ゴールデンカムイ 2 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.13
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本棚登録 : 2884
感想 : 100
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088901053

作品紹介・あらすじ

八億円相当のアイヌの埋蔵金を巡り… 日露戦争の英雄不死身の杉元とアイヌの少女アシリパ、二人の前に立ち塞がるは… 凶悪な死刑囚集団、北の最強軍隊第七師団、巨大ヒグマ!!! 圧倒的な北海道の大自然を舞台に、繰り広げられる生存競争!!!!! 燃え盛る命! 削り合うのも命! 一攫千金サバイバル第2巻!!!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 203高地を生き抜いた帝国陸軍第七師団の猛者たちが杉元を追跡。すんでのところでヒグマの穴倉に飛び込んだ杉元。追手はヒグマによって全滅させられる。

    杉元と別れたアシリパは第七師団の一人・谷垣に追い詰められるが、こちらも白狼のレタラに救われ、谷垣は重傷を負う。

    ヒグマの子供を連れ帰った杉元は、アシリパの集落に招かれる。

    第七師団の鶴見は自らが放った部隊が大損害を受けたのを見て、杉元を追い始める。杉元はアイヌの村をひそかに離れ、入れ墨の囚人を追って小樽にでるが、そこで鶴見の捕虜となる。鶴見の野望は北海道制圧で、そのために金塊を追っている。杉元は自分につかないかと持ち掛ける鶴見の誘いを断り、入れ墨のありかをはけと拷問にかけられる。

    一方、杉元を追ったアシリパは小樽で脱獄囚・白石と出会い、二人で杉元の救出にむかう。

  • アイヌの埋蔵金を巡るサバイバルアクション。
    何と言うか、このキャプションの時点で既に魅力満載です。「埋蔵金を巡る」冒険に「アイヌの」のロマンが加わったうえ、「サバイバル」ですよ。
    実際に読んでみるともうこのキャプションどおり…って言うかそれだけでは伝えきれない魅力がまだまだ山ほどあります。

    まずはその溢れる疾走感。
    第1巻からいきなり走り出したストーリーはさらにギアが上がりました。

    尾形の足跡を追う帝国陸軍第七師団に追われた杉元達。杉元は3名を羆を利用して斃し、アシㇼパを追った谷垣源次郎はレタㇻに足を砕かれます。彼らを退けた杉元らは、第七師団の三人と刺し違えた羆の仔をアイヌの風習に従って育てるため、アシㇼパのコタン(村)に向かいます。
    案に相違して温かい歓待を受けた杉元は、アシㇼパを激しい闘争に巻き込むことを嫌い黙って一人村を離れ、小樽で刺青人皮の聞き込みを再開しますが、二階堂兄弟に捕らえられて鶴見中尉の前に引き出されます。
    一方コタンに置き去りにされたアシㇼパはレタㇻを連れ、ひょんなことから途中で合流した白石に協力させて杉元を追うのでした。

    …と、粗筋を抜き書きしてわかるとおり、この巻では、第七師団を中心にストーリー上の重要人物が登場するのに加え、元新選組副長の土方歳三(と牛山辰馬)も顔見世をしています。
    てか、何の前触れもなく土方歳三が出てきて眼光鋭く剣を振るう時点でワクワクが止まらないジェットコースターです。
    加えて、小樽の蕎麦屋に始まる二階堂兄弟との因縁と鶴見中尉の変態っぷりに、書くほうがもう先を書きたくて仕方がないような勢いを感じました。

    登場人物もエキセントリックな「変態」っぷりを押し出してきます。
    特に鶴見中尉。
    上官たる和田大尉の指を噛み切ったうえ射殺させる、吹き飛ばされた前頭部の頭蓋骨から「興奮すると変な汁が出る」、表情一つ変えずに杉元の両頬をみたらし団子の串で突き刺す…、この巻では残虐さがクローズアップされますが、埋蔵金を追う動機を「ロシアから賠償金もとれず元屯田兵の手元に残ったものはやせた土地だけ 我々の戦争はまだ終わっていない」「北海道を手に入れる 船上では英雄だったのに故郷へ帰れば放浪生活 何か報われたか? 失ったもののほうが多くはないか?」との語りからは貧しい部下を思う気持ちが伝わってきます。
    アシㇼパから脱糞王と呼ばれた白石は相変わらずの軟体っぷりを見せ、洋平浩平の二階堂兄弟は「殺そう殺そう」と連呼し、杉元は杉元ですっかりうんこ食いにされてしまいましたw。

    毎度登場する獲物の料理も魅力の一つ。この巻ではウサギのチタタㇷ゚、カジカのキナオハウ、カワウソのオハウに加え、にしん蕎麦までもが登場します。
    とりわけカジカのキナオハウは、「ダイコン ニンジン ジャガイモ ホウレン草に昆布 そして素焼きしておいたカジカが入っている」「カジカの濃厚でコクのある出汁がきいている たっぷりの野菜がうれしい」「カジカの塩焼きも脂がのっていて香ばしい」だそうな。アイヌ風でなくともカジカ鍋は「鍋こわし」と呼ばれるほど美味しいんだとか…。
    ああ、最近はまた北海道への旅行どころか、北海道の料理を食わせる店にも、北海道物産展にすら足を運びにくくなってしまいました。早く平凡な日常が戻ってきますように…。

