ここは今から倫理です。 1 (ヤングジャンプコミックス)

  • 集英社 (2017年11月22日発売)
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Amazon.co.jp ・マンガ (224ページ) / ISBN・EAN: 9784088907918

作品紹介・あらすじ

「倫理」とは人倫の道であり、道徳の規範となる原理。学ばずとも将来、困る事はない学問。しかし、この授業には人生の真実が詰まっている。クールな倫理教師・高柳が生徒たちの抱える問題と独自のスタンスで向かい合う──。
新時代、教師物語!!

感想・レビュー・書評

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  • クールでちょっと変わり者の倫理学教師・高柳先生が、哲学的思考を道しるべに、悩める高校生たちを導いてゆくお話です。いじめ、非行、愛着障害、SNS依存など、さまざまな心の闇を抱える生徒たち。哲学は、彼らを救うことができるでしょうか。

    このお話の特徴は、主人公の教師が徹底して「傾聴と対話」で生徒たちと向きあっているという点です。「黙って俺についてこい」というタイプの教師ではありません。生徒の問題を肩がわりして解決してあげるのではなく、生徒が自力で問題と向きあえるよう、倫理学(道徳哲学)の知識に基づいて援助する。それが高柳先生のやり方です。だから、問題はいつも解決するとは限らない。状況は何も変わらないことも多い。でも、先生と対話したあと、生徒たちの心境には多かれ少なかれ変化が生じます。自分の中にあらかじめ、前に進む力が備わっていることに気づくのです。

    私の知りあいの精神科医が以前言っていたのですが、「精神科医には2種類の人間がいる。心の病と無縁の超絶ポジティブ人間と、患者以上に自分が病んでいる人間だ。前者はどんな大変な患者を前にしても心が折れないし、後者はどんな大変な患者を前にしても自分よりはマシと思えるから」。精神科医ではありませんが、高柳先生はおそらく後者のタイプです。自分自身がまだ闇の中を手さぐりで歩いている感がある。それだけに、その言葉は不思議な癒やしの力を帯びて心に浸透してくる気がします。

    「恋に破れても、家族が死んでも、いじめられても、就職に失敗しても、仕事がイヤでも、お金がなくても、人生が退屈でも。それがどんな理由でも、命に換わるほど重い絶望になるんです」

    読みながら、この説得力はどこからくるんだろうと不思議に思っていたら、第1巻のあとがきマンガにその答えがありました。なるほど…のひと言です。哲学自体が人を救うことはないのかもしれない。でも、哲学を必要とするほど悩んでいるのは自分だけじゃないと知ることは、もしかしたら救いになるかもしれません。読みごたえのあるマンガだと思います。おすすめです。

  • ごくせんを倫理の教師がやります
    倫理選択した不良生徒たちが更生していきます

    大半のエピソードが警察が介入するもので、倫理教師の一存で決着つけるものではなく、どれも通報するべきものです
    教室で婦女暴行であったり、屋上で飛び降り自殺未遂であったり、倫理教師との青春の1ページに収める思い出ではなく、ただの事件です
    倫理教師の一言でまとめられるオチは、少し変だと思いました

    巻末のあとがきに、身内の自死がきっかけで産まれた作品と説明がありました
    そのため、大体の生徒に死亡フラグが立っています
    倫理教師がいい感じにフラグを折っていくオチが続く展開が予想されました

  • 何を読もうと聞かされようと、自分自身の理性が同意した事以外何も信じるな。

  • 第一話でひく人もいるだろうなあ…でも、凄くいいです。ただ…ひく人もいるよなあ。

  • 暗い内容なのかなと思いながら読み始めたが
    確かに明るい話では無いものの
    無闇に嫌な気持ちになるような描写はなく
    読み応えのあるストーリーだった。

    先生がどこか醒めていて、
    昔よくあったような熱血先生とは違う
    一歩離れた冷静なスタンスから、
    しかし生徒の為を思って即座に動いてくれる。
    生徒のしていること自体は否定せず
    自殺を無理矢理止めるというようなやり方ではなく
    理解し対話することで本人が自分で光を見いだせるような、
    この姿勢がすっと胸に入ってくる。

