読む前から、いつまで鄴攻めやってんだよもうと呆れて読んでいました。長くなるにしても、合従軍のように場面が変わっていくならまだしも、同じところで……という感じに。
しょっぱなから事件が起きてびっくりする。まさか松左が死んでしまうとは……飄々としてていい奴だったのに、と残念。託された干斗はきっと大物になるに違いない。しかし、尾到が死んだときよりは悲しくなかった。たぶん、死に方の違いなのかもしれないけど。
そこから信達はなんとか趙我龍に追いつく。すごくムリして戦っているけど、松左しか死なないのがある意味奇跡だと思う。ほかの連中は傷つきながらもがんばってはいるけれど、ハラは減ってるし、連戦で疲れているし、よく動けるな、バケモンかお前らはと感心を通り越して呆れてしまう。人間って数日食わなくても生きていけるけど、水だけでこんな激しく動けるんですかね……?
ケガもして思うように戦えない信が、少し手当したぐらいで趙我龍を倒したのもいまひとつ。「趙我龍は軍師系でそんな強くない」という情報も初めて知ったし。今まで戦ってないだけで、堯雲より弱いかもしれないけど、あなどれない奴と思っていたんで、そんなバテバテに疲れた信に負けた趙我龍が弱すぎる。しかし、この右軍の戦いもやっと終わりに近づいたと思えてよかったです。
が、そうは終わらなかった。あの龐煖がいきなりやってきて、蒙恬のお付爺さんを殺してしまった。なぜこんなときにこいつがやってきて、しかも小者を殺しただけでどっか行くのか。来るなら信の方へ来るのが筋だろう。龐煖ももうキャラとして終わったな、と思いました。しかし、爺さんが龐煖を刺した描写はフラグがあるのだろうと。殺意がない攻撃とか、そういうのですかね?
でも蒙恬は関係ないだろうよ……と思う。完全なとばっちりでかわいそうだ。
15日目になり、とうとう本隊が動き出した。
この巻を読んでいて一番面白かったのはここで、展開がどうなるのかわくわくするところ。
だって、今まで人間からバケモンになった奴らが戦っていて、このマンガも超人マンガ化かよ、と思っていたところに(超人マンガは嫌いじゃないです)、知力のっぶつかりあいになるかもしれないというのが面白いんじゃないですか。特に王翦将軍の余裕ぶりが気になるんで。
ああ、早く終わらないかなあ(結局はそこなんです