ゴールデンカムイ 4 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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感想 : 85
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088902401

作品紹介・あらすじ

冬眠中の羆もうなされる、悪夢の熊撃ちと異名を持つ漢二瓶鉄造が挑む獲物は、最後のエゾ狼レタラ!! アイヌの少女・アシリパは、レタラを守る為、不死身と呼ばれた元軍人・杉元は、二瓶の背中に入る金塊の在り処を示す刺青を手に入れる為、伝説の羆撃ちと戦闘に入る!! 命を懸けた勝負の行方は…!!? 一方、金塊を巡り…新撰組鬼の副長・土方歳三率いる死刑囚集団と二○三高地の英雄・鶴見中尉率いる第七師団が小樽で激突!!? 唐突に、かつ劇的に! 奪い奪われ奪い合う!! 北の大地の生存戦略ッ第4巻!!!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 二瓶と杉元の戦いの場に谷垣がアシリパを人質に現れ、杉元と白石は逃走。二瓶と谷垣はアシリパを出しにレタラをおびき寄せる。谷垣はアイヌの仕掛け罠で毒が回り、二瓶はレタラとの一騎打ちの瞬間、背後から現れた別の狼に絶命させられる。

    谷垣はアシリパの集落に運ばれ手厚い介護を受ける。そこで谷垣が語るには、アイヌの集めた金塊はどうも総額8千億に上り、鶴見はこれを元手に北海道征服を企てている。

    一方、小樽に現れた土方の一派は銀行を襲撃し金と名刀を奪う。騒ぎに気付いた鶴見派は現場を去る土方と遭遇。

    後半は新しい入れ墨の囚人・辺見和雄が登場。各地を放浪しつつ息をするように人を殺すこの殺人鬼がニシン漁の現場に現れた噂を聞いたアシリパは、近くで叔父がクジラ漁に出ていることから心配になって現場へ向かう。

    筋の要約には書きにくいが、この作品のもう一つの魅力は、こうした大和人の欲にまみれた争いに対し、カムイとのコミュニケーションをかかさないアイヌの世界観がコントラストをもって描かれていくところだ。読み進める中で、その思想が自然と体に入ってくる。

  • 「日露戦争終結直後の北海道周辺を舞台とした、金塊をめぐるサバイバルバトル漫画」も早4巻。

    まずは、二瓶鉄造との闘争、決着。
    杉元の戦闘力の高さは果断な決断力と生に対する執着によるものでしょうか。特に接近・格闘線になると無類の強さを発揮するようです。
    戦況は二転三転。特にアシㇼパさんと異能者のいる杉元チームの戦いぶりが、緊迫感の中にも笑いがあって楽しいものです。バトルのラストは、逆転であり二瓶鉄造の「狼はすでに絶滅している 数がこれから回復することは無い」の主張をも引っ繰り返すものでもあるという意味で大どんでん返し。

    囲みにある「エゾオオカミ最後の確認例は1896年に函館の毛皮商である松下熊槌によって「毛皮を数枚扱った」という記録に過ぎない……」という締めくくり、いいですねえ。
    こういう消息不明って、有名な「義経生存説」や大河ドラマでも採用された「明智光秀生存説」など各種の生存説と、逃げ延びてジンギスカンになったり南光坊天海になったりする貴種流離譚の始まりにつなげられそうです。まあ狼だから貴種ではありませんけどね。
    なお、この「記録」、ちょっと検索してみたら<「1896年に函館の毛皮商が数枚の毛皮を扱った記録を最後…」レッドデータ日本の哺乳類』文一総合出版 p.96,97,215>が出典のようですが、その記録自体にはたどり着けませんでした。松下熊槌さんも実在して毛皮を扱っていたようです。
    日露戦争は1905年に終わっていますので、おそらくゴールデンカムイの世界は1906年の春。人間が最後に確認した後も10年にわたり血脈は受け継がれ続けていた…。その後の可能性も含めて胸熱ですね。
    歴史ロマンってやつです。
    ちなみに同じ手をもう1回使ってます。

    さて、疾走感満点だったストーリー展開もようやく一段落しました。

    現状の解説と情報の整理が行われて物語はいったん落ち着いたように見えます。
    瀕死の谷垣を連れた杉元達は、治療に向かったアシㇼパのコタンで、アシㇼパのフチから聞いたウパㇱクマ(言い伝え)と谷垣の情報から、アイヌの隠された金塊は当初聞いた量の1000倍、2万貫らしいこと、そして鶴見中尉の目論見を聞きます。
    杉元達はもちろん、ここに来て読者もようやく事態を俯瞰することができました。

    杉元達が呑気にオオワシを捕まえて食べるエピソードで1話使っているのがストーリーが一段落した証拠。
    巨大鳥がアシㇼパを捕まえて飛び去ろうとしているのに見開きを使っているのがいいですね。
    あと、ニホンオオカミの時と同様に、囲みで「明治末期…… 釧路原野で巨大な鳥が馬車を襲い農夫に反撃されこん棒で打ち殺された その巨大な鳥は迷い鳥として大陸から渡ってきたハゲワシであろうといわれている」「現在でもその剥製が釧路の高校の理科室に所蔵されているという」がまたまた歴史ロマンです。
    こちらも当たってみました。釧路市立博物館に問い合わせた人がいて、話の出所は1954年4月20日発行の釧路博物館新聞No.28だそう。剥製の行方の情報は不明だそうです。ネットって、普及する前の情報については極端に手薄ですよねえ……。

