有害都市 下 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 65
レビュー : 8
  • Amazon.co.jp ・マンガ (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088902531

作品紹介・あらすじ

2020年、オリンピックを目前に控え、“浄化作戦"と称した異常な排斥運動が行われている東京。漫画家・日比野幹雄は「DARK・WALKER」を雑誌に発表するが、一人の抗議文により、掲載中止に追い込まれてしまう。単行本が有害指定を受けるリスクを感じながらも、Web掲載に活路を見出す日比野。そんな時、「DARK・WALKER」の翻訳出版権獲得を目指す、アメリカの翻訳出版社代表・アルフレッドから有害指定を避ける有効な方法があると言われ──!?
“表現の自由"を巡る衝撃作、クライマックス!!!!

感想・レビュー・書評

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  • 東京オリンピックに向けて最悪の場合、有り得る表現規制シナリオ。
    権力あるノイジーマイノリティを見極めよ。彼の者が真の敵である。
    サイレンとマジョリティは声を上げよ。牧場の羊になってはいけない。
    扇動に乗るな。それは楽だが屠殺場への道である。

  • 希望の光を未来に丸投げして終わる、割と救いのないストーリー。
    正直者が馬鹿を見る傾向は年々強まっているように思われるので、こういう世界もすぐそこまで迫っているのかも。

    世論なんて声の大きい誰かのさじ加減ひとつで180度変わっちゃうから恐ろしい。
    マスコミがマスゴミ化して、「若奥様のナマ下着」事件のようなことも今では日常的だしなあ。
    真実を見極める眼力を養わなければ、と思った。

  • 二つの世界が平行してるかと思ったら三つで凄いなと。
    題材は好き。
    ただ解がね。

  • 夏に続きが出るはずだったのだが、掲載誌が休刊したことと「制作体制の不備」で原稿そのものが描けなかったようだ。連載終了は10月9日号。ということは安保法制の帰趨がハッキリした頃に校了したことになる。

    そのせいか、現代の「華氏451度」とも言える本作のラストは、全ての逆転チャンスが潰されてかなり悲観的だ。主人公は特別な強制プログラム(まるで薬漬けで洗脳されるような画がある)に入るようになってしまう。

    それでも主人公は「少英社」の資料倉庫に一つの「種」を置く。以下がラスト10ページに渡るネームである(もちろん漫画だから、画によって伝わることはこの数十倍である)。

    今から70年後世界はどんなふうに変わっているだろうか。きっと僕はもうこの世にはいないだろう。もしかしたら、日本の漫画産業はすっかり廃れてしまって、別の何かに置き変わっているのかもしれない。それでも人々が物語を創り出し、その感動を共有するという営みが簡単に途絶えることはないはずだ。

    僕らは政治の戦いに敗れた。正直に言えば、勝負にすらならなかった。

    しかし、僕はこれから、漫画家にしかできない戦いを始めようと思う。

    世界がどんな絶望的な状況にあったとしても、何も恐れることはない。決して恐れてはならない。希望の光は、いつも僕たち自身の腕の中にある。

    今日ここに記したプロットは、未来のクリエーターに残したものだ。僕はこの作品が70年後に翻案され、再構成されることを望む。時代を越え、国や文化の違いも越えて、このメッセージを未来に伝えることができたら、僕たちの戦いもきっと無駄ではなかったと胸を張れる。話の内容は原案に忠実でなくてもいい。キャラクターの名前や舞台設定も、その時代や文化に合わせて変えてもらってもかまわない。むしろその方が、伝わりやすいものになるだろう。ただ、タイトルだけはもう決めてあるんだ‥‥
    「有害都市」(194-203p)

    2015年、作者は作者なりに時代に向き合って創作活動をしていたことが、ヒシヒシと伝わってくる。読者は、特に若者たちは、果たしてどう受け止めるだろうか。

    2016年1月21日読了

  • 正しさと見えない敵。子供に見せないように臭いものには蓋は言い換えれば子供を信じていない、それを守ってやれない親や社会的な弱さの露呈ではないだろうか。流石に全てを与えることは正しいとは思わないが、選択肢を狭めて奪うのは一つの世界を握り潰すということでこういう世界が広がっているはずが作為的に隠蔽する事で価値観の多様性を消失させるのと同義だと思う。そして、正しさが一般多数から一部の人の権力による健全化という大義名分を得た価値基準によってすげ替えらていく未来予想図は閉鎖的で排他的な悍ましい社会で吐き気を感じる。

  • 理想は必ずしも良いものを生むものではないと実感した

  • 下巻でおわってしまった、、、。日比野や漫画の未来をもう少し描いてほしかったような、この結末で潔いような、複雑な気持ちです。でもヤマ場があっただけに、もうちょっと読みたかったかなあ、「イノセンス」みたいに、、。

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