    物語本編は勿論のこと、この漫画を描くきっかけになったことが書かれている
    あとがきの内容も素晴らしかった。

  • ネットで1話試し読みしてから単行本発売を楽しみにしていた。
    #1のいち子が誰にでもさせちゃう女の子なのに、高柳先生に恋してから変わろうとする様は健気で可愛らしい。
    #3では谷口が#1のいち子を助けようと彼なりに動いている。
    #4よく生きる は全ヌイグルマーに読んでほしい。私は7年大切にしているぬいぐるみがあるので、読みながら号泣してしまった。
    まだ1巻だが何度も読み返したい。

  • NHKのよるドラで放送されていたのが素敵だったので、原作購入。
    絵のタッチがちょっと苦手なのだけど、高柳の無愛想で暗くどこか不気味な雰囲気がよく分かる。

    あとがきが一番胸に響いた。作者のおばさんが鬱病で自殺。付箋だらけの倫理の教科書と、神様と対話する形式の日記が遺品として残されていたと。

    倫理って確かに社会で役に立たないし、私も高校の時楽しく学んだけど、もう何も覚えていない。でも、生きていくうえでは、生きることを考えるうえでは、命を救うくらい重要な意味を持つこともある。

    楽しみに読み進めたいと思います。

    “誰もが自分の視野の限界を世界の視野の限界だと思っている”ショーペンハウアー

    “不安は自由のめまいだ”キルケゴール

  • 「新時代、教師物語」とあるように世に多くある学園もの漫画とは一線を画す異色な物語ではないだろうか。っていえるほど漫画を数多く読んできたわけではないのだけど。
    高校時代に、政治経済の先生が権利と義務、責任を力強く語った授業や、倫理の先生が哲学の考えかたや手探りで生きていく意味を飄飄と説いた授業を思い出した。あの先生方に憧れて高校の教員を目指していた時期が私にもあったなぁ…。
    思春期の柔らかい心と無限に広がっている未来は、授業の一言一言に反応して化学反応を毎日起こしていた。それは決してよい方向ばかりの変化とは限らなかったけど。

    漫画にできること。
    哲学にできること。
    可能性には必ず限界が用意されている。そうシニカルにうそぶくことは簡単だ。
    けれども高校生のときに私にもみえていた果てのない地平はどこへいったのだろう。消失してしまったのだろうか。それともどこかにまだ存在しているのだろうか。

    言葉、表現、創作にできること。

    この物語の主人公、倫理の教師である高柳先生は生徒を教え導くというのではなく、かといって生徒とまったく同じ位置まで降りてきて視界を共有するのでもない。生徒たちより少しばかり先を歩みながらも、同じ悩める完全ではない存在だ。ほんの少し先を行く先達として生徒たちがまだ知らぬ哲学という燈火で道を照らす。その炎を生徒たちに分け与える。

    暗い画面と重厚な物語で、楽しく幸せな読書時間とはならないかもしれない。
    しかし読み終わったあとで、幸せのほうへ一歩近づいたような軽やかさを感じることができた作品だった。

  •  一見「他者理解」をテーマとしているように見えるのだが、より本質的には「自己理解」の方がそれなのかもしれない。

    「倫理は人の心に触れ/自分の心に触れてもらう授業です」

     倫理教師の高柳が生徒のあれこれを解決していく話なのだが、生徒が自分で自分の心に触れるよう促していく過程は、まさに「対話」。

     こういう純なプロセスを見せられると、倫理の実践には鍛錬が要るなあと感じる。人付き合いをしてても/難しい本を読んでいても、それが倫理の実践であるとは限らない。後者は酒井の回のテーマか。

     こうやって感想を書いていくのも、自分の心に触れるための実践といえる。

  • 高校の時1番くらいに倫理好きだったの思い出した〜とても沁みる漫画、改めて哲学って面白い〜

  • NHKのよるドラを観て、これは原作も読まなきゃ、と思って即購入。
    当初、3, 4巻は品切れだったので買えなかったのだけど、ようやく入手できたので一気読み。
    ということで、現在発売されている部分についての感想を、1巻に記録しておく。