    話は一転して土方らの動向へ。
    軍資金と愛刀和泉守兼定のため小樽の銀行を襲撃した土方と対応に出た鶴見は互いの存在を認識します。そして白石はこの襲撃時にすれ違った牛山辰馬のアジトを後日捜索し、発見したものの逆に捕らえられて土方の前に引き出され、取引を持ち掛けられます。
    これまで杉元達とも第7師団とも直接のかかわりがなかった土方らがつながりを持った瞬間です。
    2万貫、8千億円とも言われるアイヌの金塊をそれぞれの目論見で追う3チーム。
    当面のマイルストーンは金塊のありかを示す刺青人皮集め。そして次の刺青人皮は、無差別殺人を続けているらしい辺見和雄。

    ストーリーは辺見との闘争に移ります。
    その辺見和雄はニシン漁のヤン衆として潜伏しているのではないかと想定されます。
    折からニシンを狙って沿岸に来たクジラを捕まえるためアシㇼパの叔父マカナックルが海岸に行っていることもあり、杉元らはアイヌのフンペ(クジラ)漁に加わり、杉元を付け狙う辺見と出会うのでした。

    命を狙われている相手をそうと知らずに助ける杉元。辺見は変態かと思いきや、サイコパスでシリアルキラーでした。この先、サバイバルバトルというよりホラーを思わせる展開が待っているのでしょうか。待て次巻。


    毎度楽しみにしている料理、今回はユㇰオハウ(鹿鍋)、鮭のルイペ、オオワシの鍋が登場しました。初めて自分が食べたことがある料理が登場。ルイベ美味しいですよね。
    あとアシㇼパさんがすっかり味噌にハマっているのが笑えます。「杉元…… この鍋にまた…… オソマ入れなきゃいいけど……」チラチラッからの「ええ~? またか? 杉元ぉ お前……オソマ好きだな~ 杉元は本当にオソマが好きだなぁ?」「オソマおいしい」の流れで爆笑。

    オオワシの鷲鉤猟、クジラ漁の様子なども描かれていて、本当に何でも獲ったんだと思います。さすが「狩る!戦う!食べる!」のマンガですね。





    第28話 錯綜
    第29話 老人と山
    第30話 言い伝え
    第31話 二〇三高地
    第32話 怪奇!謎の巨大鳥
    第33話 呪的逃走
    第34話 接触
    第35話 求愛
    第36話 役立たず
    第37話 初春
    第38話 フンペ

  • 二瓶さんとレタラの闘いが錯綜する最初の話は結末に痺れ、何度も見直してしまった。
    こんな痺れる対峙を描かれる野田氏をひたすら尊敬。
    ネタバレしたくないので、あっさりとした感想になりますがやはり次巻を目指して読み進めること必至。

  • アイヌの奪われた埋蔵金の暗号を彫れらた囚人たち。
    「不死身の杉元」とアイヌの少女・アシリパ、でもって、その囚人の一人でもある「脱獄王」の白石。第七師団に狙われた3人だが、今はレタラを狙う二瓶鉄造とマタギの谷垣との闘いが~!!

    って、レタラ~!!あんたかっこよすぎるよ!
    私も惚れちゃうよ!!

    で、鶴見中尉と手を組んだ元囚人の「不敗の牛山」
    さてさて次の舞台はニシンの群来で湧く港町
    そこに元囚人で殺人鬼の辺見和雄がいるというのだが…

    タヌキを捕まえるならアオダモの枝を使った「毛よじり」で!

  • 色んな種類の変態が出てきて大変面白い

  • ついに三陣営が出揃った4巻
    まだまだバラバラやけど、ちょっとずつ繋がり始めてる
    それぞれに思想や目的があり、命を賭してる三つ巴
    ここまで読んでやっと気づいたけど、これ完全な群像劇やね
    三陣営と個々の囚人と食べ物が、別々にえがかれる群像劇
    普通なら繋がる時を楽しみにしそうやけど、別々でもっとそれぞれをみたいと思ってしまうのは珍しいかも
    そう思うのはキャラや食べ物やギャグの間がインパクトがあるからやろう
    んでもって、物語も部品もバラバラやのに全体として調和してるのは凄い

  • 意外とシリアスな本筋と

    コミカルなギャグシーンの

    バランスがちょうどいい作品だと思う。

  • キモいの出てきた、、

  • 図書館にて読了
    前巻の続き。レタㇻを狙う二瓶鉄造と谷垣チームとレタㇻを守る杉本とアシㇼパと白石チームとの対決にハラハラした
    レタㇻに家族がいたことを知った時は泣きそうになった
    鶴見中尉の演説が凄かった
    ちょっとだけ杉本の過去シーンが触れてたもう少し杉本の過去のことを知りたい
    リュウがとても頼もしい!
    牛山と土方歳三が結託していてその後が気になる
    そして、新たな登場人物がいた辺見という人物が気になる。早く続きが見たい

  • 「不安だから相手の気持ちを確かめ合うんじゃないか?」

    エゾフクロウは一生同じ相手と暮らすにも関わらず時期が来ると毎晩鳴きあって求愛する、とアシリパが説明していたときの言葉。そこから杉元の過去に流れるように場面が切り替わるのが印象的でした。

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