ここは今から倫理です。 1 (ヤングジャンプコミックス)

著者 :
  • 集英社
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本棚登録 : 1299
レビュー : 86
  • Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088907918

感想・レビュー・書評

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  • クールでちょっと変わり者の倫理学教師・高柳先生が、哲学的思考を道しるべに、悩める高校生たちを導いてゆくお話です。いじめ、非行、愛着障害、SNS依存など、さまざまな心の闇を抱える生徒たち。哲学は、彼らを救うことができるでしょうか。

    このお話の特徴は、主人公の教師が徹底して「傾聴と対話」で生徒たちと向きあっているという点です。「黙って俺についてこい」というタイプの教師ではありません。生徒の問題を肩がわりして解決してあげるのではなく、生徒が自力で問題と向きあえるよう、倫理学(道徳哲学)の知識に基づいて援助する。それが高柳先生のやり方です。だから、問題はいつも解決するとは限らない。状況は何も変わらないことも多い。でも、先生と対話したあと、生徒たちの心境には多かれ少なかれ変化が生じます。自分の中にあらかじめ、前に進む力が備わっていることに気づくのです。

    私の知りあいの精神科医が以前言っていたのですが、「精神科医には2種類の人間がいる。心の病と無縁の超絶ポジティブ人間と、患者以上に自分が病んでいる人間だ。前者はどんな大変な患者を前にしても心が折れないし、後者はどんな大変な患者を前にしても自分よりはマシと思えるから」。精神科医ではありませんが、高柳先生はおそらく後者のタイプです。自分自身がまだ闇の中を手さぐりで歩いている感がある。それだけに、その言葉は不思議な癒やしの力を帯びて心に浸透してくる気がします。

    「恋に破れても、家族が死んでも、いじめられても、就職に失敗しても、仕事がイヤでも、お金がなくても、人生が退屈でも。それがどんな理由でも、命に換わるほど重い絶望になるんです」

    読みながら、この説得力はどこからくるんだろうと不思議に思っていたら、第1巻のあとがきマンガにその答えがありました。なるほど…のひと言です。哲学自体が人を救うことはないのかもしれない。でも、哲学を必要とするほど悩んでいるのは自分だけじゃないと知ることは、もしかしたら救いになるかもしれません。読みごたえのあるマンガだと思います。おすすめです。

  • 第一話でひく人もいるだろうなあ…でも、凄くいいです。ただ…ひく人もいるよなあ。

  • 暗い内容なのかなと思いながら読み始めたが
    確かに明るい話では無いものの
    無闇に嫌な気持ちになるような描写はなく
    読み応えのあるストーリーだった。

    先生がどこか醒めていて、
    昔よくあったような熱血先生とは違う
    一歩離れた冷静なスタンスから、
    しかし生徒の為を思って即座に動いてくれる。
    生徒のしていること自体は否定せず
    自殺を無理矢理止めるというようなやり方ではなく
    理解し対話することで本人が自分で光を見いだせるような、
    この姿勢がすっと胸に入ってくる。

    物語本編は勿論のこと、この漫画を描くきっかけになったことが書かれている
    あとがきの内容も素晴らしかった。

  • ネットで1話試し読みしてから単行本発売を楽しみにしていた。
    #1のいち子が誰にでもさせちゃう女の子なのに、高柳先生に恋してから変わろうとする様は健気で可愛らしい。
    #3では谷口が#1のいち子を助けようと彼なりに動いている。
    #4よく生きる は全ヌイグルマーに読んでほしい。私は7年大切にしているぬいぐるみがあるので、読みながら号泣してしまった。
    まだ1巻だが何度も読み返したい。

  • 「新時代、教師物語」とあるように世に多くある学園もの漫画とは一線を画す異色な物語ではないだろうか。っていえるほど漫画を数多く読んできたわけではないのだけど。
    高校時代に、政治経済の先生が権利と義務、責任を力強く語った授業や、倫理の先生が哲学の考えかたや手探りで生きていく意味を飄飄と説いた授業を思い出した。あの先生方に憧れて高校の教員を目指していた時期が私にもあったなぁ…。
    思春期の柔らかい心と無限に広がっている未来は、授業の一言一言に反応して化学反応を毎日起こしていた。それは決してよい方向ばかりの変化とは限らなかったけど。