     ヨースタイン・ゴルデルの『ソフィーの世界』という作品がある。不思議の国のアリスを下敷きにしたようなメルヒェンの体で、様々な哲学を横断的に紹介するような作品。発売当時はベストセラーにもなり、話題になったことを覚えている人も多いと思う。

     自分がこの作品に出会ったのは、中学生後半のときだったように記憶してる。当時は読書の面白さに目覚めた時期で、図書室の本を片っ端から読んでいた。何が切っ掛けだったかは忘れてしまったけど、高価なハードカヴァであるこの本を読みたくて、お小遣いを貯めて買ったような記憶がある(誕生日プレゼントだったかも)。そして、この本を読んだことが切っ掛けで、自分は哲学という世界にどハマリしていくことになる。

     関係のないことを書いた理由は、本書、『ここは今から倫理です』は、『ソフィーの世界』の漫画版かつ倫理版、と言っても良いのではないか、と。倫理や哲学といった分野は、先人たちが「より良い生き方」を模索し、七転八倒しながら積み上げてきた足跡そのもの。
     時代とともに「正しさ」は変わるけれど、先人たちが積み重ねてきた「足跡」は、著作や考え方が残っている限り、いつでも参照することができる。ある時代の「正義」が誤った方向に向かい始めたとき、僕らは彼らの「足跡」を参照し、それを道標にしながら軌道を修正していくことができる。
     本作の冒頭で高柳が話している通り、「別に知らなくてもいいけれど、知っておいた方がいい」「選択の余地はあるものの、実は必修科目」なのが、哲学であり倫理だと自分も思う。なぜなら、生きることは容易ではなく、人生へ真摯に向き合えば向き合うほど難しくなっていくから。

     そんな困難な道程であっても、先人たちの「足跡」を辿ることで、いくらかでも困難さは軽減される。もちろん、先人たちが到達し得なかった現代においては彼らの足跡は付いていない。そこから先は、自分たちが道を切り開いていくしかない。しかし、過去から続く足跡を補助線として、僕たちは歩いていく方向を推測できる。

     しかし問題点は、倫理や哲学といったジャンルが難解であること。先人たちが自らの内で葛藤し、絞り出した「言葉」は異質なもので、ある種の私的言語に近い。
     また、高度な論理展開を駆使することで自らの言葉の正当性を世に示してしているため、基礎知識を身に着けていない場合は取っ掛かりすら掴めない。
     だからこそ、本書のような「入り口」を示すことは、社会的に非常に有益なものだと思う。本書を読んで興味を持った人は、放っておいても知識を広げようと動き始める。ちょうど、高柳に救われたいち子がそうしたように。

     「大きな物語」が消失して、秩序が崩壊しつつある現代だからこそ、本書のような作品が必要になっていると思う。

     また、上記のような「意義」とは別に、学園モノの作品としても非常に良く出来ていると思う。思春期ならではの悩みや痛みに真正面から向き合い、上っ面な「優しさ」で誤魔化すことなく、一緒に寄り添う姿勢は素晴らしい。
     偉人の名言ですべて解決、といった胡散臭さもなく、あくまで「道標」を示すのみに留め、解決は生徒それぞれに任せる。だから、結論が出ない回も少なくない。圧倒的に「正しい」と自分は思う。

    とても素晴らしい作品だと思う。
    今後も読み続けていきたい。

    ちなみにドラマは来週3/13で最終回。
    ドラマ版は漫画の良さを上手く引き出しつつ、映像表現で出来ることを巧みに取り入れていて、これも名作だと思う。

    最後に、漫画版もドラマ版もいち子ちゃんが非常に可愛いです。

  • 女の子の体の描写!!!!!話はいいのにだめじゃん!!!!

