- Amazon.co.jp ・マンガ (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784088900827
作品紹介・あらすじ
『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!
感想・レビュー・書評
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北海道が好きです。
時刻表とガイドブックで彼の地を夢想するしかなかった頃から、小説やドキュメンタリー、「じゃじゃ馬グルーミン☆UP! 」「銀の匙」に「北の国から」「北海道連鎖殺人 オホーツクに消ゆ」などで想像の翼を広げ、ようやく現地に旅行し、試される大地に暮らす友人を訪ねることができるようになった後でも、その足跡は広大な大地に刻んだわずかな点にすぎず、憧れは未だ止むことを知りません。
そんな中でこの作品を知り、一も二もなく手に取りました。
「このマンガがすごい!2016オトコ編 2位」「第9回マンガ大賞」などに輝き、アニメも第3期まで放映されて第4期の放映待ちと、自分がこんなところでレビューなんて書かなくてもその魅力はよく知られていると思いますが、自分の覚えのために書いてみます。
一読して圧倒されたのは、何よりもその疾走感です。
コミックス1巻では、埋蔵金の情報をつかんだ後、アシㇼパさんとの出会いと羆との対決、おびき出した脱獄囚の捕獲と尾形百之助との対決、「脱獄王」白石吉竹との闘争と生存のための共闘まで、息つく暇なくストーリーが展開します。
特に場面の転換方法が見事で全く間延びした感じを与えません。埋蔵金を追うきっかけにしても、白石の登場場面にしても、それぞれ「しゃべりすぎた」「2人目」の台詞とともに小銃を構えていたりくくり罠にかかっていたりするおっさんのアップが出て、でも読者はその前後の事情がきちんと想像できるのです。
加えて、闘争と闘争の合間にはアシㇼパさんによる狩りとチタタㇷ゚などの料理という、このシリーズの魅力の根幹がたっぷり詰め込まれていて、読者は本当に気を抜くことができません。
アイヌの様子も、肩ひじを張らず楽しく読むことができます。もともと、北海道では地名の起源にほぼ必ずアイヌの言葉があり、たいていの地名にはその解説がついてくるので、北海道にアイヌという先住民族がいたことには多少の馴染みはありました。札幌を「サッポロペッ(かわいた大きい川)」と解説されるだけで、思いは名前が付けられた当時の石狩平野とそこで暮らしていた人々の様子に向かいます。こと「ゴールデンカムイ」では地名の起源に止まらず、狩りの様子や料理の様子、身に付けているものや風習などを、アシㇼパさんを通じて気軽に見ることができます。
おまけに、チタタㇷ゚、ヒンナ、オソマなど、口に出しやすいアイヌの単語が癖になります。
ちなみに、自分的にはエルルゥ・アルルゥのイメージがちらちらして懐かしいのもプラスです。
そして、おそらく多くの人と共通する思いが料理の描写のすばらしさ。焚火を囲んで食べるリスのチタタㇷ゚の美味そうなことと言ったら。たいていの獲物の脳みそに塩をかけて生で食べる(杉元がw)のもたまりません。
その杉元のアシㇼパさんに対する態度も読みどころです。杉元は彼女を呼ぶときさん付けを欠かしません。狩猟や森林でのサバイバルに長けた先達として、そして金塊を追う共闘相手として一目置いているのに止まらず、彼女を「飼いイヌ」呼ばわりした白石に向けた怒りは、家族から結核患者が出たときに自らが受けた扱いに裏打ちされて、何と言うかとても「フェア」で好もしいものに思えます。
敵なのか味方なのか、何のために争うのか(まあ金(きん)のためなんですが)が判然としないまま事態が進み、ラストにまたやばそうなキャラ(鶴見中尉です)が出てきたところで1巻終了。
つかみは十分です。この勢いのままどんどん読み進めます。
第1話 不死身の杉元
第2話 ウェンカムイ
第3話 罠
第4話 のっぺら坊
第5話 北鎮部隊
第6話 迫害
第7話 脱獄王
立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