    漫画にできること。
    哲学にできること。
    可能性には必ず限界が用意されている。そうシニカルにうそぶくことは簡単だ。
    けれども高校生のときに私にもみえていた果てのない地平はどこへいったのだろう。消失してしまったのだろうか。それともどこかにまだ存在しているのだろうか。

    言葉、表現、創作にできること。

    この物語の主人公、倫理の教師である高柳先生は生徒を教え導くというのではなく、かといって生徒とまったく同じ位置まで降りてきて視界を共有するのでもない。生徒たちより少しばかり先を歩みながらも、同じ悩める完全ではない存在だ。ほんの少し先を行く先達として生徒たちがまだ知らぬ哲学という燈火で道を照らす。その炎を生徒たちに分け与える。

    暗い画面と重厚な物語で、楽しく幸せな読書時間とはならないかもしれない。
    しかし読み終わったあとで、幸せのほうへ一歩近づいたような軽やかさを感じることができた作品だった。

  • 女の子の体の描写!!!!!話はいいのにだめじゃん!!!!

  • 4巻までは特に面白かった。
    はじめは無表情系のスーパー教師モノかと思っていたが、意外にも高柳先生は泥臭く、完璧な人間でもなかったし、常にかっこいい回答ができるわけでもなかった。
    しかし、「なにが“善”なのか」を必死に考え、葛藤しつつも生徒を思い対話を重ね、ときに大胆な行動をとる高柳先生の様子が丁寧に描写されていて、とても面白かった。
    また、必ず問題が解決するわけでもないところがリアルだった。

    「恋に破れても⋯
    家族が死んでも いじめられても
    就職に失敗しても 仕事がイヤでも
    お金がなくても
    人生が⋯退屈でも!!

    それがどんな理由でも
    命に換わる程
    重い絶望になるんです!!」

    この言葉が腑に落ちる人は多いと思う。

    生徒たちも、ただ一心に先生の言うことを聞くようになるわけではなく、自分たちで考えて、悩み、その結果先生の言うことを聞くこともあれば、先生とは違う答えを出すこともあり、そこがとても魅力的だった。
    その過程もしっかりと描かれているので、最終的にどの生徒も応援したくなる。

    5巻は少し倫理要素が少なくなった気がする。
    この作品の持ち味は“教える”だけではなく“対話する”ことで生徒と心を通じさせようとする部分にあると思うが、5巻では生徒の対話シーンが減ったことで、高柳先生がちょっと偉人の名言を引用しながら生徒を言い負かすだけの装置になってしまっているように感じた。
    先生も生徒も、これまでに比べて魅力を感じなかった。

  • 倫理について描かれた珍しい漫画。
    とっつきにくい絵柄なのもあり、難しい内容なのかと思ったけど、毎回生徒の一人を主人公にしたオムニバス形式で読みやすかった。
    高柳先生は押し付けがましくなく、生徒に寄り添った言葉をくれる先生で素敵だなと思った。
    倫理についても優しく教えてくれる。
    私もあんな先生に出会いたかったな。

  • 今まで全く意識も興味もなかった倫理を、この本をきっかけに学びたい、知りたいと思った。

  • 自分の知ってる世界でものをみちゃうし絶対って思っちゃうことあるなぁって反省した、、
    善も悪も全ての人を救えるように


    倫理は人の心に触れ 自分の心に触れてもらう授業

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著者プロフィール

1990年生まれ。東京都出身。
初連載作となる『ALL OUT!!』では、独創的なビジュアルとキャラクターの描写、ラグビーシーンの迫力や熱い展開などが多くの読者から支持を集めている。

「2017年 『ALL OUT!!(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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