ゴールデンカムイ 3 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
4.12
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感想 : 96
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088901923

作品紹介・あらすじ

鬼神の如き武功から日露戦争で『不死身』と呼ばれた杉元は北の最強軍隊第七師団に囚われてしまう!! その杉元を救うべく…アイヌの少女アシリパは、最後のエゾ狼レタラ、網走監獄の脱獄王白石と共に作戦を練るが!? 不死身な人間などいない! だが、風前において杉元の“命の炎"は、尚燃え上がる!!! 北の大地で生き急ぐッ! 命のバトルロワイヤルッ第3巻!!!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 白石とアシリパの助けもあり、鶴見のもとから脱出する杉元。

    箱館戦争を生き延びた土方歳三は、仲間をつくるべく、ならず者の長・渋川を訪ねるが、拒絶され、一味をせん滅する。

    レタラの攻撃を生き延びた谷垣は東北のマタギ出身だった。ヒグマを撃ちに森に入ったところで、伝説的なヒグマ狩り・二瓶鉄造と出会い行動を共にする。二瓶もまた入れ墨を持った元囚人だった。二人は絶滅したと考えられている白狼レタラを狩るべく動き始める。

    この動きを知った杉元とアシリパは二人の目論見を打ち砕く。二瓶と杉元の一騎打ち。

    話の合間に出てくるアイヌの生活の知恵が楽しい。師団の兵士はみんな炭団の目玉をしており、不気味。

  • オソマ、ここまで読んでいる方ならお分かりでしょう。アシリパさんが味噌

  • 「狩る!戦う!食べる!生きて輝け!!
     北の大地で繰り広げられる五感震えまくりエンターテインメント」たるゴールデンカムイ。
    背中を焙られるような疾走感に追い立てられて早くも3巻。

    第7師団の鶴見中尉に捕らえられた杉元は、アシㇼパ、白石、レタㇻの助力を得、二階堂兄弟の弟浩平を斃して脱出、鶴見の追跡をも振り切り、虎口を脱します。

    山中で獲物を追っていた杉元達は、脱獄囚の一人で刺青人皮の持ち主二瓶鉄造が小樽に現れたとの情報を入手します。
    「冬眠中の羆もうなされる悪夢の熊撃ち」と称される猟師である彼は、1巻でレタㇻに足を折られた谷垣を助けて同道し、アイヌ犬リュウを連れて最後のエゾオオカミであろうレタㇻを狙っています。
    山中で遭遇した彼らの闘争はヒートアップします。

    一方で配下に加えるべく盗賊団のアジトに向かった土方、牛山らですが交渉は決裂し、土方は盗賊団を全滅させたうえ、金塊を得て蝦夷地を独立させると自分の目的を語るのでした。


    と、粗筋を書き出してわかるとおり、次から次へと闘争に巻き込まれるストーリーの疾走感は相変わらずです。二階堂兄弟との私闘を切り抜けた後、桜鍋を囲みユㇰ(エゾシカ)を追い、生きようと抗うユㇰに杉元が自らの姿を見る展開に少しクールダウンしたかと思いきや、二瓶鉄造の登場でとうとうギアはトップに入ります。

    二階堂兄弟がしつこく杉元を殺そうとする様子、二瓶鉄造がレタㇻに向ける情熱、そして鶴見中尉や土方歳三の北海道独立にかける想い、もちろん杉元の金塊に対する執念、そんな登場人物の胸中の熱さだけが、物語の全体像がまだ曖昧模糊としていて誰が誰と組むのが得なのかわからない中、ぶつかり合う様が疾走感につながっているのではないかと思うのです。

    そして、熱に突き動かされる登場人物はみな変態です。
    上官に制止されたにもかかわらず執拗に杉元を痛めつけようとする嗜虐的な二階堂兄弟も、刺青人皮を胴着に仕立てて着込んでいる鶴見中尉も、そして獲物との闘争を予期して昂る気持ちを「勃起」と表現する二瓶鉄造なんてもうそのもの。さらに言えば、そんな言動や振舞いはもちろんですが、やっぱり目先の利益や自分の命なんかより信念を優先してしまうあたりが何よりも変態だと思うのです。二瓶が投獄される原因となった事件で官憲に保護を求めた最後の一人に官憲の目前で止めを刺すような、法や秩序などというものには縛られずに自らのルールを適用するさまは、他のキャラクターにも共通するゴールデンカムイの変態っぷりの本質ですよね。

    加えて、次々と登場する変態との息もつかせぬ闘争シーンはこの作品の華。
    巻末近くの杉元vs二瓶はほんのさわり(誤用)だけですが圧倒的な迫力があります。さらに中盤では、ゲームだったら間違いなくZ指定になりそうなゴア表現や欠損表現が頻出します。でも作中の人間の体は本物の3倍くらいの強度がありそうで、痛覚もコントロールされているのか、キャラクターたちは刺されようが骨を折られようが指を落とされようが頓着せず戦闘を継続します。モビルスーツ同士の戦闘や、スターウォーズでの剣戟(あれも結構頻繁に手が落とされますよね)を見ているようで、不思議と目を背けたくなる感じはしません。
    圧巻は土方歳三による渋川善次郎一味のアジト襲撃。右手に刀、左手にレバーアクションのライフルを持ち、くるっと回してリロード(スピンコックって言うそうです)しながら皆殺しに追い込む様子は「これが新撰組副長鬼の顔か…!!」との牛山の台詞そのものです。