  • 4巻までは特に面白かった。
    はじめは無表情系のスーパー教師モノかと思っていたが、意外にも高柳先生は泥臭く、完璧な人間でもなかったし、常にかっこいい回答ができるわけでもなかった。
    しかし、「なにが“善”なのか」を必死に考え、葛藤しつつも生徒を思い対話を重ね、ときに大胆な行動をとる高柳先生の様子が丁寧に描写されていて、とても面白かった。
    また、必ず問題が解決するわけでもないところがリアルだった。

    「恋に破れても⋯
    家族が死んでも いじめられても
    就職に失敗しても 仕事がイヤでも
    お金がなくても
    人生が⋯退屈でも!!

    それがどんな理由でも
    命に換わる程
    重い絶望になるんです!!」

    この言葉が腑に落ちる人は多いと思う。

    生徒たちも、ただ一心に先生の言うことを聞くようになるわけではなく、自分たちで考えて、悩み、その結果先生の言うことを聞くこともあれば、先生とは違う答えを出すこともあり、そこがとても魅力的だった。
    その過程もしっかりと描かれているので、最終的にどの生徒も応援したくなる。

    5巻は少し倫理要素が少なくなった気がする。
    この作品の持ち味は“教える”だけではなく“対話する”ことで生徒と心を通じさせようとする部分にあると思うが、5巻では生徒の対話シーンが減ったことで、高柳先生がちょっと偉人の名言を引用しながら生徒を言い負かすだけの装置になってしまっているように感じた。
    先生も生徒も、これまでに比べて魅力を感じなかった。

  • 倫理について描かれた珍しい漫画。
    とっつきにくい絵柄なのもあり、難しい内容なのかと思ったけど、毎回生徒の一人を主人公にしたオムニバス形式で読みやすかった。
    高柳先生は押し付けがましくなく、生徒に寄り添った言葉をくれる先生で素敵だなと思った。
    倫理についても優しく教えてくれる。
    私もあんな先生に出会いたかったな。

  • 今まで全く意識も興味もなかった倫理を、この本をきっかけに学びたい、知りたいと思った。

  • 自分の知ってる世界でものをみちゃうし絶対って思っちゃうことあるなぁって反省した、、
    善も悪も全ての人を救えるように


    倫理は人の心に触れ 自分の心に触れてもらう授業

  • 1巻読了。
    倫理担当の高柳先生が生徒ひとりひとりと向き合い問題を解決へと導く短編集。と説明すると、熱血教師モノみたいですが、そういうわけでもなく。

    過去の思想家、偉人の遺した言葉に則り、生徒の不安に寄り添って諭していく先生は、なんだかまるでイエス・キリストやお釈迦様みたいな先導力があります。
    1話目を本屋で読んでいて、その時の私の精神状態がやや負だったこともあるけど、高柳先生の言動に涙が出てしまいコンタクトが外れ、本屋の本棚に鏡立ててコンタクトつけなおしました(笑)
    そして即購入しました。
    高柳先生がかっこよすぎです。
    そして、あとがきのマサカな内容が切なかった。

  • 絵ヂカラが強かった。一人の個性的なキャラクターを、周囲の普通の人々との関わりを描くことで描写している。

    一般の生徒先生達は、ああいそうだなあという人たちを少しオーバーめにしたイメージ。一方主人公の倫理の先生は、こんな性格の人が先生としていることは可能なのだろうか、いたら良かったなあと、そんな風に思った。

  • 救われる。49歳・男・既婚・正規雇用のなにも不自由はないと思われているわたしが救われる。

  • こんな先生に出会いたかった。
    道徳と哲学の間に倫理があると思ってたけども
    またそれは少し違う。
    堅苦しく感じる倫理や哲学が
    高校生たちの揺れ動く心や葛藤に
    響いていく。
    倫理や哲学の入門書に持ってこいです!

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著者プロフィール

1990年生まれ。東京都出身。
初連載作となる『ALL OUT!!』では、独創的なビジュアルとキャラクターの描写、ラグビーシーンの迫力や熱い展開などが多くの読者から支持を集めている。

「2017年 『ALL OUT!!(11)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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