無力無能の徹底ぶりは、自分ならストレスで描き進めて行ける自信がない。ストーリーも自分の空想力が思いつく予定調和を遥かに超えていく。これが作者の創造力というより、むしろ今の子どもたちの世界のただのリアリズムに過ぎないのだとしても、これだけ綺麗事を剥ぎ取ったものを描くには、相当自分の人格を削って差し出さないと描けない気がする。アニメ化されるということだが、重いテーマを扱った「聲の形」や「ルックバック」よりも相当難しそう。それは多分マンガだから切り抜けられている自分にとって「見たくないもの」がより多くあるからだと思う。
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話の重さもしんどいが、絵がうるさくて苦手かな。
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「漫画」で呆然としたのはルックバック以来かもしれない。
特に本作はキャラの魅せ方、いや魅せ方じゃないな、うーん、感情の乗せ方?が上手いなと感じたというか、線への執着がすごいというか。絵がうるさいという意見も見かけたけど、この作者の魂こめましたみたいな絵がどうしようもなく痛くて辛いからこそ出てくる意見なのかな〜と思う。このびみょーに歪んだ線だからこそ表現できる世界なんだよな〜。子供たち一人一人のどこか壊れてる感情が弾丸みたいに飛んでくる。読んでてしんどいもの。
因みに、読み終わったタイミングでアニメのPVが出てキャアキャアなりました。漫画の線がそのまま落とし込まれてて感動。楽しみだ。 -
最初から
キツイ描写が続くので、若くて心が柔らかい子が読むには辛いかもしれない。
救いのない状況の連続で、
タコピーが変わってゆく過程をよく見ておいてほしい。それが後編に全てつながり、より作者のメッセージが理解できると思うから。 -
第一話から、根こそぎ心を持っていかれます。
あのタコピーというキャラクターだからこそ、成り立っている作品なんだなと読み終わってから思いました。
単行本2巻で完結しているので一気読みできます。
結末がどうなるかあなたの目で確認してみて下さい。 -
ドラえもんのリアリズムバージョンという感じ。機能不全家庭の子供について考える機会を与えてくれるなら、こういう漫画もありだ。
子供は親や家庭を選べないし、人生の絶望という言葉さえ甘い酸鼻や理不尽に陥っても自分だけでは何も判断できない……状況を受け入れることだけが子供の能力だからだ。そこに助言者や協力者(=タコピー)が現れてほかの未来を選んでみても、行き着く先は暗い。産まれてくる人間は、どの動物よりも弱く、脆い。それがこんなに罪なのか?タコピー、なんとかしてよ。どんなに楽天的に考えても人生の暗い部分しか未来に待ち受けてないの。毎日が痛くて辛くて後がないの。
原罪とは、なんだろう。子供は小さな大人、大人は大きな子供、と言ってる人がいたけど、私は全然もっと相容れないものだと思う。その違いだけで、こんなに罪なんだろうか……そんな叫びに満ちた作品だ。
ただ、もともと人間や愛や世界は脆いものだ。そこに立ち返ってくるときに原罪の救済が待っているかもしれない、そう信じたい気もした。描かれてる絵が信じられないくらい物語をライトタッチに仕上げている、深刻であることは確かなのに。ところで、しずかちゃん、という主人公の名前はドラえもんからのオマージュなのだろうか?
様々な疑問の起こる、劇薬的な漫画。
タイザン5の作品





