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Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ) / ISBN・EAN: 9784088910215
作品紹介・あらすじ
人の心を操り、「思い込み」によって人を殺害する殺し屋・宇相吹正。彼の犯行は誰も証明する事はできない。人は彼を「不能犯」と呼ぶ…。翻弄され後悔の中で無残に死にゆく人々。連鎖する憎しみが明確な殺意へと変じ、今、宇相吹を追い詰める完璧な計画が始動する──!!
感想・レビュー・書評
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「やっぱり愛おしいね.,..人間は...!」
多田の心境に大きな変化が。そして同じく宇相吹にも。
話の流れが大きく変わり出した巻だった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
多田刑事のこと好きになってるやん
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きっと、いいや、確実に、電車やバスの中で、この『不能犯』(8)を読んでいたら、「ひぇっ」、そんな声が出てしまっていた
これまでの(1)~(7)も十分すぎるほど、精神的に恐怖で、読み手を追い詰めてきた、この漫画
だが、この(8)を読むと、宮月先生は、これまで、まだ手加減していたんだろうか、と思うほどのストーリーで鳥肌が立ってしまい、しばらく、戻らなくなる
そんな宮月先生の構成した、人の本質に迫りゆくストーリーの良さと怖さを漫画で引き出せるのは、神崎先生が努力を怠っていないからだろう
作画の技術を上げる努力ってのもあるが、何より、自分の中の天秤を傾かせないための努力をしているのが、ビシビシと伝わってくる
一枚剥けたな、そう感じるに値する巻だ
シンプルに、この(8)を表現するのであれば、変革、だろう
宇相吹にも、多田刑事にも、変化が生じているのだ、この(8)では
復讐者の道を選んでしまったがゆえに、宇相吹の能力で、自らにその悪意を反射させられ、命を虚しく散らしてしまった結夏が、今際に気付いた大切な事を継承した多田刑事は、これまで自分が纏っていた闇を受け入れた事で、その光を強めた
しかし、光が強くなれば、影の濃さも増すのが世の常
多田刑事が覚悟を決めた事で、宇相吹の闇もまた強まり、それだけでなく、彼自身にも変化が生まれた
その変化がキッカケとなり、新たなキャラクターが登場した
どうやら、多田刑事を利用して、宇相吹を破滅させようとしている南条は、これまでの復讐者に劣らぬ因縁があるようだ
しかし、宇相吹もそうだが、彼と多田刑事の絆は、そう簡単には壊せないだろうな
対極的なように見えて、宇相吹と多田刑事は、何気に共通点がある
その一つが、揺るがない信念で、他人を壊してしまうトコ
宇相吹は自発的に人を壊すが、多田刑事は無自覚で他人の信念を折ってしまう
果たして、違う方向に伸びているが、根っこは同じである、両者の信念、砕け散るのはどっちなのか。ただ、壊し合う過程で、その破片を浴びた周囲の人間は傷つけられていくんだろうな
どの回もゾクッとするのだが、私が特に寒気を覚えたのは、第54話「正義の権力<後編>」だ
ストーリーの展開も凄まじいが、それ以上に、多田刑事によって齎された自分の変容を戸惑いながらも、どこか嬉しそうな宇相吹の笑顔が最もおっかない
変化が起きる、つまり、宇相吹正もまた、血が通い、感情の有る人間ってことか
この台詞を引用に選んだのは、多田刑事の成長を著しく感じ取れるからだ
恨みも怒りも、恐ろしさも吹っ切り、自分の“刑事”としての生き方を貫く、そう、敵である宇相吹に対して誓える、その強さに震えた読み手は多いだろう
不殺の誓いを立てた事で、皮肉にも、多田刑事の刃は殺傷力を増したようだ
神崎裕也の作品
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