銀河英雄伝説 15 (ヤングジャンプコミックス)

  • 集英社
4.16
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784088913797

作品紹介・あらすじ

帝国、同盟……。共に内乱を経て、新たな時代へと動き出す。
銀河帝国・ラインハルトは宰相となり、国内を掌握し新体制を築き始める。そして、同盟侵攻へ向けてある作戦がもたらされる。
一方、自由惑星同盟は、国境最前線イゼルローン要塞付近で帝国軍との遭遇戦に臨む。その戦いでヤンの被保護者・ユリアンが初陣を飾る!!

感想・レビュー・書評

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  • 銀河帝国の最高権力者となったラインハルト・フォン・ローエングラムの内政の方針は公平な裁判と公平な税制というシンプルなものである。「体制に対する民衆の信頼をえるには、ふたつのものがあればよい。公平な裁判と、同じく公平な税制度。ただそれだけだ」
    このラインハルトの発言には二つの意味がある。一つは公平な裁判と公平な税制度が必要ということである。それが実現すれば素晴らしいが、末端の役人にまで徹底できるか。次代を担う最高幹部クラスでもグリルパルツァーのような存在がいた。
    もう一つは公平な裁判と公平な税制度だけがあればいいとなる。後者は余計な政策は不要という自由放任主義的な傾向がある。勿論、マンションだまし売りのような悪徳商法を放置することは公平ではなく、そのための規制は必要である。しかし、20世紀後半の福祉国家的な発想とは大きな隔たりがある。
    公平な裁判と公平な税制で民衆の支持を得るためには、民衆側も意識が高くなければならない。公正な裁判と公平な税制の下での大不況と、不公平さがあるが好景気のどちらが良いかとなった場合、残念ながら現代日本人は後者を選択する人が多そうである。銀河帝国の民衆は現代日本人よりも賢いだろうか。
    門閥貴族の没落は貴族だけの問題ではない。貴族御用達の商人も没落する。連鎖倒産や失業者が溢れる。旧社会主義国の失業者のように旧体制を懐かしむ民衆も出そうであるが、そのような描写は見られない。経済的な苦境よりも公平な裁判と公平な税制を歓迎するほど銀河帝国民衆の意識は高いか。
    田中芳樹原作、藤崎竜漫画『銀河英雄伝説 15』(集英社、2019年)ではラインハルトは公平な裁判と公平な税制度だけと言いながら、福祉国家的な政策を積極的に行っている。門閥貴族の屋敷を福祉施設にしたり、低利子で貸し出す金融機関を設立したりするなどである。それによって民衆から統治の天才と支持されている。20世紀後半の福祉国家的思想が先祖帰りした感がある。
    20世紀後半の福祉国家的な常識では公平な裁判と公平な税制度だけでは民衆の支持が得られないとなるだろう。一方で20世紀末には社会主義体制の崩壊やケインズ経済の機能不全を経験した。そこからすると、官僚主導経済の硬直性が問題であり、公平な裁判と公平な税制度に専念という思想は魅力的である。
    ラインハルトの公平な裁判と公平な税制度とは対照的に自由惑星同盟では査問会ごっこが行われる。査問会は不公正な裁判である。改革が進む銀河帝国と悪くなる自由惑星同盟を対比的に描いている。

  • ユリアンの武勲と理性が見事。
    ヤンははめられていくなぁ。
    ふと、最後の決着がどうなったか思い出せないんだよね。
    帝国のその後は覚えているんだけど、同盟の方がユリアンが中心になっていくのは何となくわかるんだけど、明確なエピソードが思い出せない。
    あ、でもまだヤンが結婚してないから、もう少しはこのままかな。
    ついつい皆殺しの田中発動に身構えてしまう。

    で、フロイラインがジーク兄さまといっているのが引っ掛かったんだけど、そんな出会いだったっけ?

  • 15巻まで読了。キルヒアイスが斃れ、帝国の内戦が終結し、また同盟側でのクーデターも鎮圧。新章に入って、イゼルローン要塞対ガイエスブルク要塞戦の直前までが描かれる。
    見所がたくさんある中で、地味なところだけど、オーベルシュタインが彼の犬と出会うシーンが普段との落差があって素敵。

  • 読書日:2021年9月29日.

    表紙がHildegardとは直ぐには気付けませんでした…。
    この可愛い少年は誰だろう…?と
    もやもやしながら15巻を読み進めました。

    忘れ去られた地球に
    私達の先の人達もいずれかは、
    こうなるのでは…と思わずにはいられません。
    地球教を統べる大主教猊下は、
    想像以上にお歳を召されていて驚きました。

    帝国、自由惑星、フェザーンと今後は
    どの様に関わる事になるのか、気になります。

  • コアなファンには評判の悪い、本シリーズ。なんとなく楽しく読んでいます。でも、一部のキャラがキモすぎる。。。
    「憎まれキャラにも五分の魂」、その人なりの人生がある、というのが銀河英雄伝説なので、あまりな外見だとホント可哀想です。

  • いきなり面白ヤンで始まった(*^。^*)メルカッツの亡命、ユリアンの初陣、ヤンの査問と今回も見所が盛りだくさん!でもヒルダの「ジーク兄さま」とドミニクの容姿がしっくり来ない(-_-;)

  • フェザーンの暗躍が分かりやすい形で描かれ,ちょっとクスッと笑える.

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