    続いて毎度お楽しみの料理。
    この巻では杉元達側で桜鍋(馬肉の味噌鍋)、鹿の脳みそ、肺、肝臓の生食、セウリ(気管)を使ったチタタㇷ゚、塩を振って焙った背肉(ロース)、そして二瓶鉄造側で「ニヘイゴハン」として羆の心臓の丸焼きと血の腸詰が披露されています。

    杉元側では、今回料理が美味しそうというより、味噌を「オソマ(うんこ)」として忌み嫌っていたアシㇼパさんが味噌で仕立てた桜鍋を口にするまでを見開き含めて4ページ使って表現したのが最高です。てか、口に肉を入れた瞬間のアシㇼパさんに見開き使うとかw。
    で、思い切って口にした結果、アシㇼパさんは味噌をいたくお気に召して「オソマおいしい」と目出度く変態の仲間入りを果たしたのでした。
    二瓶鉄造側は、心臓も焼き鳥で食べる(ハツ)し、血のソーセージ(ブラッドソーセージ)も一般的なようですが、全く美味しそうに見えませんw。
    紹介の仕方と紹介するキャラクターでこれほど変わるものかと思います。w

    ついでに、暑苦しいおっさんどもの中の紅一点、掃き溜めに鶴状態のアシㇼパさんですが、この巻では変顔のオンパレードです。水を飲むべく水筒を咥えたうえ、どかそうとする杉元に引っ張られてなっている変顔が最高w

    さて、この巻も杉元と二瓶鉄造のバトル真っ最中という相変わらずの地獄のヒキで次巻に続きます。
    待て次巻、ですね。



    第18話 救出作戦
    第19話 駆ける
    第20話 喰い違い
    第21話 亡霊
    第22話 伝説の熊撃ち
    第23話 猟師の魂
    第24話 生き抜いた価値
    第25話 ユㇰ
    第26話 山の掟
    第27話 殺しの匂い

  • 新キャラがいっぱい。
    じじぃになった土方や、狼を狙う二瓶鉄造とか。
    そして仲間に白石は・・・加わるのかな。

    3巻でもアシリパさんの顔芸がいいね。
    桜鍋に入れた味噌、ついに食べて「オソマおいしい」って言った表情、めっちゃかわいい。変顔とのらくさがたまりません。
    しかも食べた瞬間の顔、でっかく見開きになっているのがまた・・・実はものすごい重要シーンだったとか?

    先日YouTubeでアニメ版「ゴールデンカムイ」二期のOPを見たら、レタラがいなかったような・・・

    二瓶がレタラ狙ってるし、心配。
    レタラ死んだらたぶん私は号泣する。

  • 囚人の体に刺青として残された暗号。それを集めて解けばアイヌの奪われた莫大な埋蔵金の場所が分かるという。
    その埋蔵金を手に入れるため、「不死身の杉元」とアイヌの少女・アシリパ、そして元囚人の脱獄王の白石が手を組む!

    その暗号を持つ囚人の一人・二瓶鉄造。第七師団のマタギの谷垣は彼と手を組み、アシリパの白い狼・レタラを撃とうと作戦を立てる…。

    レタラ~逃げて~!!

    そして、オソマおいしい!!

  • 主人公は無敵と言う異名を持つが、現れる敵、まだ見ぬ敵も圧倒的な胆力と強さを持つ。その見せ方がカッコいいわけです。財宝の鍵を握る各人もそれは歴戦の罪人であり、そりゃー、一筋縄ではいきません。でもって、雪山での狩りに登場する狼しかり、犬しかり、格好良いし、可愛らしいのですが、ちょっと危険な目にあったりするんだろうなとビクつきながらページを繰っていく次第でした。

  • 迫力満点!大の大人でもドキドキした!

  • アプリで無料やから読んだ。命に感謝できる漫画

  • 第七師団に捕らえられて絶体絶命だった杉元が見せた驚きの一手。アシリパが「あいつは自分から死神にギリギリまで近づくことで生き延びる活路を見いだす だから不死身の杉元なんだ」と信頼する姿が心強い。その奇策をしっかり見破る鶴見中尉もさすが。落馬した後に雪道を駆ける姿が絵になっててカッコいい。

    土方が合流したのが新撰組の最強剣士といわれた永倉新八というのがロマンがあるよね。渋川のアジトへ殴り込みに行くシーンが大好き。渋川が命令をする間に引き金を引いてるところが覚悟と決断力の差だよね。土方の気迫と鋭いアクションが素晴らしかった。刀を持ちながらウィンチェスターのスピンコックをするところが最高。

    後半は暗号の刺青を持つ死刑囚の一人・二瓶鉄造との戦いが始まる。癖の強い人物ではあるんだけど「一発で決めねば殺される 一発だから腹が据わるのだ」と語る姿には見惚れるカッコよさがある。「個性と習性は別だ…習性を知り尽くせばこちらの有利に働く」という言葉も好き。人の世という枠組に当てはめられず、自然の摂理の中で生きている感じがいい。

    杉元が手負いの鹿を自分だと言ったシーンでアシリパが伝えた言葉も印象深い。「鹿は死んで杉元を暖めた 鹿の体温がお前に移ってお前を生かす」「鹿が生き抜いた価値は消えたりしない」杉元がいつの日かこの鹿のようにアシリパを生かす日が来るのかもと思うと言葉にならないね。

  • 狩猟シーンの方が好きだったり。

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