    この巻では、他にアイヌのコタンでの暮らしと、「イオマンテ」に対するアシㇼパの考えなんかが描かれています。杉元が私たちの代表としてちょっと聞きにくいことをアシㇼパに聞いてくれている感じ。アシㇼパが「新しい時代のアイヌの女なんだ」と胸を張るのが新鮮です。

    2巻は二階堂兄弟に杉元が反撃を開始したところまで。相変わらず地獄のヒキですw。刺された杉元は無事なのか、アシㇼパと白石の支援の手は届くのか。
    待て次巻、ですね。

    第 8話 闘争
    第 9話 窮鼠
    第10話 博打
    第11話 アイヌコタン
    第12話 カムイモシリ
    第13話 憑き神
    第14話 遠吠え
    第15話 におい
    第16話 死神
    第17話 追跡者

    八億円相当のアイヌの埋蔵金を巡り… 日露戦争の英雄不死身の杉元とアイヌの少女アシリパ、二人の前に立ち塞がるは… 凶悪な死刑囚集団、北の最強軍隊第七師団、巨大ヒグマ!!! 圧倒的な北海道の大自然を舞台に、繰り広げられる生存競争!!!!! 燃え盛る命! 削り合うのも命! 一攫千金サバイバル第2巻!!!!!!

  • アシリパのコタンと親戚や村人との交流が心温まるだけに、アシリパを置いて去ろうとする佐一の気持ちも分かるがえげつない危機に陥る。直ぐに次巻を読みたくなる。

  • 「ゴールデンカムイ(2)」野田サトル著、集英社、2015.02.24
    188p ¥555 C9979 (2022.10.27読了)(2022.10.24借入)(2016.03.30/7刷)
    アシリパ
    杉元佐一
    狼 レタラ
    脱獄王 白石由竹
    鶴見中尉
    イオマンテ 飼っていた子熊を送る儀式

    【目次】
    第8話 逃走
    第9話 窮鼠
    第10話 博打
    第11話 アイヌコタン
    第12話 カムイモシリ
    第13話 憑き神
    第14話 遠吠え
    第15話 におい
    第16話 死神
    第17話 追跡者

    ☆関連書籍(既読)
    「ゴールデンカムイ(1)」野田サトル著、集英社、2015.01.24
    「知里幸恵『アイヌ神謡集』」中川裕著、NHK出版、2022.09.01
    (アマゾンより)
    明治時代末期、日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、莫大な埋蔵金をめぐる生存競争サバイバル。
    舞台は気高き北の大地・北海道。時は激動の明治時代後期。
    日露戦争という死戦を潜り抜け『不死身の杉元』という異名を持った元兵士・杉元はある目的のために大金を欲していた。
    一攫千金を目指しゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れた杉元を待っていたのは、網走監獄の死刑囚が隠した莫大な埋蔵金への手掛かりだった。
    雄大で圧倒的な大自然、VS凶悪な死刑囚。
    そして純真無垢なアイヌの少女・アシㇼパとの出逢い。莫大な黄金を巡る生存競争サバイバルが幕を開ける。
    八億円相当のアイヌの埋蔵金を巡り… 日露戦争の英雄不死身の杉元とアイヌの少女アシリパ、二人の前に立ち塞がるは… 凶悪な死刑囚集団、北の最強軍隊第七師団、巨大ヒグマ!!! 圧倒的な北海道の大自然を舞台に、繰り広げられる生存競争!!!!! 燃え盛る命! 削り合うのも命! 一攫千金サバイバル第2巻!!!!!!

  • 杉本が、金塊を追う屯田兵に囚われ、彼を探そうとするアシリパ。
    離れていても互いを思いやるような絆ができてきたことは印象的ですし、ピンチにある杉本のこの後の活躍も気になります。

    そして、アイヌの料理がとても美味しそうです。
    自然の諸々をカムイ(神)として尊重し、謙虚に生きるアイヌのあり方の価値を理解することが出来る作品でもあります。

  • 「不死身の杉元」とアイヌの少女・アシリパが手を組んで囚人たちが隠したという埋蔵金を探すことに…。

    でもって、埋蔵金はかなりヤバめの人も惹きつけていて、日本の軍人さんたち(陸軍最強と言われた北海道の第七師団)やら旧幕府軍の軍人・土方歳三やらも狙っており…。

    そうか…
    ヒグマは巣穴に入ってきたモノは襲わないのか…
    ヒグマに遭った時はそうしよう…いや、その前に巣穴に入る勇気がない!!

    そしてカワウソは頭ごと煮込むとヒンナ

  • とても迫力のある内容で、次巻が楽しみです!

  • ウサギとカワウソ('ω')

  • やはり、狩猟漫画。
    読んでるとお腹がすいてくる。
    アイヌの独特な文化が、読んでいて、面白い

  • 上手い具合に散りばめられた謎とか、四面楚歌的で絶望的な主人公界隈とか、緊張感の維持が秀逸です。おそらくかなりお偉方まで絡んでくる展開になっていくんだろうけど、それでもなお、先行きが気になって仕方ないですね。殺戮マシーン的に描かれる敵さん達も、その無表情が効果的で、恐怖感の煽情に一役も二役も買っています。面白いです。

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