シリーズ、第1巻。
映画化もされた原作です。
不死身の杉元とアイヌの少女・アシリパ。
2人が巡り会った時、波乱の幕開けとなった。
厳冬の北海道を舞台に、熾烈な埋蔵金の争奪戦が始まる。
映画も見ましたが、結構原作に沿っていましたね。映画は、ほんの序盤でしたが。
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アニメで第三シーズンまで観たので
気になって続きをピッコマで読んだ。
かなりグロいけど、
そしていっぱい死ぬけど、ものすごく面白かったー。ひとりひとり、ほんとキャラや背景が深く悲しく。中でも尾形が好きだった。
読み終わるのが寂しくて。
アイヌの文化も知れて良かった。 -
最終回まで読みました。90年代くらいのグロ系戦闘漫画なのかと思って、食わず嫌いしてました...。めちゃくちゃ面白かった。
漫画の強み、絵の利点を最大限に活かしている作品だと思います。詳細な書き込みとデフォルメ絵柄の描きわけのバランス・漫画ならではの感情表現で‘’和風闇鍋ウエスタン‘’が絶妙にまとまっているし、動きのある絵でアイヌの生活に結び付いた道具やその使い方・祭礼の装飾等が理解しやすかった。
動きのある絵というとアニメもありますが、この作品に関しては自分の気になった絵をじっくり味わえる漫画のほうが合っていると思います。
主要キャラクター多いけど、ひとりひとりにドラマがあるとても濃い物語でした。噛めば噛むほど面白いんだろうな。人生通して何度も読みたい。(ちなみに早速今2周目中です。1周目とはまた違った気付きがある!) -
手を出したらキケンなマンガというのが私の中でいくつかあるのだけど…(のめりこみそう&完結までは長そう&おもしろそう)その一つについに手を出してしまった…
国立民俗博物館でアイヌ文化の特集をしていて、その時にチラ見してしまい「あ~読みたいけどのめりこみそう」と避けてきたのに…そして、思った通りハマってしまったよ…。
戦争で死地を生き抜いてきた「不死身の杉元」杉元佐一。
ひょんなことから囚人たちが隠したという「埋蔵金」の話を聞く。その隠し場所を記した地図は囚人たちの身体に暗号として刺青として彫られており、その囚人たちが全員集まった時にやっとわかるようになっているという。
ヒグマに襲われた杉元を助けたアイヌの少女・アシリパと共に囚人探し&埋蔵金探しをすることにするのだが…。
ストリーも絵も好き!
そして、ちょこちょこと出てくるアイヌの知恵や生活様式などがたまらなく楽しい。
さらに、料理がまたどれもおいしそう!
リスのチタタプ…食べたい。
(脳みそも…うまいのか…)
ヒンナ~!! -
アイヌ、日露戦争、明治維新、帝国陸軍、北海道、樺太。色々な文化が交差した時代設定と場所。
狩猟方法も面白い。
ヒンナヒンナ。 -
感想
脱獄犯が出てくるペースが中々に早い。
あらすじ
不死身の杉元と呼ばれた杉元佐一は日露戦争帰還後、北海道に砂金を取りに来ていた。
そこでアイヌの金塊を奪った男の話を聞く。男は他の囚人に刺青を施し、いくつかを繋ぐことで金塊の在り方が分かる。
それを話した男はヒグマに襲われて、亡くなる。杉元も襲われるが、アイヌのアシリパに助けられる。
杉元とアシリパは金塊を求めて旅を始める。脱獄犯は全部で24人。首領は土方歳三と分かる。 -
宝探し、アイヌ文化、軍隊と異なるジャンルの物語が合わさって最強のストーリーになっている。
登場人物もみんなどこか憎めなくて、別れが惜しいキャラばかり。
久しぶりに長編漫画をこんなに真剣に読んだ。
現実逃避してワクワクしたい大人におすすめ。 -
グロいシーンがあるのがちょっと‥
アイヌのこと知れるのは面白い。
映画みるから予習しました。 -
偶然にも同僚に漫画の趣味が合う我が子と同世代の女性が薦めてくれたのだけど、こんなにアイヌのあれやこれやを面白くリアルに漫画に出来てしまうなんて、驚いた。
もう、1巻冒頭からハマってしまった。ヒグマの生態がこんなに細かく描写されながら、引き込むストーリー。続きは、勿論気になります。
野田サトルの作品





